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夢子「私も解らないんです…朝起きたらいきなり…。」
リンク「そうなんですか…。」
夢子「…そういえば…。」
リンク「なんですか?」




第26章【守るべきもの】

手のある謎の青いアザのことがリンクに知られてしまった夢子。
ある事を思い出し言いかけたが口をつぐんでしまった。
夢子「いや…なんでもないです…。」
そんな夢子の様子を見てリンクは言う。
リンク「何か知ってる事があるんですよね?」
夢子「…。」
リンク「俺が力になりますから話してください。」
夢子「それはー…」
リンク「無理にとは言いませんが…夢子さんの支えになりたいんです。
    悩んでることがあるのならば気軽に相談してください。誰にも言いませんから。」
夢子「…リンクさん…。」
覚悟を決めた夢子はリンクにあの日の出来事を話すことにした。
夢子「私がわたあめとダークに連れ去られたあの日…
     ダークが言ってたんです。」






夢子『私がタブーの砕け散った翼の欠片だという事をー…』





夢子の突然の告白に言葉を失うリンク。
しばらく沈黙が過ぎる。
リンク「それは夢子さんが『タブーの一部』だと言う事ですかー…?!」
夢子「…信じたくないです…でもそのことが関係してるとしか考えられないんです。私…怖くて…。」
アザの広がる夢子の震える細い手をリンクは握った。
リンク「…大丈夫ですよ。例え何があったとしても俺は夢子さんの味方です。」
夢子「リンクさんと…参戦者の皆といると幸せ過ぎて…
     その幸せな日々が崩れる時がいつか来るのかと思うと怖いんです。」
リンク「夢子さん…。」
夢子「ごめんなさい…折角リンクさんが気を使ってくれてるのにこんな事しか言えないなんて…。」
リンク「誰だって夢子さんのような立場になればそうなりますよ。
    むしろ夢子さんは凄いと思います。」
夢子「え…?」
リンク「記憶を失い亜空軍に追われて…希望がない状況から立ち直るのは凄い事だと思いますよ。」
夢子「それはリンクさん達が居てくれたからです。リンクさん達に出会わなければ今頃どうなってたかな…。」
リンク「兎に角、俺は今もこれからもずっと夢子さんの味方です。それだけは覚えておいてください。」
夢子「リンクさん…。」
リンク「なんですか?」
夢子「私…ずっと前からはっきり伝えたい事が…」
夢子が何かを言おうとしたその時だった。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!



突然大きな揺れがスマブラ城全体を揺さぶる。
夢子「何ですかこの揺れ…!」
リンク「地震…?いや…そんな揺れじゃない…!」
揺れは激しく止まらない。
急いで城門へと走って外の様子を伺うリンクと夢子。
リンク「…これは…!?」
上を見上げると赤い積乱雲が空を覆っていた。








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