42
夢子と剣士男子達は住み慣れたアパートに帰ってきた。
でも此処にはアルフレの言うGPS反応がある。
とりあえず辺りを警戒する一行。
見た感じ風景も雰囲気もいつも通りで何も異変はない。
夢子「…家の中、入ろうか?」
夢子はドアノブに手を掛ける。
そしてドアを開こうとした瞬間だった。
家の中から夢子に向かって何かが飛び出してきた。
【42=兎恋しかの家】
夢子は悲鳴をあげ、横に居た剣士男子たちも直ぐに構える。
ルフレが夢子に飛びかかってきた何かに反射的に思い切り蹴りを入れた。
すると、その人はうめき声をあげる。
ルフレ「…あ…。(青ざめ)」
その正体は、マルスだった。
自慢の脚を抑えて地面を転がっている。
マルス「たああああ!!痛いよルフレ!!??君って奴は出合い頭に蹴り入れてくるなんて最低だな!?!?イタタタタタ…!骨の髄まで痛いよ!?」ルフレ「…君だって出会い頭に夢子に襲い掛かってきたじゃないか。」
マルス「僕は3日掛けて山下って来たんだよ!?癒しを求めるのは当然だろ!?」
ピット「ゲボ王子。」
マルス「煩い!!(顔真っ赤)」
シュルク「…ああ、皆さん帰って来たんですね。」
リンク「二人とも、無事戻ってきたんですね!」
アイク「…そうなると、アルフレの言ってたGPS反応って何だったんだ??」
シュルク「GPS?」
ピット「うん、夢子のスマホ、山に行った日に敵に撮られたんだって。」
マルス「…ん?ああ、そのスマホなら僕が持ってるよ!!」
皆「「「えええ!?」」」
マルス「山の中下ってる最中に落ちてたんだよね。何か不自然だし見覚えあると思ったら夢子のスマホカバーで‥今頃困ってるかなって思って持ってきたんだ!」
リンク「じゃあGPS反応って…」
アイク「この二人のせいだな。」
全員が肩の荷を下ろす。
クレイジーの仕業ではなかったのだ。
マルス「ってかナニナニ!?なんか夢子雰囲気変わった!?緑のカラコンかわいい!!」
シュルク「…カラコンにしては発色良すぎませんか?」
夢子「ああ…これね…実は…」
夢子はマルスとシュルクに義眼になった一部始終を話した。
最初はウキウキで聞いていた二人だったが徐々に青ざめていく。
そして、最後は涙を流す。
シュルク「…そんな事があったんですか…。」
マルス「ごめん、夢子…。僕ら何も出来なくて…。」
夢子「ふたりのせいじゃないし、気にしないで!私はほら、元気だから!ね?」
マルス「でもやっぱりクレイジーの事、許せないよ…。」
シュルク「本当ですね、人権無視してますよ。」
ルフレ「ねえ、そのスマホ…何か細工されてないかな?」
リンク「あり得ますね、あのクレイジーが意図的に落としたとしか…。」
アイク「俺、思ったんだが…」
夢子「何?」
アイク「アイツ…夢子のスマホに逆GPS機能、仕込んでないか??」
夢子達は一瞬考えて、その考えをアイクに問う。
ルフレ「…どういうこと?」
アイク「つまりあれだ、マルスとシュルクに夢子のスマホを意図的に拾わせるように仕向けて
その拾ったスマホからの位置情報をクレイジーが逆探知してるっていう。」
ピット「アイク…それは流石にヤバいよ…!?」
マルス「君、たまには役に立つね!!」
アイク「たまに、は余計なんだが?」
リンク「でも、そうなると…この家も安全ではないのかもしれませんね。」
夢子「そんな…。皆のおうちなのに…。」
わたあめ「ワンワン!!」
夢子「あ…わたあめ!!元気だった?!」
わたあめ「ワン!!」
夢子は幸せそうにわたあめをモフってる。
そんな彼女の前でルフレ達は相談する。
ルフレ「僕たちの住処が敵に割れてしまったってことか…。」
マルス「軍師、どう考える?」
ルフレ「まあ、何れはこうなるかもしれないって考えはあったよ。
相手も情報網駆使してるみたいだし、こんな世の中だからね‥‥。」
夢子「じゃあ、どうする?」
ルフレは笑顔で皆に声を掛けた。
ルフレ「こうなったら…引っ越し、しよう!!」
一同「「「ええええ!?!?」」」
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