29

翌朝、陽が登った後夢子達は北西の森の奥を目指し歩いていた。
道中他愛もない会話が続く。

【29章】





クロム「で…お前等やっぱりそういう関係だったんだな。
    まあ俺にとってはあの女っ気のないルフレがここまで成長して嬉しいが。」
ルキナ「軍にも何名も美形な女性居ましたが、軍師は誰とも噂なかったですよね。」
ルフレ「きっと神様が夢子に会うまで誰とも付き合うな!ってお告げだったんだろね。」
夢子達は森の奥にある荒れた地に出た。
夢子「神殿跡地…?もう殆ど崩れてるけど。」
ルフレ「ここに祭壇みたいなのがある…ハッ‥‥誰か、居る…!」
ルフレは何者かの気配を感じ取った。
夢子達も警戒する。
すると神殿跡地の奥から人影がこちらへと向かってきた。
そこに居たのはー・・・















ルフレ「…僕…?!」


そう、そこにはルフレと全く同じの見た目をしている人物が立っていた。
裏切り者のルフレ「久しいね、もう一人の僕…!」
クロム「お前は…!?何故この世界に居る…!!」
裏切り者のルフレ「ああ、そろそろギムレー様の復活が近いんでね。
         その為にクレイジー様側についてここまで来てやったんだ。」
夢子「…どういう事?」
ルキナ「彼もまた、私と同じ道を辿って来てるのです。
    私は未来を変えるため復活の阻止を、
    そしてこの方は邪竜ギムレーをを復活させるために。
    醜い運命です…。」
すると突然ルフレが頭を抱えてうずくまる。
ルフレ「く…!頭が…痛い…!なんだこの頭痛…」
クロム「しっかりしろ!ルフレ!お前が指示を出さないで誰がするんだ!」
夢子「ルフレ…!」
裏切り者のルフレ「君が覚醒すればさっさと思い通りになるんだ。」
ルフレ「うるさい…誰がお前なんか‥!」
裏切り者のルフレ「君の弱点はわかっている。そこの彼女でしょ?」
ルフレ「!!!…夢子に手を出したら許さない…!」
裏切り者のルフレ「フフ、そうやって苦しんで指をくわえて見てると良いよ。
         お前を覚醒させる。
         そして邪竜ギムレー様を再び完全体にする。」
クロム「お前はまだその様な事を…!」
ルキナ「私たちが全力で阻止します。未来は私が変えて見せる…!」
夢子「ルフレ…ルフレ…!大丈夫?」
ルフレ「ハア・・・ハア・・・」
クロム「クソ…!今はルフレの指示無しで戦うしかない。
    ルキナ!いけるか?!」
ルキナ「はい、お父様。私とお父様なら敵何ていません!
    あと夢子さんもいる。3人で戦いましょう!」
裏切り者のルフレ「ふぅん…3人でねぇ…今の僕に勝てると思ってるの?」
クロム「ここはFEの世界ではない。向こうの融通はきかん。
    覚悟しろ、お前はここで倒される!」
ルキナ「私の目的、違う形で達成できそうです。」
裏切り者のルフレ「まあいいや。君たち二人を倒した後、同一化するために
         そこに倒れてる僕と夢子を連れて行くから。
         さあ、楽しいショーの始まりだよ!」
もう一人のルフレは攻撃を仕掛けてきた。
闇属性の魔法で夢子達に襲い掛かる。
クロム「ミィルの魔導書か…何、当たらなければいい話だ。行くぞ!ルキナ!」
ルキナ「はい!お父様!」
クロム「遠距離攻撃は夢子、任せたぞ!」
夢子「うん!」
クロムとルキナは交互に攻撃を仕掛ける。
その剣技は素早く華麗で美しい。
お互いの手に持つファルシオンが光り輝く。
もう一人のルフレは笑いながら彼らの攻撃を避け続けていた。
裏切り者のルフレ「フフ、君たちの戦い方は以前拝見させてもらったから
         わかりきってるよ。
         君たちには魔法は使えない。剣での近距離攻撃しかできないでしょ?
         でも僕には魔導書がある。…この意味わかる?君たちには僕は倒せない。」
クロム「そんな事…」
ルキナ「やって見ないとわからないわ!!!」
クロムとルキナの剣がもう一人のルフレの顔を少し掠った。
裏切り者のルフレ「ん?…血が出てる…?ふーん君たちも少しはやるようだね。
         でも、時間は稼げた。僕はそういう役目だから。」
クロム「貴様…何を言って…!?」
ルキナ「お父様!軍師と夢子さんが‥‥!」

そこには気絶させられたルフレと夢子の姿があった。
そして気絶をするように二人に手を出していたのは




黒と沙羅だった・・・




【いいね!!】

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