25
柄悪オジサン「…よし、ちゃんと眠ってるな。」
車のトランクに大きな木製の箱。
その中に夢子は入れられていた。
夢子は意識の無いふりをする。
瞳を閉じているから何も見えない。
少しずつ恐怖感も湧き出てきていた。
【25=魔女の呪い】
柄オジサン「まさか、ボスがこんな山の中を指定するなんてなぁ‥まあ悪事働くなら当たり前か。
しかし相変わらず人使いが荒くて嫌になるぜ…。」
カチッと音がした。
そして煙のニオイがする。
タバコを吸っているのだろうと夢子は直感した。
そして思い出す。
夢子(タバコ…隣のオジサンのニオイだわ。…でもなんで私なんかを‥)
タバコをふかすオジサン。
そして、箱が揺れる。
再び箱の蓋は閉められ光が閉ざされた。
ガタガタッ!
夢子は震えていた。
夢子(…何処かに運ばれている!?)
夢子の思った通りだった。
オジサンは夢子の入った箱を何処かへと運んでいた。
揺れる木箱。
夢子は何度か頭をぶつける。
そして、思わず声を出してしまった。
夢子「痛っ…!」
柄オジサン「…ん?」
夢子(しまった…!)
夢子は思わず息を止める。
揺れていた箱が動かなくなる。
夢子(どうしよう…目が覚めてるのバレた‥‥?!)
夢子は冷や汗をかく。
心拍数が上がる。
柄オジサン「…気のせいか。」
再び箱が揺れ出す。
夢子は一安心し、もう声が漏れないように口を拘束されている手で抑えた。
すると、10分くらいしただろうか。
箱の揺れもなくなり静かになった。
夢子(…止まった?)
夢子はまだ怖くて目が開けれないでいた。
柄オジサン「ボス。言われた通りの娘連れてきましたぜ。」
すると夢子が聞き慣れない声が響く。
???「ああ、ご苦労。」
夢子(…誰?聞いたことない声だけど、どこかで似たような声を私はよく知っていてー・・・・)
柄オジサン「では早速ですが…報酬を…」
???「まだ、だ。」
柄オジサン「ええ?!もう十分働いたと思うんですが‥」
???「時期此処に人間がくるだろう。
…私の大嫌いな輩の手下どもが、ね。」
柄オジサン「は、はぁ…。で、そいつ等をどうすれば?」
???「消すんだ。この世界からもあちらの世界からも抹消する。存在や歴史ごと…」
柄オジサン「…よくわかんねぇですが、要は、消せばいいのですか?」
???「そういう事だ。報酬は倍にする。…彼女は上の部屋に閉じ込めておけ。」
柄オジサン「では仲間にも伝言回しますぜ。」
???「ククク…楽しくなりそうだな。これからどんどん野望が実現していく。
この世界も手中に収められる事が出来たとしたら素晴らしい未来が待ってる…。」
夢子(私が何で閉じ込められる必要が…!?この人たちは一体何を考えてるの…?!)
まだ見ぬ敵の恐怖。
夢子は箱の中で再び震えていた。
・
・
・
夢子が恐怖に震えている間、
剣士男子達は急いで夢子のいるあの忌まわしい山へと向かっていた。
補装など施されていない山の道はデコボコとして車が揺れる。
ルフレ「…ちょっとベレト、もっと優しい運転の仕方できないの?」
ベレト「免許持ってない奴が偉そうに言うな。」
マルス「う…僕車酔いしたかも。」
ピット「ええ!?ちょ、吐かないでよおまるす!」
ベレト「吐いたら一カ月毎日放課後に自習させるからな。」
アルフレ「…ポンコツ王子、この車いくらだったと思う?
フフフ、四桁だからね。覚悟した方が良いよ?」
アイク「…えげつないな…安い田舎の一軒家買えるぞ…。」
アルフレ「いいや、五桁に近い四桁だから。」
シュルク「この人たちの金銭感覚って一体…。」
リンク「考えるの止めましょう。頭痛がしてきますよ?」
すると、急に車が停止する。
マルス「うぷっ…助かった…。」
ピット「先生どうしたの?」
ベレト「…近道する。」
マルス「え゙?」
車は急発進したかと思うと脇道に逸れ猛スピードで道なき道へと突っ込んでいった。
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