34

夢子「でも沢山寝た感じがするなぁ…私どのくらい寝てたのかな?」

ふと気になってニーアと白の書に尋ねるベッドの上の夢子。
何だか頭の中がぼーっとして身体も鈍ってる感じがしたから。
直ぐに白の書が答えた。





【34】


白の書「丁度あのバケモノと対峙してから1週間くらいだな。」
夢子「ええ!?7日間も寝てたんですか!?」
ニーア「あの時君は慣れない戦いの中俺たちを援護してくれて、
    その反動かかなりの魔力を消費してしまったみたいだ。」
白の書「あのヒーリングは凄まじいものだったな。」
夢子「そっか…。あ、カイネさんとエミール君は?」
白の書「あの2人ならいつも通りにしておるぞ。
    エミールはバケモノを倒した後は少し元気がなかったが…
    直ぐにいつも通り前向きになっておるぞ。
    下着女はタダ飯を良いことにこの館の執事に大量の料理を準備させておるしな。」
夢子(グーッ・・・・)


白の書の話を聞いてお腹が鳴る夢子。
ニーアは笑う。

ニーア「1週間も飲まず食わずだったしお腹空いてるんだろ?そうだ、一緒にご飯食べよう!」
夢子「…はいっ!お腹ペコペコです…」

ベッドから立ち上がろうとする夢子。
しかし、身体が鈍り過ぎてフラついてしまった。

ガバッ・・・!


ニーアは直ぐに夢子を受け止める。

夢子はニーアの腕の中から彼の顔を見上げて申し訳なさそうに微笑む。

ニーア「大丈夫か?!」
夢子「…ごめんなさい、何か足に力入らなくて…」
白の書「人間の身体の構造は未だに謎が多い…。」
夢子「寝たきりの人がいきなり経ったらこんな感じなのかな?」
ニーア「…ヨナも体調悪くて寝てること多かったから、似たような感じだったな。」
夢子「ヨナちゃん…私よりも小さい体で頑張ってたんだね…。」
ニーア「そうだ、ダイニングルームまで距離があるから俺が運ぶよ!」

夢子「え??」




そういうと夢子の身体が宙にフワリと浮く。

夢子「ちょ!!そこまでしなくていいですよー!!///」
ニーア「病み上がりみたいなもんだろ?それに俺が今こうしたいから。」


夢子はニーアにお姫様抱っこされていた。

夢子「重いですよ!!ニーアさんが怪我しちゃいますって!!」
ニーア「俺は何ともないよ?何なら信義より軽いし!!」
夢子「信義って?」
白の書「ニーアの持ってる片手剣の名称だな。あれは武器の中でもかなり軽い方だが…?」
ニーア「うん、それ以上に軽い!俺今なら夢子抱きしめたまま戦えるよ!?」
白の書「それは大げさでは…。」
ニーア「ホントだって!なら試そうか?!」
白の書「やめんかい!」
夢子「ニーアさんって本当に面白いですね!」
ニーア「え、今俺の事褒めた?」
白の書「お人よしの中のお人よしなのは間違ってないな。
    どうでもいいお使いも請け負うしどうでもいい他人の喧嘩にも首突っ込むし。」
ニーア「親切って言ってくれないか?」
白の書「お主の親切は度が過ぎてるのだ。」
夢子「あはは…!」
ニーア「夢子。」
夢子「何ですか?」
ニーア「寝顔も可愛いけどやっぱり笑顔で笑ってる君がもっと良いよ!」
夢子「…ありがとうございます!」
ニーア「そういえば、夢子、大分慣れてきたな。」
夢子「何がですか?」
ニーア「ほら、前は男性が触れるのあれだけ嫌がってただろ?
    今はそんな事も忘れるくらい俺が抱きしめても抵抗ないみたいだから。」
夢子「不思議ですよね、あれだけトラウマだったのに…
        ニーアさんも、カイネさんも、エミール君にも
        このメンバーになら触れられても恐怖心が湧かないんです。
        特に、ニーアさん。触れられると何故か安心する…。」
ニーア「…それ、男の前で言わない方が良い発言だよ?」
夢子「?」




ニーア「だって!!触って良いってことじゃん!!触り放題だよ!?
    俺もうやばいって!そんな事言われたら夢子にセクハラばかりするよ!?いい?!するよ!?いいよね!?!?」




興奮するニーアだったが
すぐに否定する腕の中の夢子。

夢子「あーエッチな意味でじゃないですからね!?誤解しないでくださいよ!?」
ニーア「エー…ソウナノカ?」
白の書「この男は…露骨に残念な顔しよって…」
夢子「お腹空きましたー!!!この話してる間8回グーグーしてます!」
ニーア「ハア…じゃあ行こか。」




何を期待してたのか、遅めの青春期が来てるニーアだった。




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