25

電気を消した暗い部屋。
川の字になって寝る2人と1冊。
その中の男は心臓が破裂しそうなくらいドキドキしていた。




【25】



ニーアはなるべく天井を見る様にしていた。
すぐ横で大好きな夢子が横になっている。
その事を考えるだけでヤバいのに
顔を見つめながら寝てしまえば…いや、寝れるだろうか、とニーアは思う。


夢子「ニーアさん、まだ起きてますか?」

夢子がニーアの耳元で囁く。

ニーアは‥‥



マジで、ヤバい状態だった。

咄嗟に横にいる白の書に助けを求める。

・・・・・が。



白の書はスリープモードになって返事が無い。
ニーア(書物もねるんかーい!)
心の中で一人ツッコミを入れるニーア。

夢子「…やっぱり寝ちゃったかなぁ?」
ニーア「…あ、夢子‥‥起きてるぞ、一応。」
夢子「…ニーアさん、こっち向いてくださいよ?眠くなるまでお話しましょ?」
ニーア「いや、俺はこれ以上は…」
夢子「やっぱり、さっきの話…汚いですよね。」
ニーア「そんなわけn‥‥」


ニーアは咄嗟に寝返りを打って夢子の方向へ向く。
すると、夢子の顔がドアップで視界に入る。

ニーア「〜!!!///」
夢子「ふう、やっとこっち向いてくれましたね!?」
ニーア「…夢子。」
夢子「…?なんでしょうか?」









ニーア「・・・俺も男だよ?」









ニーアは夢子を抱き寄せる。
夢子は少し驚く。
夢子は…怯えてはいなかった。
最初に抱きしめた時はあんなにも震えていたのに。
彼女は温かかった。
愛しくて恋しくて、心が破裂しそうだった。
一目見た時から心は彼女に奪われていたから。




ニーア「…俺もロボット山の弟みたいな奴かもしれないよ?
今、俺が考えてる事はアイツと何ら変わらない…。」
夢子「ニーアさんはあんな酷い事する人じゃないでしょう?」
ニーア「もう、理性が…切れそうなんだ。…誰にも止められない所まで来ている…。」
夢子「???」
ニーア「俺は君の事が好きだ。…最初のキッカケは妹に似ていたからだったかもしれない。
    でも、今は君という人間が好きだ。
    一緒に過ごして戦って笑って…君の事が好きになった。」
夢子「…私もニーアさんの事好きですよ?」
ニーア「…それは、仲間として?それとも‥‥男として?」
夢子「ニーアさん、さっきから変ですよ?」
ニーア「ごめん、夢子。俺…自分に正直になりたい。
    



    
    君の事…抱いていい?」









夢子はびっくりする。
ニーアは本気だった。
電気が消えて暗い部屋だが、ニーアの目が分かる。
…男の人が女の人を見る目。
でも、あの日の汚い男共の様な荒んだ目ではない。
欲しか持たない金持ちの貴族の死んだ目でもない。
ロボット山の弟の様に病んでいる目でもない。
透き通って純粋で情熱を持った瞳だと。














夢子は








・・・・静かに微笑んだ。




【いいね!!】

[ 323/508 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]