18
夢子「ううっ…。」
夢子は高熱でうなされて居た。
夢なのか現実なのか意識が混濁していた。
【18=彷徨う夢の中で】
夢子を乗せたベレトの車は数十分遅れで夢子のアパートへと着いた。
急いで夢子を部屋の布団へと運ぶ。
先回りしていた沙羅たちが夢子を寝かせる準備をしていた。
ピットが氷水の入ったタライを持って来る。
そしてルフレが氷水に入れてた絞ったタオルを夢子の額にのせる。
…タオルは直ぐに熱くなる。
ルフレが自分を責める。
ルフレ「…どうしてこんなことに…。」
夢子は家に帰ってきたことで少しだけ表情が和らいだ気がした。
沙羅「アンタ等はダメね。夢子を任せられない。
私が言えるセリフじゃないけど…今は言える。」
リンク「沙羅に言われても仕方がないですね。」
ピット「僕ら水面にずっと浮かんでたもんね。」
アイク「鼻血出してな。」
シュルク「…穏やかじゃないですね、僕ら…。」
ベレト「全くだ。お前等反省しろ。」
マルス「いや、先生も鼻血出してなかった?」
沙羅「病院…連れて言った方がいいのかしら…。そうだ、黒さんに連絡入れよう…!」
ルフレ「そういえば黒兄って今何してるの?あんまり見かけないけど。」
沙羅「今はとある場所でバイトして暮らしてるわよ。…そんな事より今は夢子の事優先にしなきゃ。」
ピット「沙羅、変わったね!」
沙羅「…え?」
ピット「前は夢子の事鬼みたいな顔して見てた!」
マルス「コラ、ピット君!」
沙羅「…私もいい加減大人になろうと思った、ただそれだけよ。」
沙羅はそう言ってスマホを手に玄関へと出て行った。
ピット「うーん僕良くわからないや。」
マルス「女の子は難しいんだよ?君も大人になりな〜。」
アイク「俺からしてみたらお前も十分ガキだけどな。」
マルス「ああ!君だって実際僕より1つ下だろ!?生意気!」
アイク「此処(日本)では皆18歳ってことだから。」
マルス「ムキーッ!」
シュルク「静かにしてくださいよ…」
夢子「うう・・・・!」
すると夢子が突然呻き始めた。
大量に汗を流している。
ルフレがすかさず夢子の手を握る。
ルフレ「夢子!?大丈夫!?」
夢子「こわい・・・!あいつ等が来る・・・!」
ルフレ「え?なんの事言ってるんだい?!」
ベレト「…これは…もしかしたら…。」
ルフレ「ベレト、君何かわかるのかい!?」
ベレト「先生と呼べと何度言ったら分かる?」
ルフレ「…わかったよ、先生。」
ベレト「夢子には…魔女の血が流れてると聞いたが…
その血が共鳴しているのかもしれない。
病に倒れた事により見えない力が漏れ出しているのか…もしくは…」
ルフレ「…何と!?」
ベレト「それはわからない。」
ルフレ「分かってから言って欲しいな…そういうセリフ。」
ベレト「だが、昨日マスターから知らせが入った。」
ルフレ「え!?」
ベレト「【奴等が動き出した】とな。」
剣士男子達は固まる。
各自の脳内で様々な事を考える。
そして、誰もが最終的に行き着く結論はー・・・
ルフレ「【奴等】って、もしかしてだけど、クレイジー達の事?」
ルフレの口から出た言葉。
その名前は日本へ来てから久々に出した名前。
ベレト「ああ。多分な。」
ピット「…この世界に居るって事?」
マルス「それはないんじゃない‥?流石に。」
アイク「でも俺らだってこうやって日本に居るだろ。考え方変えて見ろ。」
剣士組「「「・・・。」」」
一同が黙り込んでいると、玄関が勢いよく開け放たれた。
黒「夢子!!」
そこには血相を変えた夢子の義兄の黒と黒を呼んだ沙羅がいた。
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