17

ニーア達は村から出ようとしていた。
その寸前で赤髪の双子に声を掛けられる。






【17】



デボル「お前たち、もう村から出るのか?」
ニーア「ああデボルさんにポポルさん。
    …今は1分1秒も時間が惜しくて…。
    ヨナの事、早く救ってやりたいから…」
ポポル「そう…。あ、ロボット山の件、ありがとう。
    なんか色々大変だったみたいね?」
ニーア「ああ…まぁな…未だに腹立つよ。(弟を思い出して黒い笑み)」
ポポル「旅先でも無理はしないでね。
    貴方は昔からヨナちゃんの事となると‥‥。」
ニーア「分かってるって。死に急ぐような事はしないよ。」
夢子(自爆ロボット大量に抱えて突進する人のセリフ…?」
デボル「でも井戸も直って村人皆お前には感謝してるよ。本当にありがとな。」
ニーア「…ロボット山にはもうなるべく行きたくないから、あちら方面のクエストはしばらく受けないよ。」
ポポル「気にしないで良いのよ。他にも人はいるわ。」
白の書「ではそろそろ行くか。待ってるうるさいのもいるしな。」
ニーア「じゃあ、行ってきます。」



ニーア達は村を再度出ようとした、が…
夢子が焦った様子で言い残す。

夢子「ニーアさん、シロさん、ちょっとあの二人に話あるので…
     10分ほど時間いいですか?」
ニーア「…?ああ、構わないが…」



夢子「じゃあここでちょっと待っててくださいね。お話してきます。」










夢子はデボルとポポルの元へ駆け寄って何かを話す。
最初はニコニコしていた二人だが、次第に表情が変わる。
怒ってもいない、悲しいわけでもない複雑な表情。
困惑して戸惑っている顔だ。
ニーアと白の書は不思議そうにその後ろ姿を見ていた。





ニーア「…夢子、何話してるんだろな?」
白の書「さぁな。女性の会話は難しいものもあるからな。」
ニーア「あ、もしかして俺との関係についてとか!?」
白の書「つくづくお前の頭の中には蝶が飛んでるな。」
ニーア「だってあの二人は物知りだし…恋愛相談とかありそうじゃないか!」
白の書「その様な会話してるような表情ではない気がするが。」
ニーア「いいや、絶対そうだ、恋愛相談だ!
    …そんなことしなくても俺はいつでもフリーなのに。
    夢子って実は恥ずかしがり屋なんだなー。」
白の書「はぁ。…いいか、ニーア。あの3人が何を話していたか内容を聞く出ないぞ。」
ニーア「ええ、なんでだよ!?気になるんだが。」
白の書「察してやれ。お主ももう大人だろう。」
ニーア「シロってたまに難しいこと言うよな。」






宣言通り10分以内で会話を終えた夢子が戻ってきた。
その顔はどこか寂し気で。

夢子「…お待たせしました。行きましょう。」
ニーア「ああ…。(あー会話内容めっちゃ聞きたい…)」













村の外を出るとカイネとエミールがまた樹の枝で地面に絵を描いていた。
ニーア「またヒトデ描いてるのか…カイネも飽きないなー。」
カイネ「あ゙ぁ゙!?月の涙つってんだろが!ぶち殺されたいのか!」
夢子「エミール君、なんか画力上がってますね!
      今描いてるのは‥女性の絵?」
エミール「はい。…僕のお姉さんです。」
夢子「可愛かったのね、お姉さん。」
エミール「いつも笑ってて、でも時には厳しくて…
     でも最後の最後まで僕を守ってくれました。」
夢子「エミール君‥。」」
エミール「今思えば石化を受け入れたのも僕の為だったのかもしれません。」
カイネ「…このメンバーは内に秘めた闇が多すぎるな。
     誰も人の事咎められない程に…暗すぎる。」
ニーア「だから!これからは明るくいこうって丁度話してたんだ。
    その日に夢子と出会って…これは‥‥運命だよな!!!」
カイネ「シリアスな雰囲気ぶち壊すなアホ。」
エミール「あはは…。」
白の書「さて…次は何処に向かうか?」
ニーア「久々に海でも見ないか?夢子だって青くて綺麗な海見たいだろ?」
夢子「海…そういえばずっと見てないかも。」
ニーア「よし!じゃあ海岸の街に行ってみるか!」



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