28


【28章】

夢子がシルフからブレスレットを貰って1週間が経った。
森で声を聞いて以来シルフの声は聞けてないが
すぐそばに気配を感じた。
私を見守ってくれていると…このブレスレットを付けていると
不思議と安心した気持ちになった。






昼過ぎ…
夢子はわたあめと遊んでいた。
わたあめはこちらの世界に来てからは城の中や外を自由に行き来できるようにしていた。
元々しつけが良かったのかわたあめは人を困らせるような事は一切しない。

夢子「わたあめ!ほら、ボール投げるよ!」
わたあめ「わん!」
夢子とわたあめは城の中庭でボール遊び。
わたあめも久々に遊べてとても喜んでいる。
夢子「最近ずっとウインドの魔法鍛えてたもんなぁ…
     こうやってのんびりするのも良いね、わたあめ!」
わたあめ「わんわん!」
夢子「それ!もう一個投げるよー!」
わたあめ「くぅん!」

夢子がボールを投げると顔に水滴が当たる。









ポツ・・ポツ・・・


夢子の頬に水滴が当たる。

夢子「…雨…?大変、風邪引いちゃう…わたあめ、戻ろ!」




夢子とわたあめは急いで城の中へと戻った。
入った瞬間外は土砂降りの雨になった。
夢子「ヒエエ…もう少し戻るの遅かったらびちょ濡れだったね…
      危なかったね、わたあめ。」
わたあめ「くぅん…。」
夢子「そんな残念そうな顔しないで?また遊んであげるから!」
わたあめ「わん!」
夢子「雨見てたら思いだすなぁ…小さい頃の事。
     天気悪いのにふざけて外で遊んでて、
     雨に長時間当たったせいで熱だしちゃって。
     その時ダークにぃが付きっ切りで看護してくれたんだ。」
わたあめ「わん?」
夢子「わたあめ…あんな酷い事したけどダークにぃの事嫌いにならないで…?」
わたあめ「くぅん…。」
夢子「本当は動物が好きで心根は優しいのよ?」
夢子は黒の事を色々思いだしていた。
楽しかった話も悲しかった話も、全部。
今、黒はどんな気持ちであちら側にいるのか、
考えると胸が苦しかった。
すると城の奥からピットの声がする。






ピット「あ、夢子!おーい!ファイター全員、マスターから招集かかったよ!」








マスターハンドに剣士組&FE勢と夢子、招集された。
切り詰められたこの空気。
誰も雑談なんて出来ない。
マスタータンドは言った。

マスター「今さっきここから北西の森の奥で邪悪な気配が感じられた。
     何名かそれを討伐しに行ってもらう。」
夢子「私、行きたいです!特訓成果、知りたい…!」
マスター「うむ…夢子が行きたいのなら構わない。
     他にあと数名必要なのだが…。」
ルフレ「僕は彼女を守るって決めたから絶対一緒に行くよ!
    的確な指示をする存在も必要だろ?」
クロム「俺も行こう。この世界の悪、どのような物か見極めたい。」
ルキナ「お父様が行くなら私も行きます!最近腕がなまってますから。」
マスター「では君たち4人に任せよう。速やかに排除してくれ。」






4人「「「「はい!」」」」


【いいね!!】




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