私は今どこにいる?
瞼が重たくて開かない。
手足も感覚が無い…
でも、誰かが私を呼んでいる。
聞こえてるよ、でも返事が出せない。
どうしたらいいの?
誰かー・・・答えをー・・・




【1章】



暗い…暗い…
何所を見渡しても漆黒の闇。
私はここで何をしている?
寂しい…怖い…惨め…


???「夢子ー・・・・」

誰かが私を呼ぶ声がする。
懐かしくて温かい。
そう、いつも手を握ってくれたあの体温。
私はここにいる。
だから…救いだして…独りはもう嫌だ…




夢子はゆっくりと目を覚ました。
見慣れた家の天井ではない。
夢子「…ここ…は…?」
目を覚ました夢子は手の温かい感触を感じる。
見るとルフレが夢子の寝ているベットに寄りかかり寝ている。
手はしっかりと握られて。
夢子「頭が痛い…何があったんだっけ?
      私は皆と廃墟に行って…ダークにぃと沙羅と戦って…
      もしかして私はあの時死んだ?此処は天国?
       いや…私が落ちるのは地獄…?」
部屋を見渡す夢子。
何処か気品のあるお城のような光景が目に入ってくる。
床も壁もシャンデリアも…全て海外の世界のような…そんな感じがした。
夢子が咄嗟に手を動かすと、ルフレが反応した。


ルフレ「うーん…」
夢子「ルフレ…だよね?」
ルフレ「ハッ!夢子!?目が覚めたの!?」
夢子「うん…。」
ルフレ「やったあああ!夢子が目を覚ました!
    助かって本当に…本当に良かった…」
夢子「ねぇ、此処は一体何処なの?病院って雰囲気じゃないし。」
ルフレ「ああ、君に承諾貰えなかった訳だけど…勝手に転移魔法使ったんだ。
    混乱すると思うけど、今いる此処は日本じゃないんだ。
夢子「え?」
ルフレ「つまり君の故郷ではなく…僕ら側の世界に今君は居るんだ。」
夢子「なんか起きたばかりで頭に入ってこないなぁ…」
ルフレ「君の事助けようと思って、日本の病院に行っても助かる見込み無いと踏んだから
    この際剣と魔法のファンタジーの何でも有のこの世界に連れて来たんだ。」
夢子「うーん。」
ルフレ「まだ寝ぼけてるのかい?じゃあ僕が目覚めのキスしてあげるよ!」
夢子「え、それとこれじゃ話が違うって!」
ルフレ「フフ、恥ずかしがっちゃって。そういうとこがカワイイんだよね。」
ジリジリと迫りくるルフレ。
夢子はおもわず叫ぶ。
夢子「だ…誰かぁああー!」


バンッ!
部屋の扉が勢いよく開く。
そこからは見慣れた剣士男子達がいた。

ピット「あああ!ルフレが夢子を襲おうとしてるー!」
マルス「君っていつからそんな大胆になったのかい?」
アイク「俺らの知ってるルフレは女っけゼロだったのにな。
    どちらかというと鈍いというか。」
シュルク「まー男はオオカミとやら言いますからね。」
リンク「ルフレ、さっさとどかないと爆弾投げますよ?」

夢子「み…皆!そっか、皆無事だったんだね…!」
リンク「夢子さん、良かった!痛いところありませんか?」
夢子「うん!でも私ってダークにぃに斬られたよね?何で生きてるの?」
ルフレ「この世界には高度な治療魔法あるから、それで君を助けたんだ!」
リンク「それに正確に言うと彼はもう【黒兄さん】ではなく今は【ダーク】ですね。
    きっと今頃同一化しているんじゃないでしょうか。」
ピット「でも最後に僕らが転移するとき一瞬黒兄さんだった気がする。」
アイク「ああ、俺もそれは感じたな。」
マルス「最後の意志で僕らを逃がしてくれたってこと?」
シュルク「そういう事になりますね。きっと彼の真の意志でしょう。
     邪竜に乗り移られても夢子さんの事助けようとして…」
夢子「そうなの…ああ、私は一体どうしたらいいのかな。」


【いいね!!】

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