24

ニーアの温かい手の温度は夢子の心を癒した。
一言だけど大きな言葉。
今の彼女には十分過ぎた。











【24】





夢子は泣いていた。
止めようと思っても、涙が溢れてくる。
ニーアは優しく言葉をかける。



ニーア「そんな過去があっただなんて…俺は何も知らずに君の事傷つけてたんだな。
    ‥‥ごめん。」
夢子「なんでニーアさんが謝るんですか!?」
ニーア「誰にでも言いたくない秘密はある。…だから自分の事を汚れてるだなんて言わないでくれ。
    少なくとも俺や他のメンバーは君の事そんな風に見ないから。絶対に。」
夢子「うう…」。
ニーア「ほら、泣かないで。俺は夢子の笑ってる顔が好きだから。
     まあ、泣いてても可愛いけど…。」
夢子「そうやってまたからかう…フフ。」
夢子の表情に自然と笑みが零れた。
ニーア「そう、その顔!やっぱり笑ってた方が可愛いよ。」
夢子「シロさんの言う通り、ほんとニーアさんはお人好しですね!」
白の書「そうだろ?」
ニーア「別に良い人ぶってる訳じゃないぞ!?」
夢子「わかってます。話してて伝わりますから。」




ニーアは時計の針を見る。


ニーア「もう夜中か…時間が過ぎるのはあっという間だな。
    …夢子、眠くないか?」
夢子「なんか、ニーアさんと話してたら安心して少し眠くなってきたかも。」
ニーア「じゃあ今日はもう寝よう。」
夢子「ニーアさん…」
ニーア「?」







夢子「今日は…一緒に寝ませんか?」












ニーア「!!!!(ガタッ)」






突然の夢子の申し出に立ち上がるニーア。
顔が林檎の様になっている。



ニーア「そ…それって…」

夢子「なんかだか今日はニーアさんと一緒に居たいです。」
ニーア「…。///」
夢子「‥‥ダメですか?」
ニーア「ダメなわけがない!でも、心の準備が…そ、その‥体の準備も…」
白の書「ニーア。」
ニーア「な、なんだ!俺は今興奮して…じゃなかった、混乱して…」
白の書「夢子はイヤらしい意味で言ってるわけじゃないと思うんだが。」






ニーア「え。」





白の書が諭してニーアが真顔になる。



白の書「夢子はただ添い寝してもらいたいのだろ?」




夢子「はい!(ニコッ)」






ニーア「えええ‥‥。いや、それはそれで凄く嬉しいし寧ろご褒美なんだが…
    男としてのプライドが…。」
白の書「お主は何を考えとった?さては…その先の事だろ?フフ、残念だったな。」
ニーア「いや、俺はまだ理性保てるから。大丈夫大丈夫…多分。」
白の書「…本当か?」
ニーア「当り前だろ!俺だって…無理矢理変な事しようとは…
    っていうか、俺が側にいて大丈夫なのか?」
夢子「ニーアさんは男性だけど…今は触れられても怖くないんです。
      どうしてかなぁ?」
ニーア「それは俺と夢子が両想いっていうk…」
白の書「人間それなりに一緒に過ごせば慣れるものだ。」
ニーア「ちがーう!これは運命なんだって!な?夢子。」
夢子「…何言ってるかよくわかりませんが、もう寝ましょう。」
ニーア「…!!!」




夢子はベットの中に入る。
そしてニーアに手招きする。


夢子「さあ、ニーアさんもシロさんも!川の字になって寝ましょう!」
ニーア「俺は…今猛烈に幸せだ。このセリフ何度目だろう。」
白の書「まあ、顔見てれば理解できる。」


ニーアもベットの上に上がる。
心臓がバクバクしている。
夢子はニーアを見る。


夢子「…大丈夫ですか?鼓動の音こっちにまで聞こえるんですが…。」
ニーア「…き、気のせいだ。」
白の書「本当か?お主の心音我にも伝わるぞ?」
ニーア「こら、からかうなよシロ…」
夢子「じゃあ電気消しますね。」



カチッ





部屋は一気に暗くなる。



【いいね!!】

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