30

ニーア「ここから地下にいけるはずだ。」
一際石像の多い中庭から地下へ通じる階段をニーアは示す。




【30】



白の書「あの二人はここを降りて行ったのか…。」
夢子「なんで行きたくないはずの場所に降りたのでしょう?」
ニーア「さぁな…エミールに直接聞かないとだな…。」


長い階段を降りていく。
暗くて細い階段。
夢子は無意識にニーアの袖を掴む。

ニーアは…また興奮していた。



ニーア(ヤバイヤバイ…夢子可愛すぎ問題勃発。)
夢子「なんだか不気味な雰囲気ですね…ちょっと怖い…。」
ニーア「大丈夫、俺が守るから。(ドヤァ)」
夢子「はい、頼りにしてますよ?」
ニーア(今の俺、イケメンじゃね?)
白の書「暗がりでもニーアの顔が緩んどるのが分かる。」





2人と1冊は地下に辿り着いた。
そこは今まで見てきた建物とは違う雰囲気の施設が広がっていた。

着くなり小型のマモノが大量に湧き始めた。

ニーア「天気関係なしで無限に湧くからな、コイツ等。
    夢子、後方からの援護頼む。」
夢子「はい!」


ニーア達は戦いながら進む。
数はかなり多いが一匹一匹の力が弱い。
倒しながらどんどん先へ進む。

そして、大きな扉の前に辿り着いた。

白の書「まさかこんな奥地まで進むとはな…。」
夢子「カイネさんとエミール君何処まで行ったのでしょう?」
ニーア「この扉の先に…エミールの姉が封印されてたんだ。」
夢子「え…?」
ニーア「大丈夫、エミールが吸収したから今は何もいないだろう。」


ニーアが扉に手を当てる。
ゆっくりと鈍い音をたてて扉は開く。





中にカイネとエミールが居た。
二人とも蹲っている。




夢子「カイネさん!エミール君!」



夢子は二人に声を掛ける。




夢子達の気配に気づいたカイネが大きな声で叫ぶ。




カイネ「夢子!!来るな!!」




夢子「え…?」




すると、上から大きな何かが降ってきた。




その巨大な何かが口から煙を吐き、目の様な場所から赤い光を放っている。
見た目が、エミールの今の姿に酷似している。
しかし、それは
エミールよりも
もっと…もっと…醜い姿で。
ソレは憎悪と憎しみしか抱いていない事に夢子は気づいた。
夢子はそれと目が合った瞬間、涙を流す。
ソレは、大きく腕の様なものを上げて夢子に振り下ろす。
夢子は恐怖と悲しみで動けなかった。





ニーア「夢子!!!」



ニーアは素早く大剣を盾にして夢子をソレの攻撃から守る。
ソレの力は強力で、ニーアと夢子毎壁へと飛ばす。
夢子を庇ったニーアは片腕を壁に強くぶつけてしまう。

ニーア「クッ…!…夢子、大丈夫か!?」
夢子「ニーアさん…ごめんなさい…私…」
ニーア「君は隅の方に居てくれ。俺はコイツの相手を…
    カイネ!エミール!…コイツは一体何なんだ?!」

カイネ「ああ、エミールが説明してくれるだろう。
    だが、その説明は後だ。
    コイツを…鎮めなければ…!」
エミール「まさか…僕の他にも居るなんて‥‥。」

白の書「ニーア、久々の手ごわい戦闘だ。覚悟して望め。」
ニーア「俺には守る者が出来た‥今なら誰にも負けない。」


ニーアとカイネとエミール、3人がまとまった。
3人は武器を構える。




ニーア「久々に、本気…出すぞ。」


【いいね!!】

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