9
ルフレ「いいね?明日の授業前だよ?」
リンク「ほんとにやるんですか?」
ルフレ「勿論だよ。」
【9=作戦実行】
夢子達はいつも通りの朝を迎えた。
朝ごはんはまたリンクが作ってくれた。
ルフレはパンを焼いただけだとブツブツ文句を言っている。
でも如何にも朝ごはんという感じで安心する。
夢子「…ご馳走様!美味しかったー!」
リンク「貴女のその笑顔が見れるだけで俺は幸せです。」
夢子「学校かぁ…なんか先生に会うの気まずいなぁ?色々あったし。」
マルス「まぁね…。僕なんか宿題終わらせるのに時間掛かりすぎて2時間しか寝れなかったよ。」
ルフレ「今日は良い物が見れるよ。夢子も楽しみにしてて?」
夢子「???」
学校に無事登校する夢子と剣士組。
教室に入ると沙羅は既にいた。
沙羅「夢子、おはよう!」
夢子「おはよう、沙羅!」
沙羅「昨日の夜中雷凄かったわね。」
夢子「え、そうなの?」
マルス「あー、そういえば宿題やってる時めちゃゴロゴロしてたよ。
夢子は気持ちよさそうに寝てたからわからないでしょ?」
夢子「そうなんだ…。」
沙羅「その雷…なんかいつもと違う感じだったのよね。違和感あるっていうか。」
夢子「???」
沙羅「…何かの前触れじゃなきゃいいけど。」
夢子「沙羅、考えすぎだよー。」
沙羅「そうかな…。あ、そろそろ朝礼始まるわね。」
その言葉を聞いたルフレ達がニヤリと笑う。
ルフレ「…皆、いいかい?決戦の時が来た…僕らは洗礼を行う。」
リンク「会って2日目でやるのは気が引けますが‥‥。」
ピット「まー僕ら皆やられてるし…」
マルス「昨日の仕返しも含めて復習したいよ、ボク。」
シュルク「僕は知りません。見て見ぬふりします。」
ルフレが黒板の前へと歩く。
そして黒板にチョークで適当に何か描いた後黒板消しで丁寧に消す。
黒板消しはチョークの粉でいっぱい。
夢子「…ルフレ、何してるの?」
ルフレは黒板消しを片手に黒い笑みを浮かべる。
そして…
教室の入口のドアの一番上に黒板消しを挟む。
夢子「ちょ…!ルフレ!」
ルフレ「フフフ…これは此処にいるファイター全員が喰らったことのある洗礼だよ。
名付けてファイターホイホイ黒板消し落とし!!
ベレト先生にはまずこれを喰らってもらう…!」
夢子「そんな事したら可哀想よ?」
ルフレ「みんなも静かに…ね?」
ルフレは教室に居る生徒全員に笑顔を送る。
生徒全員ドン引きだ。
ルフレ「…あ、来たっぽい!皆、ふつーにしててね。」
リンク「これはどうなるか見ものですね。」
ピット「なんかちょっとだけ罪悪感あるなぁ?」
足音が近づく。
コツンコツン…
その足音は教室の扉の前で止まる。
そしてガラッと扉は勢いよく開かれる。
・・・。
・・・?
黒板消しが落ちた?
いいや・・・音がしない。
ベレトは黒板消しを見事に頭の上でキャッチしていた。
かけている眼鏡が光る。
仕掛けたルフレ達は唖然としている。
ベレト「…誰だ?この様な珍妙な事するバカは。」
ルフレ「…まさか、この罠が通用しないなんて。」
小さい声で呟くルフレ。
教室内の生徒は皆笑っている。仕掛けた剣士組と夢子を除いて。
沙羅が堪えきれずに大きな声を出して笑う。
沙羅「あはは、ルフレ、あんた達の負けよ。今時先生にこんな手通じるわけないじゃない!」
ベレト「ルフレ…お前か…(ギロリ)」
ルフレ「え、あ…あー良い天気だね。」
ベレト「…まぁ、いい。今日は見逃す‥だが、もし次この様な事したら
口の中にチョーク100本突っ込むからな。
それと追加で宿題増やすので覚悟とけ。」
ルフレ「…うわぁ…マルスの言ってた通りなかなかヤバイ人かもしれないな‥‥」
マルス「君は真の先生の裏顔知らないからまだいい方だよ。
夢子の事となるとこの人は…」
ベレト「マルス、私語は慎むよう。」
マルス「ほんと、やばいから…」
ルフレ(何故小声…)
マルスの口からベレトが夢子に初対面で迫った事、喉の入口まで来ていたが黙った。
なんとなくベレトからも無言の圧をかけられてる気がしたから。
マルス(あー胃が痛い。僕胃潰瘍にならないか心配。)
ベレト「あ、そうだ。それと始業式開始間際だが1日ずれてお前たちの新しい仲間が増える。
…入れ。」
ベレトに招かれて教室に入って来る一人の人物。
そしてそこに入ってきた新入生を見て夢子剣士組、沙羅の表情から笑みが消える。
夢子「‥‥!?」
入ってきたのは
裏切り者のルフレもとい、【アルフレ】だった。
アルフレ「やあ。また会えて嬉しいよ夢子。フフフ…。」
女子生徒「「「キャアアアア!!カッコイイ!!」」」
歓喜の声を挙げる女子生徒の中で夢子は青ざめていた。
夢子「なんで‥‥貴方が此処に…!!」
夢子はただ青ざめるしか出来なかった。
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