【8】




カイネは空を見上げた後夢子を見つめ話始めた。





カイネ「私の祖母…私を育ててくれたおばあちゃん。
    そのおばあちゃんは先ほどのマモノ…フックに‥‥殺されたんだー…





夢子「え…?」

カイネ「血縁関係はないおばあちゃんだが、私の事を必死に守って育ててくれた。
    その大切な家族のおばあちゃんを殺したのが、アイツだ。
    今でもその光景を鮮明に覚えてる。寝ても覚めても悪夢が脳裏に蘇って…
    だから私はアイツを殺す為にここにいる。
    −・・・マモノ憑きになったのも色々あったがそれが1番の原因だ。」





夢子「そんな…酷い‥‥。」
カイネ「そうしけた顔するな。…昔の話だ。
    アイツはここに定期的に現れる。それはわかっている。
    だから、拠点をここに置いてずっとアイツが現れるのを待ってたんだ。
    ‥遭遇してもいつも最後の最後で逃げられるがな。」
夢子「・・・。」
エミール「大丈夫ですよ、またチャンスはきますよ!僕らで絶対に倒しましょう!」
ニーア「そうだ。俺だって強くなった…昔の俺とは違う。
    おばあちゃんの無念絶対に晴らそう。」
白の書「今回はニーアが居なかったから逃げられたが
    今のニーアがいれば次に遭遇した時には奴の命日になるだろう。」
夢子「カイネさん、辛い過去話してくださってありがとうございます‥‥。
     こんなに理由のある戦いなのに、私は逃げ回って気絶した挙句‥」
カイネ「気にするな。…そういえば…ニーア。その頬の手形はなんだ?真っ赤だぞ?」
ニーア「ああ!これは愛の証だ!」
爽やかな笑顔で答えるニーア。
夢子「え。」
白の書「夢子よ、今のニーアにはお主のビンタは寧ろご褒美かもしれぬ。」
夢子「えええ…。」
カイネ「夢子がビンタ…?お前…まさか、夢子に何かしようとしたんじゃ…。」
ニーア「別に何もしてないよ。…今は。(ぼそっ)
エミール「なんか楽しそうですね?!僕も混ざりたい!!!」
白の書「きっとニーアにだけわかる悦びだろう。エミール、お主にはきっと理解できん。」
エミール「えー!?ニーアさんのケチ!ズルい!」


自然とパーティーに笑い声が広がる。
夢子はなんだか安心していた。
仲間がいるという安心感。
なんとこんなにも心地よいのか。
変わった人ばかりだけど私はこれからここで頑張ると心に誓った。















夢子がニーア達と出会って1週間が経った。
一向はニーアの育った村に帰っていた。
…カイネとエミールは頑なに村の外で待とうとしている。
何度も誘ったがそれだけはだめだと断られる。

ニーア白の書と夢子は2人と1冊で村の中に入る。
夢子「あのふたり、なんであんなに村に入るの嫌がるんですか?」
ニーア「俺も最初は気にしなくていいと思ったんだが…色々あってな。」
白の書「あの二人は疫病神的なイメージがついてるのだろう。
    見た目も異様だしな。」
夢子「…それ酷い話じゃないですか?」
ニーア「初めは俺もそう思ったけど…よく考えると
    あのふたりは村の外にいるほうがふたりのためだと結論が出たんだ。
    …俺たちは色々問題があり過ぎる。」
夢子「うーん…。」
白の書「察してやれ。」
ニーア「そうだ、デボルさんとポポルさんの所に行こう!」
夢子「‥‥!」
夢子は急に歩みを止める。
ニーア「…ん?どうしたんだ夢子。お腹痛いのか?」
夢子「いや‥‥なんでもないです。」
ニーア「痛くなったらすぐ言うんだぞ、俺がおんぶするから!」
夢子「だから男性に触れられるのは…」
ニーア「あ!デボルさん、ポポルさん!」




村の中央の噴水辺りでニーアが手を振る。
そこには赤髪の双子と見られる姉妹がいた。




夢子は目を丸くする。







夢子「あのふたり…。」




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