第4章【出会い】




夢子が見上げるとそこにはりっぱな城がそびえ建っていた。
リンク「此処が『スマブラ城』ですよ。」
夢子「スマブラ…城…。凄いお城ですね…!」
リンク「ここには各地から選ばれし参戦者が集う城ですからねー。」
夢子「さんせんしゃ?」
夢子は首を傾げる。
リンクの言う参戦者の意味が解らないからだ。
リンク「俺達『参戦者』はその名の通り戦うんです。参戦者同士で技を競い合って己を磨いていく、
    そんな感じで。俺は少しの間ちょっとした旅に出てたから此処に帰ってくるのは久々なんですけど…。」
そう話しながらきょろきょろと辺りを窺うリンク。
そして一息ついて発言する。
リンク「ふー良かった、居ないみたいで。」
夢子「誰がですか?」
リンク「ゼルダ姫っていうとっても怖いお姫様ですよ…。」
???「誰がとっても怖いお姫様ですって…?!」
リンク「げっ」
門の奥から現れた人影に後ずさるするリンク。
そこには気品の良いドレス姿の美しい女性が立っていた。
その女性はリンクへかけよると血相をかえて怒鳴る。
???「久しぶりに帰ってきたと思ったら人の悪口を言ってるなんて…まったく!…あら?其方の方は?」
夢子「あ…私は夢子って言います。」
ゼルダ「夢子さんね。私はゼルダ、宜しくね!」
夢子「(わぁ、この人がゼルダ姫?!凄い美人…)よ…宜しくデス!」
リンク「訳あって旅の道中同行することになったんです。今マリオさんいますか?」
ゼルダ「マリオさんならトレーニング中よ。どうかしたの?」
ゼルダの問いに心配そうな顔をして夢子を見てリンクはこう答える。
リンク「夢子さん怪我してるんですよ…。」
ゼルダ「まぁ大変!急いで知らせてくるわ!!」
するとゼルダはシュンっと音を立てて風と共に消えてしまった。
リンク「夢子さんのおかげで助かりましたよ…。」
夢子「ゼルダ姫はやっぱりお姫様なんですか?それにいまのは…」
リンク「そうですよ。さっきのは魔法です。…ああ、怖かった…。」」
夢子「本当にお姫様がでてくるなんて…!私、感動しました!すっごく綺麗だったし…。」
夢子は目を輝かせて言った。
そんな夢子を見て不思議そうに首をかしげながらリンクは言う。
リンク「もしかして姫君を初めて見るんですか?」
夢子「はい!本物のお姫様に会えるなんて…」
リンク「そんなに感動してもらえるとは思ってもいませんでした。姫君ならもう一人この城に居ますよ。」
夢子「すごい…っ二人もいるんですか?!」
リンク「…二人ともとっても怖いですけどね…あ、今のは本人たちには内緒ですよ?」
口元に人差し指を立てて苦笑いするリンク。
夢子「とっても優しそうに見えますけど…ゼルダ姫。」
リンク「表の顔はね…。」



門の奥にある大きな扉を潜ると広々とした空間が広がっていた。
地べたや壁はすべて大理石のようにみえた。
天井には大きなシャンデリアがぶら下がっている。
右手にある階段から誰かが数名降りてきた。
???「「「「お帰り!リンク兄ちゃん!」」」」
リンクは手を振って笑顔で答える。
リンク「ただいまー!皆良い子にしてましたか?」
???「カービィがつまみ食いばっかりしてたピカ!」
???「ペポ!ペポポポポ〜!」
???「2人とも、久々にリンク兄ちゃんが帰ってきたんだから喧嘩しちゃだめだよ!」
???「そうよ、仲良くしなくちゃ!…ところでそこのお姉ちゃんはダレ?」
夢子「あ…初めまして、夢子って言います。」
ピカチュウ「僕はピカチュウ、ピカ!」
カービィ「カービィ、ペポ〜。」
ポポ「ポポと…」
ナナ「ナナです!」
夢子「ほっぺたが赤い方がピカチュウで丸いピンクの方がカービィでもこもこした服を着てる2人がポポとナナね!
    こんな可愛い子達も参戦者なんですか?」
リンク「そうですよ。見かけによらず皆とても強いです。」
夢子「そうなんですか…皆よろしくお願いしますね!」
ピカチュウ・カービィ・ポポ・ナナ「「「「ヨロシク!!!!」」」」
夢子「ここって天国みたいですね!ゼルダ姫は美人だし、ピカチュウ達は可愛いし…リンクさんもカッコイイし!」
リンク「っ!?///」
夢子の発言に表情を赤らめるリンク。
ピカチュウ「リンク兄ちゃん顔赤いピカ!」
カービィ「照れてるぺぽ?」
ポポ・ナナ「「ほんとだ〜!」」
リンク「こ…こら!からかうのは止めなさい!怒りますよ!?」
ピカチュウ・カービィ・ポポ・ナナ「「「「逃げろー!」」」」
ピカチュウ達はすたこらと走り去ってしまった。
夢子「…リンクさん、大丈夫ですか?」
リンク「…だっ…大丈夫ですよ!」
リンクはまだ顔が赤く額を抑えている。
夢子「熱あるんじゃないですか?」
リンク「大丈夫ですから、ホントに!…それより夢子さんこそ大丈夫なんですか?(夢子さんって鈍感みたいですね…よかった。)」
夢子「まだ全身痛いですけど…なんか此処に来てから少し元気になりました!」
リンク「そうですか。…あ、マリオさん!」
目の前から走ってきた赤い帽子をかぶった人物にリンクが話しかける。
マリオ「リンク、帰ってきたのか!話は聞いたぞ!怪我人はそこのお嬢さんかい?!」
リンク「はい…崖から落ちてきたんですよ…。」
マリオ「なんと!崖から落ちたのに立ってるのか!?」
リンク「落ちた場所が丁度川だったんです…奇跡ですよ…。」
マリオ「よし、白衣に着替えてくるから急いでそのお嬢さんを医務室へ運びなさい!」
リンク「解りました!」
マリオと呼ばれた人物はは反対側の通路へと急いで走り去ってしまった。
夢子「もしかしてあの人がお医者さんですか?」
リンク「そうですよ。医者の資格も持ってますしレーサーの資格も持ってますし…城の参戦者の中で一番凄い人ですよ。勿論腕っぷしもたちます!」
夢子「へぇ…そうなんですか…凄いなぁ…!」
リンク「さて…医務室へ急ぎますよ!しっかり?まっててくださいね!」
そういうとリンクは夢子をなんとお姫様抱っこしたのだ。
夢子「わっ…!だ…大丈夫ですよ!自分で歩けます!」
リンク「怪我人なんだから安静にしとかないといけませんよ。」
夢子「でもさっきから何度も…重くないですか?」
リンク「全然軽いですよ!夢子さんなら24時間担げます。さあ、医務室はこちら側です。」
夢子「24時間って…無茶苦茶ですよ…。」
こうして夢子は医務室へと連れて行かれるのであった。






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