64

授業は全部終わりあっという間に放課後になった。
そこでブラピの周りで参戦者同士の話し合いになった。
此処から人に聞かれてはいけない話になっていく。




【64=左手の謎の気配】









ピット「で…マスターから何か伝言とかあるんでしょ?」
ブラピ「まあ、ね。この世界にクレイジーが組織作ってるんだろ?」
ピット「あー…左手組の事?」
ブラピ「そいつらかなり活発化してきてるらしいんだ。
    そんで異界の道具何か裏で流通させたりしちゃってね。」
夢子「どういう事?」
ブラピ「言葉の通りだよ。スマブラの道具の一部、裏で使ってるってこと。」
ルフレ「ええ!?そんな事やっていいの!?かなりヤバくない!?」
ブラピ「あーアイツ等なんでも有りだからね。
    だからマスターからの言付け。
    
    【お前たちももしも命の危険があった場合は武器の召喚を直ちに許可する】
‥‥ってね。」


アイク「じゃあ俺等も愛用の剣など使っても良いんだな?」
ブラピ「そだよー。そんで条件があって。《一般人の一目には極力触れない様に使用すること》って言ってたよ。
    因みに凶悪な敵には見せて良いって。まあ言っちゃ敵だし?容赦なしでいかないとこっちが殺られるからね。
    もう甘い話で済む話じゃなくなってきてるみたいだからさ。」
夢子「…。」
ブラピ「お?どうしたブス。恐怖で足が竦んでるのか?まあ、最もクレイジーの狙いの本命はお前だしな?」
ピット「ブラピ!そのブスって呼び名止めなよ!?夢子には夢子って可愛らしい名前があるんだからねッ!?」
ブラピ「ブスはブスだろ。」
夢子「ピット君、私は大丈夫。…それより左手組の事が気になる…。」
ブラピ「でもさ、お前ら前に山で襲われたときにそのブスのスマホ拾ったろ?」
マルス「ああ、あの時のね…僕が拾ったけど。」
ブラピ「やっぱあれもクレイジーの作戦だったらしいけど、その作戦見抜いてスマホ破壊しただろ?」
シュルク「あれは危なかったですね…」
ブラピ「あれは正しい判断だった。が…お陰様で今お前の事血眼で探してるよ、夢子。」
夢子《…ゾクッ!!》
ブラピ「まあアイツ等の誤算はお前らの今いる場所が意外と近場だって事かなー。
    アイツ等随分遠い場所を捜索してるっぽいし。無駄足で滑稽だよねー。マジ笑える。」



夢子が青ざめた時だった。
教室の扉が開きベレトとベレス、授業を全サボりしてたアルフレが入ってきた。

ベレト「…そいつから話は聞いているか?」
夢子「…はい。ある程度は。」
ベレス「夢子ちゃん、大丈夫?顔が青いわよ。」


するとここで今までぶっきら棒だったブラピの目が光る。
その視線の先にはアルフレ。
ブラピは叫ぶ。

ブラピ「うおおおおおおおおおおおお!アル兄!!!!」


夢子「あ…アル兄…?!」

拍子抜けする夢子。
ブラピはアルフレを見た瞬間突然媚を売り始めた。
アルフレは非常にめんどくさそうな顔をしているが。

ブラピ「アル兄!この学校に居るって聞いてずっと探してたんですよ!?今までどこ行ってたんすか!?」

アルフレ「…寝てたんだけど悪い?」

ブラピ「いえいえ、そんなこと無いっす!!あーやっぱアル兄はカッコいいー!!一生ついていきます!!」

アルフレ「はぁ…だるっ。これだから君の相手は苦手なんだ…。」


そう、何処で出会ったのは知らないがブラピはアルフレに強い憧れを抱いていたりする。
同じ黒色組同士(?)、彼の事を兄貴分と慕っているのだ。
アルフレ本人はかなり怠そうだが…ブラピの尊敬の念は変わらない。
何か惹かれるものがあるのだろうか…


ブラピ「で…何だっけ。」
ピット「クレイジーが夢子の事血眼で探してるって話!!
    しっかりしてよねほんと!!これ大事な話だよ!?」
ブラピ「あー、そそ。それで俺たちなら誰もが知ってる名がそこで出てくるんだが。



    

    混沌と闇の化身《ダーズ》ー・・・・参戦者ならば全員この名を知っているよな??」




参戦者達「「「「「!!!!」」」」」

その場にいた夢子以外は皆凍り付いた表情になった。
夢子は思い出す。
確か、ゲームのスマブラSPの灯火の星の裏ボスの名前。
ゲーム内では同様のボスの《キーラ》と共にファイターに打ち倒されたはずだが‥‥
それが…?今、何故?


