22

ルフレ「反社会的勢力って…8のつく人たち?」

ベレト「そうだ。」








【22=迫りくる陰謀】






固まり続ける剣士男子達にベレトは躊躇なく話を続ける。


ベレト「クレイジーにとっては一番使い心地の良い組織だという事だ。
    あいつの事知っているお前等ならわかるだろう?」
ピット「わかるけど…そうなると裏社会の全てが敵になるじゃん!
    僕ちょっと怖いかも…。」
ベレト「心配するな。俺たちはファイターだ。…あいつ等が何を考えても負けない力はある。」
マルス「そうだよ!いざと言う時には僕がファルシオンで華麗になぎ倒すから!」
アイク「…思えば以前にも似たような事あったな。」
シュルク「ああ、強盗団に乗り込んだ時の話ですね?あの時は大変だったなぁ…」
ベレト「ほう…一応経験はあるんだな。ならば、恐れる事はないだろう。」
リンク「そうですよ、頑張りましょう。夢子さんを俺達で守るんです!」


意思を固めた剣士男子達にベレトが再び続ける。




ベレト「…で、そういう奴等が夢子に接触を試みるはずだ。
    お前たちが周りに居れば問題はないだろうが…」

ルフレ「そうだよ、僕らが夢子を見張っておけば…」



そこでルフレが段々青ざめる。



ルフレ「え…ちょっと待って…?」


ピット「どーしたの?ルフレ。顔真っ青にして。」


ルフレ「ちょっと…心当たりがあるかも。」




剣士男子「「!!!!」」



ルフレは思い出した。


以前ベレトが突撃家庭訪問した日に
柄の悪い如何にも8のつく人のような人物が夢子達の家にクレームをつけてきたことを。



ルフレ「あのおじさん…めっちゃ柄悪い感じだったけど…まさか…」

リンク「まさかのまさか、ですね。」





剣士男子「「「夢子が危ない!!!」」」




慌てて教室を飛び出る剣士男子達。

ベレトはため息をつく。

ベレト「アイツ等、無茶しなければいいんだが。」







駆け足で学校と飛び出し、車に何度か引かれそうになるくらい道路上のルールを無視して家に走る剣士男子。
通常の人間が出来ないようなアクロバティックな動きで急ぐ。

普段数十分もかけて歩く道をなんと3分で走りつくした。
そして夢子宅に着く。

ルフレはドアノブに手を触れた瞬間、気づいた。




・・・鍵が、開いている。



ルフレは青ざめて玄関の扉を開ける。
そして家の中を見て絶望に襲われる。



荒らされた家の中。


抵抗した跡。


部屋の隅で震えるわたあめ。



ルフレ「…遅かったか…。」
ピット「ねえ、夢子は何処に行っちゃったの!?」
ルフレ「この荒れ方、尋常じゃない。」
マルス「ねね、金品は盗まれてないよ?」
アイク「夢子が最初から目的か…」
シュルク「そんな…」
リンク「とりあえず、隣の家に伺ってみましょう。」


直ぐに6人は隣の柄の悪かったオジサンの元に行った。
そして、絶句する。








『空き室』


そうでかでかと玄関のドアに張り紙がされている。



リンク「…これは…。」

悔しさのあまりルフレが張り紙を剥がして破って捨てる。

ルフレ「僕たちが呑気に学校に通ってる間に夢子は…くそっ!」


そこでマルスがふと思い出したように言う。




マルス「アルフレ…あいつが知ってる情報って他にもあるのかな?」






ルフレがマルスを睨む。
マルスは首を振る。

マルス「いや、君に汚い靴を舐めさせようとは思わないよ?…ただ、あいつ元は裏社会の人間みたいなもんでしょ?」
ピット「そっか…。」
アイク「先生にライン送ったら住んでるタワマンへの地図秒で送られてきたぞ。」
シュルク「仕事早いですね‥」
ルフレ「…行こう。夢子の為ならどんなに汚い靴でも舐める覚悟あるから。」
リンク「本気ですか!?」
ルフレ「君だって夢子の為なら何でもするでしょ?‥‥同じ理由さ。」
リンク「‥まあ、確かにそうですが…」
ルフレ「行こう、アルフレの元に。そして夢子を救うんだ。」



剣士男子達は意気投合する。
そして再び駆け出す。
ベレトの送ってきた地図のアプリは分かりやすく正確で
近道の表示まであるのでスムーズにタワマンまでたどり着くことが出来た。
そしてエレベーターへ乗る。
最上階がアルフレのいる部屋だ。


最上階に着いてエベレーターの扉が開く。
いつもならすぐ開く扉が今だけ遅く感じる。
そして、開いた瞬間・・・




アルフレ「あれ?なんて君たちが此処に居るの?」



目当てのアルフレが帽子とサングラスとマスクをして立っていた。


【いいね!!】

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