15

ニーアは夢子をそっと抱きしめていた。
夢子はずっと泣いている。
ずっと・・・ずっと。
最初は普通だったニーアだが…





【15】









こんな時に何故萌えてしまうのだろう。
ニーアは震えていた。
こんなに自分を必要として来てくれる人はヨナ以来だった。
夢子はまだ自分の胸で泣いている。



ニーア(ぁぁ…やっぱり可愛いよな‥‥夢子って…。)
ニーアは身長差のある夢子の頭を見つめる。
10分後ー・・・
夢子はしばらく泣いた後涙を拭ってニーアを見上げた。

夢子「…ありがとうございます、ニーアさん。
      いっぱい泣いたらすっきりしました。
      人の温もりってこんなにも温かいものなんですね…
      私…知らなかった…。」
ニーア「…あぁ。」
夢子「ニーアさん!?顔真っ赤ですよ!?熱あるんじゃ…」
ニーア「まあ…、ある意味熱はあるかも…。」
夢子「大変‥!どうしよう、濡らしたタオルなんかおでこに当てたほうが‥‥」
ニーア「いや、大丈夫だから!夢子と出会ってからこの症状多いから…良い意味で。」
夢子「・・?」
ニーア「今日はもう寝ようか。ヨナのベット2階にあるからそこ使ってくれ。
    俺は1階にいる。」
夢子「はい…。」










長い夜が終わり朝日が昇る。
小鳥がさえずる声が響く中、ニーアは先に目を覚ました。
ニーア「ふー良く寝た!やっぱ自分のベットは良いなー!」
白の書「起きたか。今朝はなんだか調子が良さそうだな。」
ニーア「フフ、シロにもわかるか?」
白の書「その表情を眺めたらな。」
ニーア「俺、ヨナも勿論だけど夢子の為に更に頑張りたいって思う。
    失ってた気持ちが思い出せた気がするよ。」
白の書「そうか…。」
ニーア「書物にはこの気持ち一生わからないかな?」
白の書「我を侮辱するでない!」
ニーア「あはは、冗談冗談。さて、夢子は起きてるかな?」



ニーアは2階に上がる。
扉を開けてそっとヨナの部屋の中へ。
そこには

気持ちよさそうに小さな寝息を立てて夢の中にいる夢子の姿。
ニーアはその姿をじっと見つめる。

ニーア「こうして見ると本当に妹が帰ってきて寝てるようにしか見えないよ。」
白の書「そうだな…ここまで酷似してたら仕方あるまい。」
ニーア「…かわいいなー。」
白の書「…ああ。」
ニーア「なんか、悪戯したくならないか?」
白の書「お主は一体何を考えておる!」
ニーア「そんな怒らないでさ!ほっぺたツンツンとかならカイネ達に怒られないだろ?」
白の書「まあ…そのくらいならば誰も怒るまい。」
ニーア「じゃあさっそく…」


ニーアは夢子の頬をツンツンする。

夢子「うにゅぅ・・・・。」

夢子は寝返りをうつ。

ニーア「可愛い…可愛すぎる…!!!神からの贈り物だ…ほんと。」
白の書「そのくらいにしとけ。」
ニーア「ええ?まだいいだろ?…そうだ、オデコにキスするくらい…ねぇ?」
白の書「カイネにタマを潰されても良いのならば勝手にしたらいい。」
ニーア「うっ…。それは想像するだけで股間痛くなってくるからやめてくれ…。
     でも、まだちょっかい出したい気分なんだけど。」
白の書「程々にするがいい。黙っておいてやろう。」
ニーア「じゃあオデコにキスを…」






夢子「…オデコ?タマ…?なんの話してるんですか?」






夢子の目が覚めてしまった。
きょとんとした顔でニーアと白の書を見つめている。
ニーア「あ…夢子。(残念な表情)」
白の書「おはよう。どうでもいい雑談してただけだから気にするな。」
夢子「起こしに来てくれたんですか?…ありがとうございます。
      私ならもう大丈夫ですよ。
      いっぱい泣いてもう一生分泣いた気がします。
     …でも辛い事があったらまた涙は溢れるんですよね。
     人って変な生き物です。」
ニーア「大丈夫。もう辛い思い何てさせないから。
    …俺がずっと側にいる。」
夢子「なんか、ニーアさんを見る目が変わりました。
      最初はかなり変な人だと思ってたけど…本当は正義感強くてとても優しい人なんだって!」
ニーア「朝から褒めたおすのやめてくれ…やっと納まった感情がまた湧き出そうでやばい…」
夢子「?」





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