27

なんだかすっきりした夢子と未だに興奮が冷めないニーア、
パニくっている白の書は宿屋から出る支度をしていた。
そして、ついにこの時が来てしまった。
浮かれているニーアは今から地獄を見る事になる。










【27】











ニーア「え、朝ごはんを夢子が?」
ニーアはきょとんとする。
夢子「はい、普段お世話になってるので…朝ごはん今日は私が作りますね!
     宿屋の厨房借りても良いって事になったし
     食材もあるので準備バッチリですよー!」
ニーア「夢子の手料理…ああ、想像できない程美味しいんだろなぁ…」
白の書「我々は旅をする故、このような食事は余り取れない処遇…良かったな、ニーア。」
ニーア「シロも食べれれば良かったのにな?…フフ、俺は付いている〜♪人間で良かった…!」
シロ「うむ…。」
夢子「って言う事なので早速準備しますね!」




夢子はエプロンをする。そして厨房へ。
その姿にニーアは再び興奮する。





ニーア「なあ、シロ、あの姿…やばくないか?」
白の書「どうしたんだ急に。」
ニーア「俺の目で見るとどうしても裸エプロンに近い感じにしか見えないのだが…」
白の書「まあ…普段から夢子は露出高い格好だからな。」
ニーア「ああ、エロい…夢子の作る朝ごはんも食べたいけど
    俺は夢子を食べたいのが本音だ。」
白の書「貴様はバカか!今朝からずっとその様な事ばかり…」
ニーア「シロにはこの気持ち分からないさ…これが恋というものか…。」
白の書「我からしてみれば性欲の高い猿と化してるようにしか見えんぞ。」
ニーア「でも、あれだけ激しくやってたのに隣にいたシロは熟睡してたよなー。」
白の書「むむ…昨晩は何故か安眠してたな…まさかこのような事に発展してるとは…」
ニーア「シロって意外と鈍感なのか?」
白の書「寧ろ‥気づかないでいて良かったと我は思う。
    気づいていたら気まずくてそれこそ致命的だったと…。」
ニーア「もしも寝てなかったらシロがエロ本になるとこだったな!」
白の書「我は高貴な書物!エロ本などと言うな!!」
ニーア「はいはーい。」








夢子が厨房に消えて30分が経った。
ニーアと白の書は机の上で待っている。


ニーア「‥‥なあシロ。」
白の書「なんだ?」
ニーア「なんか、変なニオイしないか?」
白の書「…我にはわからん。鼻なぞないからな。」
ニーア「いや、確かに何か匂う…焦げ臭いニオイ…他にも変なニオイが…」
白の書「厨房からか?」
ニーア「…まさかね…まさか、あれだよな…うん。(ブツブツ)」
白の書「どうしたニーア。顔が青ざめているが…。」
ニーア「い、いや、何でもない。なんでも…うん。」


それから更に10分後。
それらのニオイが濃くなる。

白の書「‥ニーア、大丈夫か?」
ニーア「この感じ‥‥前にもよく体験して…」


夢子「ニーアさん!出来ましたよ!!」


厨房から夢子が出てきた。
その手にはひとつの皿。


ニーア「夢子…」


夢子「ニーアさんの為にフレンチトースト作ったの!」

笑顔で答えながら皿をニーアの目の前に置く。
皿の上にのっているものは…



黒と緑の得体の知れない物体だった。




ニーアの顔が引きつる。
先ほどのエロ話の時の浮かれた表情は何処にもない。
ただ今はひとつの敵と対面している。


白の書「ニーア‥これは…」

白の書もニオイは感じないが見た目で分かっている。
ニーア「‥なあ、夢子。この…料理に、ナニ入れたんだ?」




夢子「えっと…パンに卵と砂糖と牛乳入れて…




      
      それからマヨネーズと納豆とサバ缶と青汁入れました♪」



白の書「いやいや…後半何があった!?どうしてそうなる!?」
夢子「ニーアさんいつも動いて体力使うし筋肉も付くように
     栄養を考えて高タンパクな食べ物入れました!」

ニーア「あはは…夢子の愛情が…入ってるんだよな…
    これは、ちゃんと食べなきゃな…うっ…。」

フォークとナイフを持つニーアの手が震える。


ニーア(タベナキャ…タベナキャ…タベナキャ…タベナキャ…タベナキャ…)

夢子「…?どうしたんですか?ニーアさん。早く食べないと冷めちゃいますよ?」
ニーア「あ‥‥ああ…。」
震える手ナイフにその緑色の物体をフォークで刺す。
緑色のその料理は妙な糸を引き変な異臭を出す。
そして震える手でゆっくり、ニーアは口へ運ぶ。





ニーアは夢子のフレンチトースト(?)を食べた。


食道を違和感が伝う。

ニーア「‥‥!!」

ニーアが涙目になる。
余りの衝撃で声が出ない。

白の書「…あそこにバケツあるぞ。」
白の書がニーアに助言をする。
それでも
ニーアはその物体をちゃんと食べた。

ニーア「夢子…美味しい…よ…あははは…」

顔が真っ青だ。
白の書は本であることに感謝した。

夢子「ニーアさん、おかわりも沢山ありますからね!」




ニーア「!!!(涙目)」

      





この日、ニーアは知ってしまった。






夢子はヨナと同じくメシマズ系のタイプの女性なのだと。

      



白の書「ニーア、無理する出ないぞ。お主が体を壊したら旅も出来なくなる…」
ニーア「はは…まさか、夢子の手料理でそんな訳‥俺は‥全部食べるから。
    愛を受け止めると俺は決めたのだから…意地でも…」
白の書「…人間は大変だな。我は今書物で良かったと心の底から思う。」
ニーア「オイシイ・・・オイシイ・・・ウン、オイシイ…(涙)」



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