【3】


今度はニーアが意識を失ってしまった。
エミールは回復魔法を倒れてるニーアにかける。





エミール「カイネさん、やりすぎですよ…」
カイネ「この男はこのくらい力入れないと離れんだろ。」
白の書「馬鹿力女‥‥。」
夢子「カイネさん、ありがとうございます!
     私男性に触れられるのが…その…怖くて…
カイネ「気にするな。気持ちは私にもわかる。」
エミール「さ、ニーアさん、回復終わりましたよ。体力全快です!さ、目を開けてください!」
ニーア「うーん…俺は一体…」
ニーアは辺りを見回す。
そして視界に夢子が入るとまた目を見開く。

ニーア「ヨナ‥‥!俺の大切な妹…!」
夢子「だから私はヨナちゃんじゃないです。私は夢子です。」
ニーア「じゃあなんでこんなにそっくりなんだ?!どう見てもヨナじゃないか。
    …色々と成長はしているが…俺が間違えるわけが…!」
夢子「え…?妹?」
ニーアを見る夢子。
ニーアは白髪で顔も整っているが…

夢子(私は紅髪よ?妹さんなら同じ白髪の髪よね?」

夢子「カイネさん、鏡とか持ってますか?」
カイネは頷くとそっと夢子に鏡を手渡した。
その鏡に映る自分の姿に夢子は声を失った。


髪が白くなっている。
顔も以前の自分とは違う優しい表情の誰かになっていた。


夢子「私…じゃない…一体…何が…」

ニーア「だからヨナなんだって!」
白の書「興奮しすぎたニーア…。少しは落ち着かんか。」

夢子「思い出した‥‥ヨナちゃん…そういえば夢に出てきた少女が同じ名前で
     貴方とどことなく似ていたー・・・。」
ニーア「夢!?どんな夢を見たんだ!?」
夢子「【お兄ちゃんを助けてあげて】って・・・。」

ニーアは言葉を失う。

カイネ「…どういう事だ?ヨナと夢子はリンクしてるのか?」
エミール「でも、どうしてここまで似てるんですよね?ヨナさんに。」
ニーア「ああ…ここまで似てるなんて…気が狂いそうだ‥‥。
    シロ、何か分からないか?彼女がこの…ヨナにそっくりな姿になってしまった事とか。」
白の書「我にも解らん…」

夢子「でも、私死にかけてる時にヨナちゃんから力を貰った…気がする。
     死にかけの私に役目をくれたのはきっとヨナちゃん。
     ‥お兄ちゃん、貴方の事を助けるって約束したから…
     だから私、これから貴方を守ります。」
エミール「ええ!?危険な旅ですよ?…それに僕ら皆変わり者だから…他人に白い目で見られますし。
     夢子さんには苦じゃないですか?」
夢子「大丈夫、エミール君。前の人生もそうだったから。」
エミール「前って…どういう事です?」
カイネ「夢子、思い出したくない事は人間誰にでもある。
    …時が来たら過去の事は話してくれ。」
夢子「ありがとございます、カイネさん。…人にこんなにも優しくされたのは久々だ…。」


夢子は涙を流した。
その涙を見てニーアは慌てる。


ニーア「ヨナ…!じゃ、なかった…夢子!大丈夫か?!キズが傷むのか!?」
白の書「ニーア…お前さっきから何か様子が変だぞ…?
    …その辺の毒キノコでも食したのか?」
ニーア「だって夢子がこのメンバーに入ってくれるんだろ?
    …嬉しいんだ。まるで妹が傍にいるみたいで‥‥」
白の書「そのようなものかの…人間の感情はたまに理解不能な事がある。」
カイネ「私も嬉しいよ、夢子。むさ苦しいメンバーは飽きてきたからな。
    …私も妹が出来たみたいで嬉しい。」
エミール「僕はなんだか姉さんを思い出すなぁ…
     夢子さん、僕のこの姿を見て驚かなかったのは
     ここにいるメンバーと夢子さんだけですから…。」
夢子「エミール君…。」
カイネ「と、まあ…変わり者が多くて。愉快だろ?…疲れる事もあるがな。」
夢子「私、前はずっと一人で寂しくて‥‥
      こういうの憧れてたんです。
      仲間と旅をして、時には勇者の真似事なんかしちゃったりして・・・
      とても楽しい日々、望んでました。」
エミール「じゃあ今日から楽しい毎日がきますね!
     一緒に冒険楽しみましょう♪」
夢子「はい・・・!」
ニーア「ところで夢子…。」
夢子「…なんでしょう?ニーアさん。」







ニーア「その露出度の高い格好は…俺には刺激が強すぎて‥‥その‥‥。」







ニーアは顔を隠す。その顔は真っ赤だ。



夢子「?」








・・・。











ニーアは鼻血を出していた。




【いいね!!】

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