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第13章【初めての戦い】






チュンチュン・・・
小鳥のさえずりが響き、その鳴き声で目を覚ます夢子。
夢子「朝…?」
新しくプレゼントされた部屋で一晩を過ごした夢子は力いっぱい背伸びをした。
窓から日差しが登り、太陽の光が目に入る。
夢子「眩しい…っ…あ、そうだ…!時間…。」
部屋の壁にかけてある時計を見て慌てる夢子。
夢子「いけない…もうこんな時間…!」
急いで階段を駆け降りるとそこにはネスとリュカがいた。
夢子「おはようございます、ネスさん、リュカさん!」
ネス「あ、夢子さんこんなところにいたんだ!マリオさんが探してたよ!!見かけたら食堂に来るようにって言ってた!」
リュカ「確か今日初バトルなんですよね…頑張ってくださいね!僕、応援してます!」
夢子「2人とも有難う!それじゃ!!」
手を振りながらネスとリュカに別れを告げると急いでマリオの元へ夢子は駆けだした。
息を切らしながら食堂へ辿りつくとそこには参戦者達が集まっていた。
夢子「すみません…遅れました…。」
マリオ「大丈夫、ギリギリセーフだよ。」
ほっと一息つく夢子を前にマリオが大きな声で説明を始めた。
マリオ「朝食を終え次第、今日は挑戦者夢子の公開大戦をする。
    いつ自分が使命されてもいいように各自準備をしておくように!!」
全員「「「「了解!!!!」」」」
夢子「なんだかもう緊張してきちゃいました…。」
ピーチ「大丈夫よ!」
ゼルダ「昨日のトレーニングの成果を見せましょう!」
サムス「頑張って!私も応援してるわ!」
女性群の声援に大きくうなずく夢子。
夢子「皆さんの期待に答えられるように私、頑張りますね!」
ピーチ「そのいきよ!夢子ちゃん!」





いよいよ大戦の時がやってきた。
ステージは慣れ始めた戦場。
マリオ「これより挑戦者夢子の大戦を行う!!
    ルールは制限時間制、アイテムはなし!
    ステージ場外への落下の合計数で勝敗はきめる!
    正々堂々の戦いだ!!さあ夢子さん、大戦相手を参戦者の中から選んで!」
夢子「ええっと…」
誰にしようか悩んだ末に決めた答え。それは・・・・
夢子「じゃあ…リンクさんと、お願いします!!」
リンク「ええ!?俺…ですか?」
意外な答えに驚くリンク。
そんなリンクをおいといて話を進めるマリオ。
マリオ「大戦相手はリンクとなった!これより1対1での勝負をする!!」
歓声が飛び交う中、リンクは夢子に問う。
リンク「なんで俺を選んだんですか?」
夢子「この中で一番一緒にいる時間が多かったし…なんとなく、リンクさんと戦ってみたかったんです。」
リンク「そうですか…でも、手加減はしませんよ?」
夢子「お手合わせ宜しくお願いします!」
ブオオオンッ
2人はステージへとワープされた。
シャキン…ッ
剣をだすリンク。その先には真剣な眼差しの夢子が立っていた。









GO!!!

戦いが始まった。
夢子「先手必勝!!」
魔法を繰り出す夢子。
その魔法の弾を盾で跳ね返すリンク。
リンク「おっと…いきなりやってきますね…ならばこちらも…!」
ブーメランを取り出し、夢子へ向かって投げる。
ブーメランは風を取り込み竜巻を起こしながら夢子へと襲いかかる。
夢子「くっ・・・物凄い風・・・っ!」
足をすくわれそうになりながらもジャンプでブーメランの竜巻を飛び越える。
リンク「やりますね…ならばこちらはどうでしょう?!」
弓を手に取り矢をひくリンク。
夢子「そうはさせません!」
手から光を放つ夢子。
その光の眩しさに目をつぶるリンク。
リンク「うっ・・・!」
夢子「えいっ!」
光の弾を連射する夢子。
1発はリンクにあたったが、その他はすべて交わされてしまった。
リンク「なかなかやりますね…!でも次から本気でいきますよ…!」
剣を片手にに駆け出すリンク。
リンク「でいやぁ!」
夢子「きゃっ!」
交わそうとした夢子だったが足元に石につまずいて転んでしまった。
リンク「隙あり!」
夢子に剣を振りおろすリンク。
しかし、その時夢子はうずくまり半泣きしていた。
夢子「酷いです・・・リンクさん・・・っ。」
リンク「あっ…夢子さん…ごめん…つい…」
夢子「こちらこそ…・・・隙ありです!!!」
リンク「うわああああっ!?」
嘘泣きに騙されたリンクは場外へ吹っ飛ばされてしまった。
応援席で観戦していたピット達はこう呟いていた。
ピット「…今の反則じゃないの?」
アイク「…みたいだな。」
マルス「今のは僕でも騙されるよ…。」
再ワープしてきたリンクは黒い笑みを浮かべていた。
リンク「…夢子さん、覚悟はいいですね??」
夢子「ひいっ!」




