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第40章【心の変化】


深い眠りの中、
夢の中で夢子は再びディンの声を聞いた。

ディン「夢子…」
夢子(ディン…!?)
ディン「よく聞いてください、夢子。
    これからが本当の戦いの始まりです。
    身につけた炎の力を見事に使いこなしてください。
    そうすれば道が開けるでしょうー…」
夢子(これからが本当の戦い…)
ディン「魔の者ー…タブーは貴女の持つ力を欲しています。
    炎の力ではなく元々貴女が持つ特別な力…
    覚醒と共にその力は解き放たれます。
    まずはその力を抑える新たな力としてこの炎の力を利用するのです。」
夢子(力を力で抑えるのね。)
ディン「悲しみや恐怖に耐えてください。
    もしも貴女の精神が崩壊すればタブーの思うつぼです。
    貴女次第でその覚醒の進行を止めることも可能です。
    恐怖に打ち勝つのです。」
夢子(大丈夫…私は屈しない!)
ディン「貴女の返事を聞いて安心しました。
    私は少しの間再び眠りにつきます。
    どうしても助けがいるときにはネックレスに誓いの口づけをして私を呼んでください。
    それでは健闘を祈ります。」






夢子「ん・・・」
ダーク「よう。」
夢子「!!!」

夢子が目を覚ますとダークの顔が目の前にあった。
夢子はパニックになって叫ぶ。
夢子「ちょ…!な…何してんのよ!!!」
ダーク「ったく朝からうるせーやつだな。あまりにも起きるのが遅せーから起こしてやろうとしただけじゃねーか。」
夢子「だ…っだからってなんで馬乗りになる必要があるのよ!」
ダーク「王子様の目覚めのキスってやつやってやろうかなって。」
夢子「じょ…冗談じゃないわ!結構よ!…早くそこから退きなさいよ!」
ダーク「へいへい…うるさいお嬢様だ。」
ダークが夢子の上から起き上がると捨て台詞をはくように夢子に言った。
夢子「これがリンクだったら良かったな?」
夢子「なっ…!」
ダーク「まだアイツとはキスすらしてねーんだろ?」
夢子「あ…貴方には関係ないでしょ!」
ダーク「アイツも女心がわかんねーやつだな。」
夢子「リンクさんはそんな人じゃない!」
ダーク「まああいつがどうしようが俺様には関係のない話だがな。さてと、朝飯でも調達してくるか。お前も巻でも燃やして準備しとけよ。」
そう言い残すとダークは足早に小屋から出て行ってしまった。
夢子は自分の顔に両手をあてると思いやな無用にぽつりと言葉を発した。
夢子「リンクさんと姿が似てるだけなのに…私なんでこんなにドキドキしてるんだろう…バカみたい…。」















ピット「ぜえ…ぜえ…ねえ、ちょっと休憩しようよ?」
リンク、ピット、マルス、アイクの4名は丘を登っていた。
霧も下になり見晴らしもいい。
リンク「じゃあここでちょっと休憩しましょう。」
アイク「ああ…腹が減ったな…。」
マルス「そういえば昨日から何も食べてないもんねー…。」
4人は座り心地の良さそうな岩に腰をかけた。
ピット「あ!僕いいの持ってた気が…」
思い出したかのように言うとピットは胸元を漁る。
ピット「えっとね、確かこの辺に…あった!ジャジャジャーン☆チョコレート!いつも非常食って持ち歩いてるんだー♪」
マルス「おお!ピット君にしては流石!」
リンク「チョコレートならエネルギーになりますね!」
ピット「それじゃあ早速四等分にしまーす!ハイどうぞ!」
ピットがチョコレートを割ると他の3人に手渡す。
アイク「…なんかベトベトしてるぞ…。」
リンク「アハハ…胸元に入れてたから体温で溶けちゃったんですかね…。
マルス「うわ〜なんか食べたくない…。」
ピット「えーじゃあ返してよ!マルスの分は僕が食べる!」
マルス「いやいや、お腹すいてるし我慢して食べるよ…。」
リンク「それにしてもー…」
リンクは岩の上に登るとふもとを見下ろした。
リンク「この辺は荒れてますね…やはり木々がほとんど枯れてる…。」
アイク「ほんとだな。だが木があるということは元々ここは緑豊かだったんじゃないか?」
マルス「ひょっとしてタブーがこの地を荒らしたのかな?」
ピット「あ!見て!あの辺に誰かいるよ!?」
ピットの指差す方角を見ると小さい人影が動いている。
リンク「夢子さん!?…行ってみましょう!」







4人は急いで丘を降りると人影のあった場所へと移動する。
そこはほかの場所より緑が生い茂っている。
リンク「夢子!?」
人影にリンクが話しかける。
???「ー誰ですか?」
人影は返事を返した。
黒かったその姿がはっきりとする。


ピット「夢子じゃない!おまえはー…プリム!?」






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