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夢子「それは貴方が勘違いしてるだけだわ。
     光は懐かしくて温かくてとても居心地のいい場所よ?
     大丈夫、怖がらないで…暗闇にいる貴方にもきっと一筋の光が見える…」
夢子はダークに手を差し出した。
ダークの手は震えていた。
その手を少し伸ばした…
その時だった。
ひとつの聞きなれない低い声がダークの部屋を響き渡った。
???「馴レ合イハ楽シイカネ?」







第31章【戸惑いと真実】



その声を聞いたダークは伸ばしかけていた手を懐に戻した。
ダーク「タブー様…!」
夢子「タブー…!?」
ダークが言った名前を聞き夢子は寒気を覚えた。
その低い声と共に壁から現れたのは青い光を纏った禍々しい人物、そう…あのタブーであった。
タブー「久シブリ…イヤ、今ハ初メマシテカナ夢子。」
夢子「…貴方がタブー…?」
タブー「オヤオヤ…私ハ相当警戒サレテイルヨウダネ。」
ダーク「タブー様いつからここに…?」
タブー「今ココニ来タバカリダ。」
ダーク「そうですか…。」
夢子のあの青いアザのある腕を見てタブーは満足そうに言う。
タブー「ホウホウ、覚醒ハ順調ノヨウダナ。ダーク、夢子ニハ覚醒ニツイテ説明シテアゲタカネ?」
ダーク「はい。」
夢子「私が…タブー、貴方の翼だって…本当なの…?」
信じきれない様子の夢子を見てタブーは真実を話す。
タブー「ソウダ。君ハワタシノ翼ノ欠片ニ意思ガ宿リ今ハ人ノ姿ヲシテイル。
    君トワタシが融合シタトキ、ワタシハ完全体ニナリ失ッテイタ力ガ復活スル。
    ソウシタラソノ力デ再ビコノ世界ヲ支配デキルトイウワケダ。」
夢子「そんな…ダーク…貴方が言ってたことは本当だったのね…。」
ダーク「タブー様、完全体にはあとどのくらいかかりますか?」
タブー「モウ間近ナノハ間違イナイダロウ。」
ダーク「そうですか…。こいつはどうしておきますか?」
タブー「今マデ通リ自由ニサセテオキナサイ。害ハ無イダロウ。」
ダーク「…解りました。」
タブー「デハ私ハオ暇スルトシヨウカ。直ニ奴ラノ手ガ回ッテクルダロウ。
    ダーク、オ前モ十分ニ警戒スルヨウニ。」
ダーク「はっ!」
ダークに注意を促すとタブーは瞬間移動をしてその場から姿を消してしまった。
再びダークとの間に沈黙が過ぎる。
ダークは徐に広げられた日記をしまうと夢子に一言言った。
その顔にはいつもの薄笑いがない。
ダーク「…今見たコレのことはすべて忘れろ。」
夢子「…ダーク…。」
ダーク「おいプリム共、こいつを部屋へ連れていけ。」
プリム「命令…命令…。」
夢子「ちょ…ちょっと…離して!まだ話が…!」
暴れる夢子をプリムは抑えながらダークの部屋から出て行った。
ダーク「…光など俺には醜いモノだ…。」




















ースマブラ城外壁前ー

スマブラ城では参戦者達が地割れの向こう側の森へ行くため
皆が計画を実行しようとしていた。

ピット「OK!こっちは準備できたよ!」
ピカチュウ「こっちも準備できたピカ!」
マリオ「よし、ではこれより夢子救出作戦を行う!
    以前計画した通り、まずは地割れの向こう側へピットとカービィを渡らせる!
    それ以降は計画通りに行う!では始め!」
マリオが合図を送るとスプリングを準備していたポポとナナがその上にピットとカービィをその上へと誘導する。
ピット「大丈夫かな…ちょっと怖い…。」
カービィ「ペポポポ!ポペペ!」
ピット「そうだね…怖がってちゃ夢子を助けられないよね…相手はあのタブーだもん…。よし!いくよカービィ!」
マリオ「いくぞ…3…2…1…今だ!飛ばせ!!!」

ビヨオオオオオオオオオンンンンンン!

合図と共にピットとカービィが高らかに宙を舞う。
スプリングの威力は思ってたよりも凄まじい。
ピットとカービィは途中から自力で飛びあっという間に向こう側へとたどり着いた。
ピット「マリオー!渡れたよー!」
マリオ「よし!ご苦労!あとは橋をかけるだけだ!」
意気込むマリオにマルスがそっと話しかける。
マルス「ねえマリオ。」
マリオ「なんだ?」
マルス「向こう側へ渡れて森へ入って異世界への入口を見つけたとき…
    またあの日のようにタブーと戦いになるのは確実だよね?」
マリオ「なるべく戦いは避けたいが…そうなる可能性が高いだろうな。」
マルス「じゃあ僕らも気合入れていかないとね!」
リュカ「僕…正直怖いです…また前みたいに壊滅させられたらと思うと…!」
アイク「大丈夫だ。俺たちは前より格段に強くなっている。そう簡単には壊滅させられない。」
リュカ「そう…ですよね…ぼくらは…負けない!!」
ネス「リュカも少しは逞しくなったみたいだね!」
リュカ「エヘヘ…そ…そうかな?」
橋をかけられると解ったと同時にリンクがソワソワし始める。
リンク「夢子さん…今頃何してますかね…。アイツ等に酷いことされてませんよね…。」
ゼルダ「もう!さっきから貴方は心配しすぎです!」
リンク「だってあのタブーですよ?それにあのダークだって…何考えてるか解らない奴らだから心配なんですよ…。」
ピーチ「夢子ちゃんなら上手くやってるわよ!あの子、結構対応力あるから!」
リンク「…だといいですけど。」
サムス「それよりもこっちも色々準備してたほうがいいんじゃない?
    あのタブーとの決戦交えてるようなもんじゃない。」
ピーチ「そうね!傘のお手入れしなきゃ!」









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