5分間の大戦はあっという間に終わってしまった。
結果はリンクの逆転勝ちだった。
夢子「はぁ…はぁ…やっぱりリンクさんは強いですね…!私も見習わないと…!」
リンク「夢子さんも中々やりましたよ。…途中は見事に騙されました…。」
夢子「お…怒ってます?」
リンク「全然怒ってませんよ?」
ニコニコと黒い笑みで笑い続けるリンクはかなり怖かった。
夢子「や…やっぱり怒ってます?…だってああでもしないと点数とれない相手だと思ったんですもん!」
リンク「俺は怒ってなんかいませんよ。」
ニコニコ…。
夢子「…リンクさんコワイですっっ!」
リンク「さーて、どうしましょうかね…。」
夢子「ひいっ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
ピット「その辺にしとけよーリンクー。」
マルス「僕なら手加減して負けてあげるけどねー。」
アイク「…あまり虐めるな。」
夢子「た…助かった…。」
ひょいっとピット達の後ろに隠れる夢子。
リンク「ちょっとからかってみたくなっただけですって…人聞きの悪い…。」
ピット「絶対わざとだー!!」
マルス「…まあ、リンクの気持ちも解らなくもないけど。」
アイク「?どういう意味だ?」
マルス「だって夢子からかうの面白いし可愛いじゃないか。」
アイク「…なるほど…。」
夢子「なるほど、じゃないですよ…本当に怖かったんですから!寿命縮むかと思いました。」
リンク「わかりました、許しますから出てきてください。」
夢子「本当ですか…?」
ゆっくりとピット達の影からでてくる夢子。
リンク「本当です。」
いつもの笑顔に戻るリンク。
夢子「良かった…。」
マルス「今度リンクが虐めてきたらすぐに僕のところにおいで!」
ピット「あー、何カッコつけてんだよ!!ボクもすぐ助けるから!」
アイク「…すぐ言ってくれ。」
リンク「…なんだか俺が悪者みたいな言い方止めてくださいよ。」
マルス「あれ?そうじゃないの?」
ピット「そうだそうだ!」
アイク「確かにリンクのほうが悪い。」
リンク「なんですか皆さん…揃いに揃って…。」
夢子「私、決めました!」
ピット「ん?」
マルス「どうしたんだい急に。」
夢子「私の故郷は此処だと!皆さんは私の大切な家族です!!」
リンク「夢子さん…。」
アイク「家族、か。少し照れくさいな。」
マルス「それより僕と本当の家族にならない??」
ピット「てや!」
マルス「痛っ!何するんだい!?」
ピット「少しは空気読めよ!!マルスみたいなのはKYって言うんだぞ!」
マルス「君もそんなに人の事言えないだろ?」
夢子「また喧嘩するんですか?怒りますよ!」
ピット・マルス「「スイマセン・・・」」
すると突然夢子達のいる反対側からリュカが走ってきた。
リュカ「大変です!大変です!」
マルス「どうしたんだいリュカ。そんなに慌てて…。」
リュカ「とにかく大変なんです!急いで城庭に来てください!!!」
アイク「…ただ事じゃなさそうだな。」
ピット「まさかまた亜空軍!?」
マルス「行ってみないと解らないね。」
リンク「行きましょう!城庭へ!!」
夢子「はい!!」


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