34

※流血(グロ)表現注意の章です。
苦手な人は36章まで飛んでください※














ルミレ「クレイジー様の機嫌取りしてたけど、やっぱもうやーめた。


    ‥‥今からアンタの事痛めつけるわ。


    ギタギタに虐めてから、内蔵引きぬいてやるよ。ギャアハハハハ!!」



ルミレの本性が現れた瞬間だった。



【34=見えない】


突然狂暴になったルミレ。
抵抗できない夢子を茨の鞭で殴りまくる。

ルミレ「ほら、どうした!?さっきの舐めた口は何処に言った?ギャハハハ!」
夢子「ックッ・・・!」
ルミレ「そうやっていつも男共に助けてもらってたんだろ?え?
    自分自身では何もできないゴミクズの癖に!そうよ、私よりクズ!!ゴミ!!」
夢子「・・・。」
ルミレ「何よ、もっと痛いとか助けてとか喚きなさいよ?!はーつまんな。
    あ、そうだ。この際だから貴女の一部を貰おうかしら?
    折角だしねぇ?クレイジー様も少しなら大目に見てくれるでしょうよ。」

するとここで何処からともなく手袋をするルミレ。

夢子「…一体何を…!?」

ルミレは興奮しながら手袋をはめる。

ルミレ「ウフフ、わたくし、こう…指の爪が長いでしょう?

    
    取り出す際に傷が付いたら大変なことになっちゃうから…ね?」



夢子「‥‥!!??」











同刻。
ルフレとアルフレは夢子の居る小屋のすぐ近くまで来ていた。

アルフレ「くんくん、うん、この辺に居るのは間違いないよ。」
ルフレ「君…ほんとに夢子の匂い覚えてるんだね?やっぱ気色悪い。」
アルフレ「何言ってるんだい?僕が覚えてるのは彼女の香水やシャンプーの匂いだけだよ。
     他の人とか全然どうでもいいし。」
ルフレ「だからそれが気持ちが悪いって言ってるんだよ、っていうか夢子の匂いくらい僕だって…」




「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


ルフレとアルフレが言い合ってるその時だった。
女性の悲鳴が聞こえた。
間違いない、夢子の声だ。


ルフレは咄嗟に走り出した。
もうすぐ見つかる。
しかし、アルフレは先ほどの夢子の叫び声を聞いて興奮していた。

ルフレ「おい君何してるんだよ?!早く…」
アルフレ「この声…イイ…!!」
ルフレ「きっしょ!!君気色悪いのも程があるよ!?
    叫び声、あそこから聞こえた!!行かなきゃ…夢子が待ってるよ!!」
アルフレ「この声は…僕が彼女を以前拷問した時の声に似ているね。」
ルフレ「…はぁ!?」



アルフレ「これはねぇ…人間が血を流し痛みに耐えてる声だよ。ルフレ。」

ルフレ「!?!?」

アルフレ「んー?断末魔、1回だけだね。途端に静かになっちゃって。ヤバいかもしれないねぇ?!」

ルフレ「っち、クズが!!僕は先に行く!!」


ルフレは妄言をしているアルフレを置いて家に向かった。


家の扉は開いている。
中へドウゾと言わんばかりに施錠がされていない。


ルフレ「…舐められたもんだよ全く。」

ルフレは進む。
廊下がギシギシ鳴る。
割と古めのこの家。
悪者が身を隠すのに打ってつけの様に見えた。

ルフレは魔導書を携えた。
マスターから武器を召喚する許可を貰っていたから。

ルフレ「まさか、日本で使う事になるなんてね…」

ギシッギシッギシッ・・・

一歩ずつ進むその足は震えていた。
持っている懐中電灯の光も揺れる。
何か、
嫌な予感がするのだ。

ルフレ「夢子…待ってて、今行くからね!」


するとひとつ、大きな扉が見えてきた。
その大扉からオレンジ色の光が漏れている。
他にも部屋は幾つかあったが、ルフレはどうしてもその大扉が気になった。

それに、何か金属音がする。

そして、嗅いだことのある匂い。
嘗て軍師をしていた時に戦場で嫌なほど嗅いだニオイだった。


ルフレ「血…!?」


そう、それは血のニオイだった。

ルフレの額に汗が伝う。
もう慎重に、だなんて居られなかった。

ルフレは大扉に向かって走って勢いよく部屋に入った。



バンッッ!!!


ルフレ「夢子!!!」


大扉を開き中に入るとそこには血塗れになって壊れたベッドに倒れている夢子と
何かを手に持っているルミレだった。

ルミレは部屋に入ってきたルフレに気が付くと
その手に持つ何かを顔に入れて
満面の笑みでルフレを歓迎した。

ルミレ「ああっ…!!ルフレ様!!お久しぶりですわ!!貴方から会いに着てくださるだなんて、ああ、私は何て幸せ者!!」

頬を赤らめているのだろうか、人形だから血色はわからない。
だがルフレはルミレの顔面を見て真っ青になった。

何かが可笑しいのだ。

ルミレの目は赤色だったはず。
しかし今は片目の色が違う。黒い瞳をしていたのだ。

そして、その瞳はルフレがいつも見ていた、あの優しい瞳と同じだった。
明るく笑って時には怒って拗ねて泣いて。
そう、嬉しい時も悲しい時も同じ瞳から涙を流していた。









ルフレ「その目は…夢子の目…!!??」




ルフレは絶望と感じたことのない恐怖でその場に崩れる。



ルミレは自身の右目に手を当てて不気味に微笑んでいた。
ベッドに横たわる夢子は顔を抑えて呻いている。


ルミレ「取り出すの大変でしたのよ?」




ルフレ「うああああああああああああああああ!!!」


ルフレの断末魔が家に響き渡る。







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