夢子と沙羅が自分たちの教室へとやってきた。
教室の中では死んだ魚の目をしたような男子生徒たちと






【5=波乱の前兆】






自分の好みの剣士組を囲むキャーキャー騒ぐ女子の群れ。

夢子「やっぱり人気はあるのね。」
沙羅「まあ、あの人達イケメンって分類だから…」


教室に入ってきた夢子と沙羅を見た男子生徒は生き返る。

男子生徒1「うおおお!めちゃくちゃカワイイコ入ってきた!!」
男子生徒2「ああ、噂で聞いた事ある。2年前に転校した凄い美女がまた帰ってきたって!」
男子生徒3「隣のショートカットのコもめちゃくちゃカワイイじゃん!」


夢子「なんか男子生徒の視線感じるなぁ…」
沙羅「皆黒さんには負けるわ。足元にも及ばない。」
夢子「アハハ…。」



その様子を見たルフレが目を光らせ椅子から立ち上がると夢子の側へ行く。
そして大声で宣言した。





ルフレ「夢子は僕の彼女だから、手出したら殺すよ?(ニッコリ)」





その言葉でクラスの温度が一気に下がった。


夢子「ちょっとルフレ!恥ずかしいからそういうのやめて!?///」
ルフレ「だってほんとのことでしょ?」
夢子「そういうわけじゃなくて…場をわきまえてって言うかさ…」




キーンコーンカーンコーン・・・・・




リンク「鐘鳴りましたよ。バカルフレは早く席についてください。
ルフレ「サルでもわかってる事言わないでよ。僕は優等生だよ?」
リンク「自分で言いますか普通…。」



皆は席に座った。
夢子と沙羅も自分の名前の書かれてる席へと座る。
そこで、女子生徒たちが小さな声でヒソヒソ話を始める。




女子生徒1「あ、そうそう!新しく赴任してきた先生、凄いイケメンらしいよ!」
女子生徒2「うんうん、聞いた聞いた!楽しみね〜!」
女子生徒3「このクラスの顔面偏差値高いよね…私ブスだから凹んじゃう。」



夢子「新しい先生か…。どんな感じなんだろね?」
ルフレ「どんな人が来たとしても僕には負けるから。」
夢子「減らず口ね〜…。」



すると、教室の扉が開いた。



そこに入ってきたのは蒼髪で長身の眼鏡をかけた男性だった。
確かにカッコイイ。かなり顔立ちは整っている。

夢子「先生って…この人!?」
沙羅「ふーん、噂通りね?でもやっぱり黒さんには負けるわ。」



そして先生は自己紹介をさらっと言う。

先生「あー・・・皆、今日からこのクラスの担任になった琶麗斗(ベレト)だ。
   気軽にベレト先生と呼んでくれて構わない。」




女子生徒たち「「「キャアアアアーーー!!!」」」


歓喜の声を挙げる女子生徒。そして安定のしらけ顔の男子生徒。
夢子は苦笑していた。
夢子に気づいたベレトはじっと夢子を見た。
その視線に気づいた夢子。目が合った気がしたが…
ベレトは視線を逸らす。

夢子(今…先生と目が合ったっぽい?)

ベレト「…では1時間目始めるぞ。」

夢子(気のせいかな?)



その後、何事もなかったかのように全授業が終わった。
放課後…
夢子は何故かベレトに医務室に来るようにと言われた。
夢子は沙羅と剣士組に言う。

夢子「うわぁ…初日から最悪…私なんか目をつけられるような悪い事したのかな?」
ルフレ「それは無いと思うけど…大体先生とまだ直接喋ってないだろ?」
夢子「うん‥」

心配している夢子の隣でもうひとり首をかしげる人物が。
マルスだ。
一人でぶつぶつ何か言っている。



マルス「うーん…あの先生、どっかで見たことあるというか親近感あるっていうか…なんだろなぁ…」




夢子「マルス?大丈夫?」
マルス「ああ、うん、こっちの話。」
夢子「じゃあ医務室行ってくるね。」
ピット「宿題沢山追加されたりして!」
アイク「俺は作文が苦手だ。」
シュルク「じゃあ僕ら先に帰ってますね。」
夢子「悪い事起きなきゃいいけど…じゃあまたあとでね!」




夢子は重い足取りで医務室へと向かう。

夢子「怖いなぁ…凄い怒鳴られたりしたらどうしよう。
      っていうか私そもそも悪いことした覚えないんだけどなぁ?」

医務室のドアを開ける。
すると中でベレトが窓際に立って外を見ていた。


夢子「あの…先生?夢子です。来ましたよ?」
夢子は慎重にベレトの機嫌を覗う。



【いいね!!】


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