22


【22章】


夢子達は城に帰ってきた。
その姿を1番最初に見た見たルキナとカムイは直ぐに夢子に抱き着く。
ルキナ「夢子さん!今までどうしてたんですか!?なかなか帰ってこないから心配したんですよ!?」
カムイ「軍師が一緒とはわかってたけど、それはそれで不安でしたの。」
夢子「二人とも、心配かけさせてごめんなさい…。」
ルキナ「夢子さんが無事で何よりですよ。」
カムイ「怪我とかしてませんか?」
夢子「私は大丈夫だけどルフレが…。」
ルフレ「僕なら大丈夫だよ。夢子が熱い看護してくれたおかげで♪」
ルキナ「何か…意味深ですが、ここは触れないでおきましょうか。」
カムイ「フフ、夢子さんお楽しみでした?それなら安心ですわ。」
夢子「二人とも変な想像はやめてよー!ちょっとそこ!ルフレもニヤニヤしないで!」
ルキナ「早々、夢子さん、マスターが探してましたよ。」
カムイ「戻ってきたら玉座の間に来るようにって伝言預かってますの。」
夢子「え、私?」
ルフレ「行ってきなよ。僕は自分の部屋に戻っておくから。」
夢子「うん、じゃあ行ってくるね。」








玉座の間に入る夢子。
恐る恐る扉を開く。
すると前回見たままの姿のマスターハンドがいた。





マスター「やあ、夢子。随分城を空けてたみたいだが、何かあったのかな?」
夢子「えっと…ルフレと洞窟に解除の魔石取りに…あ、そうだ!
     マスターさん、洞窟の深層部に魔法陣の罠が仕掛けられてて
     そこからワイバーンという邪竜が出たんです!
     私とルフレは戦って…そしたら追い返せたけどルフレが怪我して。」
マスター「そうか…やつの手下がこんな近くまで蔓延っていたか。
     君には話しておこうか。
     クレイジーは…元は私の双子の弟なんだ。」
     私たちは善と悪の創造神として生み出された存在。
     だが、兄弟は兄弟でも最初から釣り合わなくてね。
     それどころかクレイジーは悪の創造神として本格的に動き始めた。
     そして今は君を支柱に収めようとしている。この意味、わかるかね?」
夢子「兄弟…だったんですね。私を支柱にって…どういう事なんですか?
     そういえばワイバーンも言ってた。
     『お前には特別な血が流れている』って。
     マスターさん、これってどういう意味なんですか?
     私…真実が知りたい。きっと今までの出来事も全部関係あるって思ってるんです。
     だからファイター達は私の目の前に現れたって。
     マスターさん、教えてください。」
マスター「君には酷かもしれんが、それでも聞きたいか?」
夢子「大丈夫です。」
マスター「では話そう。…君は養子だったね?
     本物の親の事、覚えてるかい?」
夢子「いいえ、でも母親の姿は…ぼんやりと時々夢に見るんです。
     顔は見えなくて、でも私を抱きしめた後遠くへ消えて…
     …それが何か関係あるのですか?」
マスター「では…君の出生の話をしよう。
     君の母親は間違いなく人間。だがー・・・
     君の父親となる存在。それが問題なんだ。」
夢子「父親…?何があるのです?」
マスター「君の父親となる存在、その正体。それは・・・・

















    邪神。クレイジーの崇拝している邪神。その子が君だ。」








夢子「…邪神の子?…どういう事?」
マスター「君は邪神と人間の間に生まれたハーフの魔女なんだ。
     君の身体には邪神の血が通っている。
     だから君は【邪神】を目覚めさせる格好の材料なんだ。」
夢子「お母さんは…お母さんは人間だったんですよね?」
マスター「君の出生を調べたところ興味深い内容が出てきたよ。
     今現在、この世界には邪神というものは存在しない。
     何故なら邪神は1度滅びたからだ。
     少し前この国では大きな争いがあった。
     人間と魔族の争いが。その時戦火に飲まれた時に君の母親は
     丁度赤子の君を救うため、この世界から異世界の日本へと逃げたのだ。
     その後は自分の近くにいるとまた害が及ぶかもしれない、と
     君を施設に預けて姿を消したのだ。」
夢子「じゃあ、お母さんはまだ生きてるんですね?」
マスター「ああ、行方はわからないがきっとどこかで。」
夢子「そっか、お母さん…私を守ってくれたんだ…。」
マスター「もっとショックを受けると思ってたが…大丈夫なんだね?意外だったな。」
夢子「なんか…おかしいかもですが‥内心ほっとしてます。心の奥の蟠りが溶けた気がして。」
マスター「そういう理由があって君の存在がファイターを呼び押せたのか、
     ただの偶然なのか、私にもわからないが…必然なんだろうな。」
夢子「私には彼らに出会えたことと今一緒に居れる事が誇りです。」
マスター「それでだ、クレイジーは邪神の血が通ってる唯一の存在の君を狙っている。
     君はこれから大きな戦いに巻き込まれるかもしれない。
     その覚悟はあるか?…残念だが選択肢はひとつしかないが。」
夢子「私…戦って、平和な世界を取り戻したい。
      ダークにぃと沙羅も元に戻して、昔みたいに3人で笑いたい。」
マスター「君は意志が強いみたいだな。…来る戦いの前に色々と準備をするといい。
     何か不安がある時は気軽に私に尋ねてくるといい。」
夢子「はい…。」



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