27


【27章】

辺りはすっかり暗くなっていた。
森で精霊が憑いた夢子は独り城へと帰ってきた。
城に入ってすぐのロビー。
リンク達がいた。
とても不安そうか顔で話していたリンク達。
夢子の姿を見ると急いで駆け寄ってきた。
リンク「夢子さん…!」
夢子「リンク‥私…」
リンク「すいません、俺は夢子さんに失礼な態度を…」
夢子「…ごめんなさい。私だってリンク達の気持ち考えてなかった…」
ピット「僕らが軽率だったんだ。」
マルス「うん…。君の気持ちは分かったつもりだよ。」
アイク「俺たちシュルクに説得されて落ち着いたんだ。
    夢子、お前も一人になって大分気持ち落ち着いたんじゃないか?」
シュルク「この人らを説得するの大変でしたよ?
     …ルフレも少し反省してるみたいですし。」
夢子「そうだ、ルフレは今どこにいるの?」
ピット「屋上に行くって言ってたよ!君がどこにいるか見渡して探すって!」
夢子「…行ってきていい?」
剣士組「「うん!」」
夢子はその場を離れようとした。
するとリンクが最後に呟く。
リンク「夢子さん、俺貴女の事諦めないから。
    絶対ルフレから夢子さんを絶対奪い取って見せます!
    だから、…覚悟しててくださいね?」
夢子「ふふ、すっかりいつも通りのリンクね。なんか安心した!」
リンク「さあ、行ってください。」









夢子は屋上に行った。
そこでは必死に街を見下ろすルフレの姿が。
夢子「ルフレ‥‥!」
ルフレは夢子の存在に気が付いた。
ルフレ「夢子…!?急に走り出すからどこに行ったのかずっと心配してたんだよ!?」
夢子「ごめんなさい、あの時空気に耐えれなくて…。」
ルフレ「その…僕も…ごめん。」
夢子「え?なんでルフレが謝るの?」
ルフレ「だって君に出すぎた態度したせいでリンク達も気分害したし、
    何より君を一番追い詰めてしまったから…ほんとごめん。」
夢子「そんな事言わないで?貴方は私の事いつだって助けてくれた…
     その事実は変わらないでしょ?」
ルフレ「…君の事、僕がずっと守り続けたいから…。
    あいつ等にもつい見え張っちゃうんだ。
    それほど君が好きで…。でもこれは僕のワガママかな。
     僕自身もこんな気持ち抱くの生まれて初めてだから
      加減がわからなくて。」
夢子「私も貴方の事大好き。皆の事大好きだけど…私は気づいてしまった。
     …特別な感情抱いてるって。」
ルフレ「夢子…!」
夢子「でもだからと言ってやりたい放題しないでね?
      あまり度が過ぎたらリンクのとこ行くかもよ?」
ルフレ「それは全力で阻止する☆」
夢子「あはは、貴方もいつも通りね。…そうだ、貴方には話していこうかな?
      
   私の出生とこの身体に流れてる血の話をー・・・」

ルフレ「血って…確かワイバーンが言ってたあの時の話かい?」
夢子「うん…マスターから色々聞いたの。
     私にはルフレみたいに特別な血が流れてるって。
     その血が何なのかはまだ私の口から言えないけど…
     この世界の運命を握る鍵になる可能性もあるって。」
ルフレ「じゃあ僕たち二人、特別だね。」
夢子「特別…?」
ルフレ「だってそうでしょ?変わり者同士で僕らって似てると思わない?」
夢子「…まあね?」
ルフレ「特殊な血を持ってる以上争いごとに巻き込まれる確率高いんだろね。
    でも僕らなら乗り越えていけるよ!」
夢子「でも、本当の事知ったらルフレきっと私の事嫌いになるよ?」
ルフレ「大丈夫、僕程邪悪な血の流れる人間いないし。
    …正直僕自身ほんとに人なのかなって思う事あるよ?」
夢子「大丈夫、一度悪に染まった貴方の事見てるもん。」
ルフレ「もしも今度僕が再び暴走したら、その時は君が止めてね?
    そしたらすぐ帰ってくるから。」
夢子「私も貴方を守るから、貴方も私を守ってね。」
ルフレ「そういえばそのブレスレット、とても似合ってるよ。」
夢子「あ…ああこれ…さっき森で精霊から貰ったの。
     悪しき存在から守ってくれるみたい。」
ルフレ「ふむ…僕の付与魔法系とも違う魔力がある‥。風、かな?それと…いや、今はいっか。」」
夢子「へぇ…見ただけでわかるんだ!?」
ルフレ「でもなんだか普通の力じゃない、これは…。」
夢子「ねえルフレ、ウインド系の魔導書私に貸してくれないかな?」
ルフレ「うん、僕は雷系統が得意だからね。貸すと言わず全部あげるよ。」
夢子「ほんと!?やったー!これで私ももっと強くなる!」
ルフレ「じゃあまた僕の部屋に…」
夢子「それは遠慮します。廊下まで持ってきてください。(棒読み)」
ルフレ「ええ…だってもう夜だよ?」
夢子「外ならまだしも城内よ!?それに貴方のほうが危険だわ…。
     大体さっきも色々としたでしょうが!?」
ルフレ「うーん残念。」


【いいね!!】

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