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第34章【信じるべきものは】




夢子は長い階段を降りていた。
沢山泣いたら少しすっきりした。
そして行動に出た。
タブーの弱点を探すため。
きっと参戦者の皆が助けに来る。
私もその手助けをしたい。
夢子はそう思っていた。
夢子「私もしっかりしなきゃ…。」
長い階段の先
そこにはあのダークの部屋がある。
夢子はダークからタブーの情報を少しでも聞き出そうと考えたのだ。

コンコン
とりあえず扉にノックをする。
しかし返事はない。
夢子「行こう…私も頑張るんだ…!」

ギイイイイイ・・・・
扉がゆっくり開く。
そこには前に来たときと変わらない風景が広がていた。
机にあったあの日記はなくなっている。
夢子「…あの日記、隠したのかな?」
夢子は確認すると部屋の隅にある古びた本棚へと足を運んだ。
そこには様々な本が並んである。
夢子「…この辺にありそうな気が…」
ダーク「オイ。」
夢子「!?」
振り向くと血相を変えたダークが立っていた。
ダーク「お前…また勝手に人の部屋に…!…今度は何のようだ?」
夢子は悲しい顔をしてダークに問いかけた。
夢子「…貴方は…本当に此処にいたいの…?」
ダーク「…何を急に意味のわからない事を…当たり前d…」
夢子「貴方はこの世界を勘違いしてるわ。」
ダーク「…!?」
夢子「光の世界には皆が皆、貴方が思うような人たちばかりではないわ。」
ダーク「何を根拠に…。」
夢子「私は記憶を失ってみんなに会って光というモノの温もりを知った。
     光は暖かくて居心地のいいもの…それを私は貴方にも解ってほしい…。」
ダーク「…そうか、…だったら…」


チュッ



夢子「ッ!?!?」
ダークは夢子を本棚へと押し倒すといきなりキスをした。

パチンっ!

夢子は思い切りダークの頬を叩く。
夢子「人が真剣な話してる時に何すんのよ…!!!…初めてだったのに…っ!」
顔を真っ赤にして涙を浮かべ怒る夢子。
ダークはいつもどおりニヤニヤ笑いながら答える。
ダーク「大体お前が無用心なんだよ。普通男の部屋に何度も足を運ぶか?どうぞ襲ってくださいって言ってるようなもんだろ。」
夢子「…ッ!」
ダーク「今のが…あの時の勇者なら良かったな。クククッ。」
夢子「…貴方はそうやって人の嫌がる事をしてわざと人に嫌われるように仕向けてるんでしょ…?」
ダーク「…!?」
夢子「そうやって自分を孤独に追い込んで追い詰めて…光から遠ざかろうとしてる…私はわかる。」
ダーク「何を知った風な口を…」
夢子「私は貴方を救いたい。」
ダーク「…な…」
夢子「似た様な立場から来ているからわかるの。ただ進む道を間違っただけ。」
ダーク「…。」
夢子「きっと今ならまだ間に合う…。」
ダーク「…け…いけ…。」
夢子「え?」
ダーク「出て行け!!!!」
ダークは急に怒鳴ると夢子を部屋の外へ突き出し部屋の扉を閉めた。

バタンッ!!!


ダークの部屋の扉の前では夢子が思いふけていた。
夢子「私ったら…何言ってんだろ…相手はあのダークなのに…。」

部屋の中ではダークが額に腕をやり扉の前に持たれ座り込んだ。
ダーク「俺は…何を戸惑ってるんだ…?」



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