夢子「先生、来ましたよ?」



夢子は恐る恐るベレトに声をかける。
なんだか空気がピリピリしているような気がして緊張感がある。
通学初日から先生に目をつけられるとか、本当に最悪だ。



【6=意外過ぎる展開】





ベレトは振り返る。
表情は授業の時と一緒で真顔だった。


夢子「…先生、私何かしましたか?思い当たる節がないのですが。」
ベレト「・・・。」

ベレトは静かに夢子へと歩み寄る。
…怖い。無表情だから余計怖い。

夢子「先生?」

夢子はベレトの顔色を伺う。

ベレトは夢子に近づくとじっと顔を見る。


ジーッ・・・


夢子「…あの…」

するとベレトは一言言う。

ベレト「…可愛い…。」
夢子「…え?」

予想外の発言に夢子は戸惑う。
ベレトはやっと表情を変えた。
ほんの少しだけ微笑んでる。

ベレト「最初はあの人に言われて嫌々此処に来たが…、今は来て正解だったと思う。」
夢子「あのォ…話の先が読めないんですけど。」
ベレト「教師と生徒って間柄だけど、俺はそういうの別に気にしないタイプだから。
    …禁断の恋って奴になるとは思うが、まあ俺はそういうのも有りだと思う。」
夢子「…さっきから何をブツブツ言ってるんですか?」





ベレト「一目惚れって知ってるか?」



夢子は頭を混乱させる。
先生は何を言ってるのか。混乱しまくり。
ベレトは夢子の顎を引く。

ベレト「年上に興味は無いか?」
夢子「嫌いじゃないですけど…」
ベレト「そう、じゃあ希望アリって捉えてもいいか?周りがアレだが。」
夢子「先生…私が何かしたから怒って呼んだのでは?」
ベレト「まさか。…俺が個人的に気に入ったから少し会話したかっただけだ。
夢子「ええ…!?」
ベレト「俺達良い関係になれると思う。」


ベレトの顔が近づく。
夢子はパニックを起こす。
確かにイケメンだが急にそんな事をされそうになると慌てる。

夢子「ちょ…先生!!」


あと5cmでキスをされそうになったその時、
医務室の扉が開く。

ガラガラガラ!!!

そこには家に帰ったはずのマルスが立っていた。



マルス「夢子!!!」

夢子「マルス!?帰ったはずじゃ…?ちょっと、助けて!先生が可笑しいの!」
マルス「やっぱりね…。」

夢子「え?」

マルスはベレトと夢子の間に割って入る。

マルス「なんかおかしいと思ったんだよね。…マスターから新人の話聞いたの思い出してずっと引っかかってたんだ。」
夢子「新人って?」
ベレト「…流石FE初代主人公様、だな。」
マルス「夢子、この人、スマブラのファイターだよ。」

夢子「ええ…!?どういう事?!」
マルスは説明を始める。

マルス「正確に言えば僕らが幻双国に行ってる間に追加されたファイターだよ。メタく言うと追加コンテンツのね。」
夢子「…そうなんですか先生?」



ベレト「バレてしまったならば仕方がない。…まあ別に隠そうとも思わないがな。」
マルス「僕最初見た時からなんかFE勢感あるなって思ったんだよね〜やっぱりって感じだよ。」
ベレト「で、マルス、君はどうするのか?」
マルス「どうって…。」
ベレト「俺は夢子が気に入ったから、お前らがどうあがこうが無駄だがな。
    …それとマルス、お前には追加宿題出すから覚悟しておくがいい。」
マルス「えええ!?ちょっと、酷くないかい!?正体バラされたの超根に持ってるじゃないか!」
ベレト「今後お前たち剣士組にはスパルタ教育するから、そこの所よろしく。」
マルス「えええ・・・!?ちょっと酷くない!?」
ベレト「夢子、今日は帰っていいよ。これから楽しい学校生活送れるだろう。」


ベレトは夢子の耳元で囁く。




ベレト「今度特別授業してやるから。今度放課後、ふたりきり、でな。」




夢子「…!///」


ベレト「では気を付けて帰るんだな。マルス、夢子の事護衛してあげてくれ。」
マルス「あーあ…なんか強敵出て来たね…今の状況でも最悪なのに。
    夢子、帰ろう?」
夢子「う・・・うん。」


マルスと夢子は医務室から出た。





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