23
マスターと自分の出生の話をした夢子。
心境は複雑だ。
自分が邪神と人間の間に生まれたハーフの魔女。
そしてまだ見ぬ母親は自分を救ってくれた。
複雑だけど何所か安心した夢子。
この話はまだ誰にもしてないけないのだろうか。
…話せる気がしない。
【23章】
夢子が玉座の部屋から出るとルキナとカムイが待っていた。
夢子「二人とも…居たんだ?」
ルキナ「安心してください、マスターとの会話は聞いてませんから。」
カムイ「何か深い事情があるのですよね?」
夢子「ごめんなさい…何れ二人にも話せると気が来ると思う。
でも、今は何も言えないの。…私自身混乱しちゃって。」
ルキナ「私たちはいつでもここに居ますから。」
カムイ「そうですよ、いつでもお話聞きます!」
夢子「ありがとう…!」
ルキナ「そういえば私たちは貴女に会ってこうして喋ってるけど
リンクさん達が夢子さんいない!って騒いでましたから
少し顔見せてやってください。」
夢子「そっか、帰ってきてからリンク達に会ってなかったかも。」
カムイ「行ってあげてくださいな。」
夢子「うん、じゃあちょっと行ってくるね!」
夢子は走り出した。
その背を見送るルキナとカムイ。
ルキナ「夢子さん、大丈夫でしょうか。」
カムイ「あの子は強い方ですよ。‥何があったかわからないけどきっと大丈夫。」
・
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城の大広間へやってきた夢子。
そこにはリンク達が居た。
…何やら揉めているようだが。こちらにはまだ気づいていない。
リンク「だから、夢子さんは俺が探しに行きます!
もう居なくなって3日以上経つんですよ!?
このままもし夢子さんに身の危険があったら…。」
ピット「夢子ある程度戦えるから大丈夫だよ!」
リンク「そうじゃない…そうじゃないんですピット君。
あのヤサオが一緒に居る事が問題なんです。」
マルス「ああ、そっちかー。確かに二人きりになったら
僕でも夢子の事襲うかも。」
アイク「元気だなお前。」
シュルク「大丈夫ですよ、ルフレだってそんな辺りかまわず手出しませんよ。」
リンク「ああ、でも心配だ…大体どこに行ったかもわからないし。」
ピット「洞窟に行ったらしいよ?」
リンク「なんですって…!?あんな暗くてジメジメしたとこ…
夢子さんを襲わずにいられないじゃないですか!」
アイク「…なんか色々と突っ込み所満載だぞ?」
リンク「兎に角俺は今から夢子さん探しに行きます。
貴方達はその辺で・・・・」
夢子「リンク達!」夢子の声を聞くなり剣士男子達が一斉に夢子に振り向き、そして・・・
ダダダダダダダダダ!!!剣士達が物凄い勢いで走ってきた。
夢子「ちょ‥止まってよ!ヒイイ、怖い!」
夢子は余りの勢いが怖くて走り出す。
後ろから剣士達が走ってくる。凄い顔で。
夢子「怖いんですけど!超怖いよー!
今時の子供の鬼ごっこだってそんな怖い顔しないよー!」
リンク「夢子さん!会いたかったー!どれだけ心配してたのか…
挨拶代わりに抱きしめさせてください!」
ピット「わーい鬼ごっこ!僕負けないよー?」
マルス「この中で一番脚速いの僕だからね!?絶対捕まえる☆」
アイク「俺長距離走は苦手なんだよな…短距離走も苦手だが。」
シュルク「これは…逃げられると追いたくなる男の性。」
夢子「ヒイイイ‥‥!怖いー誰か助けて!」
ルフレ「トロン!」
ドカアアアアアン!!!追いかけて来た剣士達にふらっと現れたルフレがトロンを打ち込んだ。
ルフレ「はぁ…君たち男ならこんな女子の嫌がる事しちゃだめだよ?」
夢子「ああ、助かった…。」
リンク「イテテ・・ちょっとルフレ、邪魔しないでくださいよ。
今結構楽しかったんですよ?」
ルフレ「夢子、怖かったでしょ?さあ、僕の部屋においで。
その恐怖心が無くなるような素敵なプレゼントあるから。」
夢子「?」
ルフレ「忘れたの?解除の魔石だよ。君がマスターと話してる間に加工したんだ。
さあ、おいで!」
リンク「なんかわからないけど物で釣ろうとしてるんですか?」
ルフレ「これは僕らの秘密の作業だから。君たちはその辺の廊下で寝てると良いよ。」
リンク「ムム・・・・!」
夢子「ねえルフレ、これも今のネックレスの状態のせい?」
ルフレ「うん、少なくとも影響はあるだろね。
まあこの人らいつもこんな感じだけど‥。」
夢子「じゃあ早く解除しよう!…貴方の部屋ってどこ?」
ルフレ「この廊下から二階に上がって突き当りだよ。さ!」
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