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第33章【炎の精霊】





夢子は深い眠りについていた。
この日は今までの疲れがドッと溢れていた。
そして
夢子は不思議な夢を見た。



???「夢子…。」
夢子「…何…?」
???「夢子…夢子…。」
その声は以前聞いたあの暖かく懐かしい声だった。
夢子「また…あの時の声…?貴女は一体誰なの?」
ディン「私はディン。今貴女の身につけているネックレスの精霊です。」
夢子は思い出した。
スマブラ城にいる頃ピーチ達から貰ったあの紅いネックレスの存在を。
夢子「貴女が…このネックレスの…?」
ディン「はい。私には炎の力があります。それを貴女に授けます。
    しかし、もうしばらく時間が必要です。」
夢子「炎の力…。」
ディン「簡単に言えば炎の魔法の力です。
    …授けられるその時が来るまでどうか、この困難を乗り切ってください。
    貴女には乗り越えなければいけない試練がこれからもあります。
    どうか…生き延びて…。」





夢子「ハッ!」
目を覚ますと夢子は自分の部屋のベットの上にいた。
今まで見てきた悪夢とは違い何か懐かしい気持ちでいっぱいだった。
夢子「ディン…。」
夢子は首元からネックレスを取り出した。
今までずっと身につけていたのだ。
先ほどの夢はただの夢ではない。
夢子はそう確信していた。
コンコン
名使いプリム「失礼致シマス。」
部屋のドアからノックの音が聞こえると召使プリムがお膳に食事をいれて運んできた。
召使いプリム「マトモニ食事ヲ摂ッテイナイトイウ事ヲ旦那様ガ深ク心配シテオラレマス。
       ドウカ少シデモ食事ヲナサッテクダサイ。」
夢子「…ありがとう。下がっていいわ…。」
召使いプリム「ソレデハ失礼致シマス。」
プリムは食事をテーブルに置くとさっさと部屋から出て行ってしまった。
夢子「ご飯か…。」
皿にはパンとスープが入っていた。
夢子はスープをスプーンですくって一口飲んだ。
夢子「…冷たくてまずい…。」
しかしいくら食事がまずいとはいえ、生きるためには食べるしかない。
夢子は少しづつ食事をとっていった。
夢子「ルイージさんが作る料理、美味しかったなa。」
スマブラ城での食事の風景を思い出す夢子。
夢子「食べる時も皆の笑い声がしてとても楽しかった。なのに今は…。」
スプーンを持つ手が止まる。
夢子の頬からはひとつの雫が落ちた。
そしてリンクの優しい言葉を思い出す。
リンク『夢子さんはここに居ていいんですよ。』
夢子「…皆の所に…戻りたい…。」
再び頬を雫が伝う。
それは冷たくとても寂しいモノだった。












ピット「ねーまだー?」
リンク達は森の中を歩いていた。
道は崩れとても険しい。
中には息をあげる者もいる。
ピット「僕疲れた…ねえちょっと休憩しようよ?」
リンク「ダメです。夢子さんのために我慢してください。」
速攻で答えるリンク。
ピットはため息をだしながらも歩くことを決める。
ピット「夢子のためなら…頑張るしかないか…。」
リンク「そろそろつくはずです。」
マルス「本当にこの道で合ってるの?」
リンク「大丈夫です。」
アイク「リンクを信じよう。」
リンク「あった!…ここが森の祠です。」
リンク達の前には苔だらけの古びた祠が建っていた。
ピット「あー、こんなんだったっけ?」
マルス「あの時は夢子を追って急いできたからねー…。」
アイク「こうして改めて見ると不気味だな。」
リンク「このあたりに時空の歪があるはずです。探しましょう!」











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