24

剣士男子+アルフレはコンビニで用事を直ぐに済ませた。


ルフレ「問題は今現在の夢子の正確な位置、わからないんだよね…」


ルフレがアルフレに問う。
そんなルフレを見てアルフレはいつも通りニヤニヤ笑いながら言う。

アルフレ「そうだねー・・・って言いたい所だけど…どうしよっかな?フフフ。」

ルフレ「!?」



アルフレは何か知っている様だった。



【24=道標】







意味有り気に笑うアルフレ。
ルフレはアルフレを見て睨みながら尋ねる。



ルフレ「…どういう事?」
アルフレ「あー…君さ、今から僕が言う事聞いて怒らない?」
ルフレ「一体何を知っているんだ?」
アルフレ「うーん、怒らないって約束するなら教えるよ。」
ピット「ルフレ、今はアルフレの話黙って聞いておこ?」
ルフレ「コイツの発言は問題あり過ぎて…今更だよ。良いよ、言って?」
アルフレ「じゃあ話すね。…と、僕のスマホがこれなんだけど…」
ピット「うわ、今度は超高価なスマホをズボンから出したよ…僕らとの格差が激しい!」

アルフレ「いいや天使君。見てほしいのはそこじゃなくて…ここの表示見て?」


アルフレがスマホの画面を剣士男子達に見せる。


そこには細かく情報の記載された地図とひとつの赤い点印が載っていた。
凄い速さで移動する赤い点印。

ルフレ「これは…」


アルフレはにっこりと笑う。


アルフレ「そ、僕ね、夢子のスマホにGPS機能付けてたんだ〜♪」


ルフレ「GPSだって!?」





怒りに震えるルフレ。
そりゃ大キライな人間に大切な彼女の居場所が丸わかりっていうのは頭に来る。
アルフレを今にも殴りそうな表情になってる。


アルフレ「あれれ?怒らないって約束したでしょ?…先の情報教えないよ?それでもいいのー?」
リンク「ルフレは俺達で抑えておくので話続けてください。」

アルフレ「…でね、彼女の行動範囲は僕にはバレバレで‥‥
     良かったね君たち。彼女スマホはポケットに入れてたみたいだね。
     今彼女が居るのは…えーっと…山中みたいだよ?」
マルス「山!?僕らが居るの割と都会だよ?」

疑問を浮かべるマルスの横でアイクが指摘する。

アイク「この山って‥前にドラゴンの出た山じゃないか?此処から少々遠いが、可能性高く思うぞ。」
シュルク「そうか…あの場所に敵側が張った魔法陣がまだ残ってるかもしれません。
     クレイジーが手を回すのも恐らく…」



ルフレ「近くても遠くてもいい。僕は夢子を救う。皆意見は一緒だろ?」


リンク「そうですね。彼女の安否を優先すべきです。」
ピット「クレイジーは日本に手を出してまで夢子を…
    本当に妃にされたらどうしよう…僕耐えれないよ‥。」
ルフレ「それを阻止するのが僕らの使命だよ。」
リンク「俺たちが召喚されたのも、夢子さんと出会ったのも、彼女を守るため…必然ですよ。」
アルフレ「君たち正義感強いね〜。僕はそこまで真人間になれないよ。フフフ。」
ルフレ「兎に角この山に行こう。…移動手段は‥‥」

ルフレが思い悩んでいると、声が背後からボソッと聞こえる。




ベレト「俺が車に乗せてやろう。」




ルフレ「わっ!びっくりした…ベレトか…。いつからそこにいたの?」

ベレトが険しい顔をして立っていた。

ベレト「先生と呼べ。お前の頭は鶏か。」

ピット「何でニワトリ?」
マルス「3秒で忘れるって意味でしょ。」
ピット「ほー、勉強になった。流石先生!」
アイク「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ‥。」

ベレト「話は聞かせてもらった。その山とやらに向かうのを俺も手伝ってやる。」
ピット「良かった〜移動手段丁度困ってたんだよね…」
ベレト「万が一何かあっても保護者が居たほうがお前等にも都合いいだろ。」
ルフレ「ベレト、それじゃあ早速乗せて?」
ベレト「大き目のワゴン車買って置いて正解だったな、アルフレ。」
アルフレ「僕何となくこういう事起きるんじゃないかって思ってたんだよねー。
     クレイジーも財力凄いみたいだけど僕らのほうが上手さ。
     使い方だって真っ当だろ?」
ピット「僕にはそうには見えないけど…ってかこのふたりどれだけ財力あるの!?恐ろしい…」

ルフレ「そんな話はいいよ。早く夢子を救おう。」
アルフレ「せっかち過ぎてもハゲちゃうよ?」

ルフレ「煩い。」









夢子は目を覚ました。
暗い。何も見えない。
声も出ない。
手足も動かない。


夢子は拘束されていた。
手足が動かないのは結束バンドで縛られているせいだろう。
声も出せないようさるぐつわをされている。
そもそも弱っている夢子。
大きな声を出す気力はそもそもない。

頭の中がぼーっとする。

夢子(私は…一体何してたんだっけ?)

学校を休んで家に居て、わたあめとくっ付いて寝ていた。
すると玄関のチャイムが鳴って。
それが意識が戻った瞬間で。
ルフレ達は居なくて。
チャイムの音は1度や2度ではなく、連続で壊れそうになるほどしつこく。
動けないはずの身体を無理矢理起こして
夢子はフラフラしながら扉を少しだけ開けた。

あの時、扉を開けるべきじゃなかったー・・・・・



夢子(私はあの時…)

開けて眼に入ってきたのは隣の柄の悪いオジサン。
夢子が言葉を発する前にオジサンは無理矢理扉を大きく開ける。
そしてズカズカと家の中に立ち入り…

夢子(あの隣のオジサンに会って…)

夢子(う、あの後から記憶がない‥。)


夢子は必死に思い出そうとする。
しかし頭の中が混乱している。
考えれば考えるほど記憶が安定しない。


夢子は不思議と恐怖感はまだ湧いて来なかった。
熱が出ているせいもあるが、意識が鈍ってるが
夢子は確信していた。


夢子(ルフレ…きっと来てくれるよね…?)


夢子は目を閉じて音を聞いた。
自分は今、大きな箱に入れられ車の中に置かれていると感じた。
エンジンの音がはっきり聞こえる。
そして舗装のされてない道を今走っていると。
ガコンガコンと揺れる箱。
その振動で少しだけ蓋のようなものが開いた。
小さな光が見える。

夢子は更に耳を澄ませた。

すると声が聞こえてきた。

あの柄の悪いオジサンの声がした。




柄オジサン「…例の娘が手に入りました。‥ええ、元々動けなかったみたいで…
      それに加えて失神する薬品を嗅がせたのでしばらくは動けないでしょう。」

夢子(!!!)

柄オジサン「計画は順調にいきそうでっせ。」

夢子(計画って何‥?私はなんで誘拐されてるの?)




暫く揺れていた車の動きが止まった。
エンジンの切る音、車のドアが開いて誰かが近づく足音。
夢子は意識の無いフリをした。
瞼を閉じていても光が差し込むのがわかった。


【いいね!!】


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