ブラピ「アイツ、また復活しようとしてる
んだってさ。まあ強いて言えば復活しようとしてるってか、復活させようとしてる的な?」


夢子「どういう事…?」
ブラピ「しかも、スマブラの世界じゃなくてこの世界…つまり、
    
    ここ、日本で復活しようとしている
んだって。」

ルフレ「…そんな事ってあっていいのかい…?!ここはゲームじゃないリアルの世界だよ?!」
ブラピ「俺等がこちらに存在してる様にあちらにも存在する意義があるってこと。」
ベレト「…マスターが警告を促してたのはそういう意味だったのか…。」
ブラピ「まあセンセー達?と電波で連絡取るのも限りがあるし
    俺が直接情報源沢山持ってこの世界にやってきたわけ。お前ら感謝しろよー?」
ピット「…何だか想像してたより大変な事になってる…?」
ブラピ「お前は布団に潜って枕濡らしててもいいんだぜー?ビビリ天使君。」
ピット「そんなことしない!僕だって戦うんだから!!」
夢子「まさかそんな…この世界にまで手を出してくるだなんて…」
ルフレ「大丈夫、君は僕が守るから。そしてこの世界も。」
ブラピ「うわーイケメン主人公発言うっざ。反吐が出る。」
ピット「兎に角僕らは再びあの恐ろしいヤツと対峙するかもしれないんだね…。」

夢子「ダーズが復活する前に私達でクレイジー達を止めよう。」

決意を固める夢子。
そんな夢子を見て見下すように現実を突きつけるブラピ。

ブラピ「止めるだって?参戦者でもないお前に何かできるの?寧ろお前が原因でもあるのに。呪われし魔女。」

ブラピの言葉が胸に突き刺さる夢子。
でも、めげずに答えた。

夢子「…私だって…前よりは戦える…幻双国でルフレにも魔法だって教えてもらったし、
      ルキナさんたちにも少しは護身術も教えてもらったし。
      何よりも私は私の世界を護りたい。
      皆だってゲームの中の世界必死に戦って護ったでしょ?
      私も…同じだよ。私の世界を護りたいの。」
ブラピ「ふーん…。」
アルフレ「君を苛めるのは僕だけで充分だし。…ブラピ、君も大概だよ?」
ブラピ「へ?!」

アルフレ「…聞き流してたけどさ、次僕の夢子に《ブス》って言ったら発言の都度…高濃度のリザイアするからね?(目が笑っていない)」

ブラピ「す、すいません!!もう二度と言いません!!」
ルフレ「ねぇ、何さらっと夢子を自分の物にしてるの?頭沸いてるんじゃないの?」
アルフレ「今までも、これからも、夢子は僕の物だから。」
ルフレ(怒)






話し合いが一通り終わって。
夢子は剣士組と歩いていた。
今後は一人で歩くのは極力止めるようにベレトスにも注意された。
それでも完全に一人で行動しないというのも無理があるが。
夢子は想像してみた。
考えたくもない光景を。

夢子「もしも、ダーズが復活したら…」
ルフレ「あの左手の集団が日本の空を覆うね。まあ、本体は1体だけであとは分身みたいなもんだけど…
    それでもあの光景はもう…二度と見たくない…っていうかクレイジーも暴挙に出たね。
    夢子の事狙いながらそんな大それた事まで企むだなんて。やっぱり頭の中もクレイジーなんだよ。
    …でも、今考えると最初からそれも目的だったのかもね。頭悪い癖にこんな事企んでるだなんて…」

考えてみるだけで悍ましい。
夢子は震えていた。
そんな夢子を見てそっとルフレは彼女の手を握る。
途端周りのガヤが騒ぎ始める。

リンク「貴方ばかり良い所させませんからね!?武器さえあれば俺は無敵ですからね?」
ピット「そうだぞー!ブラピがここに参戦したのは予想外だったけど。」
マルス「僕は…あのセリフはもう言いたくないな‥‥あれで大分弄られたよ!?僕。」
アイク「《一人10体…》のあれか?でもあれで大分目立ってたし良かったんじゃないか?
    英雄王として士気もあげれただろ。」
シュルク「やった…!!モナドの力さえあれば、夢子さんを今以上に守る事が出来る…!!」


夢子「まあ、今日明日、今すぐ敵と対峙するわけじゃないし
        今は楽しく気楽に過ごそう??
        この世界には楽しい事まだまだ沢山あるんだから!!
        その楽しい思い出、皆といっぱい作りたいから…!!」
ルフレ「…そうだね。僕も君の笑顔沢山見たい!」



こんな時でもゲームの世界の主人公たちも今は青春してる。




【いいね!!】


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