20

【20=一人と六人と一匹と】




わたあめ「くぅん・・・」




やっと眠りについた夢子の横でわたあめがまるまった。
その姿を剣士男子6人は少し離れた場所から見つめる。
そして皆で作った酢豚をモグモグと食べている。





ピット「夢子、少し表情が楽になったね!」
マルス「そうだね、一応今は安心かな?」
アイク「睡眠は大事だからな。」
ルフレ「夢子…。」
リンク「ルフレ、暗い顔はダメですよ。」
ルフレ「うん…わかってる…わかってるんだ…でも‥‥」
シュルク「夢子さんは強い人間です。またすぐに笑顔で僕らを見てくれますよ。」
ルフレ「そうだね…。」

するとリンクが持っていた箸を置いて話出す。


リンク「しかし、マスターの言ってた事が気になりますね。」
マルス「それな!『奴等が動き出した』…この言葉意味深すぎて僕までうなされそうだよ…。」
ルフレ「奴等を意味するのはクレイジー側っていうのはなんとなくわかるけど、
    ちょっと意識しずらいんだよね。だってここは日本だし。」
リンク「幻双国であった災いの全ての元凶がクレイジーというのはわかってましたが
    彼らがこの世界にも関与しているって、ちょっと理解し難いですよね。」
ルフレ「マスターがこちらに僕らを転送出来るようにクレイジーもこちらに関与しようと思えばできるって
    アイクもさっき言ってたよね?」
アイク「…こちらにはゲームなんかのWi-Fiもあるしな。向こうの世界での権力のあるクレイジーが本気だせば出来ない事ではないだろう。」
ピット「ねえシュルク、未来視とかって見れないの?」
シュルク「すいません、最近モナドの調子が悪くて…戦わないにしてもたまに出してみるんですけど、力が鈍ってて。」
ピット「そうそう、Wi-Fiの電波障害ってやつ、最近流行ってるらしいよ。クラスのオンナノコが言ってた!」
マルス「ああ、僕もその話聞いた!スマホの電波が狂う事が増えたって!
    アプリも思うように使えない〜って皆愚痴ってるよね。」
アイク「そういえば天気も悪いよな。雷ばかり鳴ってる気がする。」
リンク「…もしかして一連の事態はクレイジーの事と関係している‥?」
ピット「リンクー、考え過ぎじゃない?」
リンク「‥だといいんですが。」








それから5日間。

夢子は目覚める事がなかった。
剣士男子達は学校に通いながらも夢子の様子を伺っていた。
彼らが居ない時はわたあめが番犬がわりに夢子を守ってくれている。

授業を受けても皆夢子の事ばかり頭を過って集中出来ない。
ベレトは海外に旅行に行っていると学校を休んでいるが
マスターの元、幻双国に行ってる事は剣士男子達だけ知っている事だった。

時間があっという間に経ち放課後になり・・・

剣士男子達はすぐ夢子の休んでる家へ帰ろうとする。

が、



教室を出た途端、とある人物に道を塞がれる。



アルフレだった。



アルフレ「ねぇ、なんで最近夢子学校休んでるの?」

ルフレは眉間にシワを寄せてアルフレを睨む。

ルフレ「君には関係のない話だよ。」
アルフレ「そうもいかないかもしれないよ?」
ルフレ「…どういう意味だい?」
アルフレ「僕もそれなりに情報持ってるんだよね。先生にも言ってないような秘密の情報。
     裏の組織の情報とでもいって良いかな。」
ルフレ「!?」
アルフレ「聞きたい?」
リンク「勿体ぶらずに今すぐ全部吐いてくださいよ。」
アルフレ「君たちがそんな態度じゃあ…教えられないなぁ?」
ピット「ええ!?僕らを脅すつもり!?」
アルフレ「そんな物騒な事してるつもりないけど、世間的に見たらソレかな?フフフ。」
シュルク「なんだか矛盾してますね…
アルフレ「そうだなぁ‥‥条件だしてのんでくれるのならば教えてもいいよ?」
リンク「貴方が持ってる情報とやらがそれ程の価値あると断言できるのですか?」
アルフレ「そうだなー、じゃあ先に少しだけ情報の内容教えてあげる。
     クレイジーが既にこの国に手を伸ばしている。既に、だよ?
     …これだけでも凄い情報じゃない?」


剣士男子「「!!!」」


アルフレの言葉に固まる剣士男子達。
アルフレは続ける。

アルフレ「先生もマスターから聞いてこの話は少しは知ってるみたいだけど… 
     僕が知ってる情報はそれを上回るよ?」
ルフレ「…条件は、何だい?」


アルフレはゲスな笑みを浮かべて自分の脚を指さした。









アルフレ「僕の靴、舐めてよ。」




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