41
夢子たちはベレト宅からいつもの家に帰ろうとしていた。
帰り際、夢子にアルフレが近づく。
それを阻止しようとするルフレ。
そんなルフレを睨むアルフレだったが…
【41=端末と追跡】
アルフレ「そうそう、最後に一言いいたいんだけどさ。」
夢子「…何?」
ルフレ「夢子、コイツの言葉に惑わされえてはいけないよ。」
アルフレ「君黙ってて?僕は彼女と話してるんだ。」
夢子「要件あるなら早く行って?」
アルフレ「皆冷たいよねー。僕にだけ。そんなに妬かせてしまうかい?まあ僕は一級のイケメンだからね。
って、そうじゃなくて。…君さ、スマホ持ってる?所持っていう意味で。」
アルフレは夢子に聞いた。
一瞬考えて一瞬で思い出す夢子。
夢子「あ、そういえば…」
ルフレ「どうしたの?夢子。」
夢子「私…クレイジーにスマホ盗られたの。」
皆「「「「えええ!??」」」」夢子「あの日、あの山で…。」
アルフレ「ふーん。やっぱりね。そのスマホに僕GPS機能仕込んでたんだけどさ」
ルフレ「君、犯罪だよ?」
アルフレ「そのGPS機能に反応があるんだよ。」
夢子「え…?それって…」
アルフレ「その反応がね…面白い事になってるんだ。フフフ。」
ルフレ「焦らさないで早く言ってよ!?大変な事じゃないか!?」
アルフレ「早漏だね君は。
そのスマホを持った人物が、君たちのアパートに向かってるよ。」
夢子「…え???」
その場の空気が凍る。
そしてみんなが夢子を見つめる。
夢子も皆と同じ気持ちだった。
何故クレイジーが持って行ったはずのスマホが自分たちの家に?
まさか、住まいがバレた?
夢子を狙いに直接攻撃しにきた?
段々剣士たちは青ざめる。
クレイジーはマスターの双子の弟。
様々な能力はマスターに匹敵する。
そんな奴が夢子を狙っているという事実
剣士たちは彼女を守る事を心に誓いあう。
ルフレ「夢子、どうする?家には置いてるモノ沢山あるけど。」
夢子「私…家に戻るよ。」
リンク「本気ですか!?」
ピット「罠仕掛けてくるかも…だよ?!」
夢子「だって…私のスマホ返して貰わないと困る!!
皆との思い出の写真沢山あるんだよ?!」
アイク「…そうか。なら俺たちは護衛するまでだ。そうだよな?皆。」
ルフレ「当たり前だよ。彼女が行く場所には僕も同行する。」
ピット「ぼくもぼくも!」
リンク「意見一致ですね!」
アイク「じゃあ帰るか。家、わたあめもまってるぞ。」
夢子「そっか…わたあめも…!!久々だなぁ!帰ったらおやつあげないとね!」
賑やかに話す一行の横でふてぶてしい態度のアルフレ。
それを宥めるベレトとベレス姉弟。
アルフレ「平和ボケだねぇ…そんなんじゃいつか身を滅ぼすよ?」
ベレス「アルフレ!こういう時は《いってらっしゃい》って見送るのよ?」
アルフレ「僕からしてみれば墓穴掘ってるみたいで笑えるけど?」
ベレト「どうする?車、また出すか?」
夢子「いや…義眼で景色見るの慣れさせたいので…皆と歩いて帰ります。」
ベレト「そうか。じゃあ気を付けて帰るといい。何かあればすぐ連絡くれ。クレイジーの事とかな。」
夢子「はい…!!!」
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夢子と剣士男子たちは河原を歩いていた。
近所の河原だ。
ススキの葉が生い茂り、子供たちが遊ぶ声がする。
ピット「ねぇ、夢子。もしも…家に帰ってクレイジーと出くわしたら…どうする??」
夢子「どうするって言っても…どうしようもないんじゃないかな?」
アイク「あの狭いアパートで暴れるのもな…まず戦えないだろう。」
夢子「そうだよね…うーん…。」
リンク「何か、道具を使う…って事は出来ませんよね。権限があるし。」
ルフレ「マスターはどう思ってるんだろう。」
リンク「弟がこの世界にまで手を出してるの知ってるでしょうけどね。」
アイク「意外にだんまりだよな…。」
ピット「きっと何か解決策探ってるはずだよ!?」
夢子「そうだといいなぁ。」
ルフレ「夢子、目の調子はどうだい?」
夢子「うん…右目の視野はないけど…何だか新鮮な感じだよ。」
ルフレ「そう…。その義眼、とても似合ってるよ。まさか可愛さが増すなんて…反則だよ…!?」
夢子「えへへ…」
ピット「あー!またルフレが夢子の事口説き始めた!!」
リンク「この状況なのに危機感無いですね…」
アイク「まあいいんじゃないか?俺たちらしいじゃないか。
どんな屈強も乗り越えられてきたからこその余裕って奴だ。」
リンク「家に帰ればクレイジーが待ち伏せしてるかも、って時ですけどね。」
ピット「そうだよ、きっとなんとかなるよ!」
夢子「そうだね‥‥あ、アパート見えてきた!!」
夢子達は目前のアパートを視界に入れる。
見た感じ、異変はないようだが…
ルフレ「行くよ…夢子は僕らの後ろに。」
夢子「うん…」
全員、戦闘態勢の様な状態になる。
時と場合によっては武器の召喚をしなければいけないかもしれない。
緊張感が漂う。
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