39


夢子「ルフレ、リンク、ピット、アイク!!」


駆け寄る4人に夢子はいつもの様子で対応する。
相変わらず笑顔が可愛い。
顔面は片目にはまだ包帯が巻かれていて痛々しいがそれでも皆を元気づけるには十分の笑顔だった。




【39=おかえり】




ベレト「お前ら…勝手に人ん家に入ってきて…はあ、まぁいい。」


呆れるベレトなどには見向きもせずルフレは夢子を抱きしめた。
嗅いだことのないシャンプーの匂いがするがそれも気にしなかった。
ルフレは泣いていた。

ルフレ「ああ、夢子…夢子…元気になって本当によかった…!!」
夢子「あはは…ルフレ大げさだよ!」
リンク「そうですよ…いつまで抱きしめてるんですか。離れてください。」
ピット「そーだそーだ!!!離れろー!」
アイク「想像はしてたが…窓からの景色エグすぎだろ…。胃の中の物全部出そうだ。」

夢子はベレスに深々とお辞儀をする。

夢子「ベレス先生、ここまで診てくださって本当にありがとうございました…!!
        お陰で目は全然痛くないです!!
        視野は…幾分か悪くなっちゃったけど…
        でも、目なんてもうひとつあるから…!!」
ベレス「夢子ちゃん…!!!」


ベレスは涙ぐむと夢子を抱きしめ始めた。

ギュウウウウウウウ…!!

ベレス「ああ、やっぱり夢子ちゃんカワイイ!!尊い!!今まで見たどんなキャラクター、動物よりカワイイわ!!」

そして頬ずりし始めた。

スリスリスリ・・・

夢子はちょっと苦しそう。
ベレト以外の男子は皆口を開けている。

夢子「ちょ、ベレス先生…今日何回目ですかー…?///」

ルフレ「…そうなの?ベレト。」
ベレト「…ああ。今朝も早くからこの状態だ。」

ベレス「ああああー!!カワイイカワイイカワイイ!!///‥‥よし、私決めたわ!!
    元の世界に戻る事があったとしても夢子ちゃんのことぜーったいお持ち帰りする!!
    ね!?ベレト!!貴方だってずっと夢子ちゃんと居たいでしょ!?」

ベレト「…。」
ルフレ(そこは否定はしないのかいベレト…?)

ベレス「もー嬉しくないの!?…あ、そうだ、貴方が夢子ちゃんをお嫁さんにしたら私は永遠にお姉ちゃんじゃない!!
    どう!?私の事《ベレスお姉ちゃん(はぁと)》って呼んでくれても構わないのよ?
    寧ろそう言って!?今すぐでもいいわ!!そうしましょう。ではベレトとの婚姻届けに判を」
夢子「ベレス先生…く、くるしいし話進みすぎ!」
ベレス「もう何て愛くるしいのー!!!」
ベレト「姉さん、そのくらいにしてやれ。嫌がってる。それに判って…」

ベレトが夢子からベレスを引き離した。
すると周りに人が居る事を思い出したかのようにベレスは赤面する。

ベレス「あ、あら…私ったら…夢子ちゃんに視界が奪われ過ぎて周りが見えていなかったわ。」

ルフレ「この間言ってたベレスの性癖って‥‥」


ベレト「極度の可愛い物好き、だ。愛くるしく可愛い物には目が無い。」

ルフレ「ははは…通りで…。」
アルフレ「そうだよー。僕コンビニで変な目で見られたんだから。」


ドン引きするルフレの背後でぼそっと声がする。
…アルフレだ。


ピット「うわ、アルフレ!?もう帰って来たよこの人…さらっと会話に入ってくるし!?」
アイク「サンリオ男子って居たよな。アルフレも他人から見たらあんな感じに見られるんじゃないか?」
リンク「この男にその言葉120%合わない気がするんですが」


部屋の入り口には変装したアルフレが立っていた。
ビニール袋に商品を沢山持っているように見える。
ベレスが直ぐにその荷物を受け取る。


ベレス「凄いじゃない!!5つもA賞当てたのね!?流石アルフレちゃん!!!きゃあああこのモコモコのぬいぐるみ欲しかったのよー!」



ピット「それってどうなの?」
アイク「まあまあの倍率だろ?1番くじ。」
リンク「俺引いたことありますがH賞ばっかりでしたよ?

    アルフレって一体‥‥」

ルフレ「ハッ、どうせ金の権力でしょ。お金さえつぎ込めば無理やりにだって…」

鼻で笑うルフレにアルフレは真顔で答えた。

アルフレ「ん?5連続でA賞当てたけど?
     こればかりじゃつまらないと思って他の賞も当てたし。」

ルフレ「はぁ!?!?!?」

アルフレ「こんな物が欲しいなんて…ベレスってマジ悪趣味だよねー。反吐が出るよ。」
ルフレ(おま言う)

夢子「じゃあぬいぐるみも無事お迎えだし私はそろそろいつものおうちに戻りますね。
        いいですよね?私もう元気いっぱいだし。」
ベレス「ダメ、隔離して愛でたい…だなんてつい本音がでそうだけど」
ルフレ(出てる出てる本音でてる!!!)
ベレス「夢子ちゃんは皆と一緒に居たいのね?」
夢子「はい…!」
ベレス「それじゃあしょうがないか。退院(?)を認めます!」

夢子「わぁああ‥‥!!皆、私帰れるよ!!」
ピット「やったね!夢子ー!」

夢子はピットとわーいわーいと手を繋いで回ってる。

アルフレ「あんなボロアパートの何処が良いんだか。
     この家に住めば楽して暮らせるのに。ねぇ?ベレト先生。」
ベレト「それでも夢子はあの家が住み心地いいのだろう。」
アルフレ「…本当は帰したくないのに?」
ベレト「ホントは、な。」
アルフレ「みーんな夢子の事大好きだね。
     でも僕が一番彼女の事見てると思うけどなぁ?ね、夢子。」

ベレスは名残惜しそうに夢子の姿を見て何かをはっと思い出す。

ベレス「あ、そうだ、夢子ちゃんが可愛すぎて忘れるとこだったわ…。はい、これ。」

小さな木の箱を夢子に渡すベレス。
夢子は不思議そうに箱を見つめる。

夢子「なんですか?これ。」

するとベレスは逆に夢子に問いかける。

ベレス「昨日の夜、私夢子ちゃんに聞いたわよね?何色が好きかって。」
夢子「はい…」

ベレス「そしたら貴女、グリーンが好きって答えてくれたわね?」

    だからね、私昨日は一睡もしないで徹夜で作ったの。


    緑色の貴女の義眼
を!!」


パカッ・・・・

夢子がベレスから貰った木の箱を開けるとそこには義眼があった。
確かに緑色をしている。

夢子「いいんですか!?こんな高級そうなものを…しかもオーダーメイドで…」
ベレス「私と夢子ちゃんの出会いの記念よ!受け取って?」
夢子「わああぁぁあ!ありがとうございます!ベレス先生!!」
ベレス「ああ、今の笑顔でご飯1週間いけるわ…じゅるり。」

ルフレ「…この人控えめにヤバくない?」
アルフレ「そうだねー。フフフ。」
ルフレ「いや、お前も十分ヤバイからね?自覚ないの?」
アルフレ「僕は真人間だよ?」




…ぶっちゃけここにいる人たちはほぼ変人だ。





【いいね!!】


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