【4=戻った学園生活】





夢子は朝一番で目を覚まし、支度をしていた。
何故だろう。
それは彼女の服装を見たら分かる。

制服にシューズにカバン。


そう、今日から再び学校へと通える日が来たのだ。



夢子「よし、忘れ物無し!」
夢子は気合を入れていた。

そんな夢子の横で同じ学校の制服に着替えてるルフレ達。
夢子は尋ねる。


夢子「…貴方達、また本当に学校に通う気?」
ルフレ「当り前だよ!こうしてる間も君を狙う愚か者が沢山いるんだよ!?
    僕が守らなきゃ…」
ピット「学校のオンナノコ達って僕ら見るとすぐキャーキャー言うからちょっと苦手だなぁ」
マルス「それ程僕らが魅力的ってことでしょ?」
アイク「学食が楽しみだ。」
シュルク「…まあ、そういう事なので、また一緒に通う事にしますね。」
夢子「まあ、人数多ければ多い程楽しいもんね!」
リンク「俺は夢子さんとふたりきりがいいです。」
ルフレ「ちょっと、僕のセリフとらないでよ。」
そして支度をした7人は元気よく外へと出た。



通学路。
すれ違う男子生徒は夢子に惚れ惚れして
女子生徒は剣士組にメロメロになっていた。
その都度声があがる。目線は夢子達。


ルフレ「日本の子達って面白いよね。なんでこんなにキャーキャーするんだろ。」
リンク「俺は夢子さん以外興味ないですけどね。」
ルフレ「まぁね。じゃがいもだから。」
シュルク「その言い方止めた方が良いかと…」
アイク「女の敵だな。」
マルス「夢子だって僕らより上の男なんていないでしょ?
    …なんなら僕が一番イケメンで…」
ピット「まーたおまるすの妄想始まった〜」
夢子「まあ、確かに前にも言ったけど貴方達を超える人はなかなかいないでしょうね。」
リンク「久々の学校、楽しみですね。‥2年ぶりですか?
    真面に通ってませんが皆3年生って事になりますね。」
ルフレ「でも丁度入学&始業式シーズンでタイミング良かったかも。」
ピット「なんで?」
ルフレ「その方が浮かないし目立たないでしょ?」
夢子「いや…もう今の時点でかなり目立ってます。」
ルフレ「まあ僕カッコいいからね。それは仕方ないかな。」
ピット「この人痛い…」



学校の門の前で沙羅が立っていた。
こちらの存在に気付いた沙羅が駆け寄ってくる。


夢子「沙羅!おはよう!昨日は大丈夫だった?」
沙羅「ええ、黒さんが居たからどうにか丸く収まったわ。」
夢子「そっか…良かった!」
沙羅「後ろの6人もやっぱりついてきたのね。」
ルフレ「僕が居ないと悪い虫が夢子を直ぐに囲むからね。」
夢子は沙羅の腕に視線が言った。
リストバンドで傷は隠しているようだ。
夢子「…そうだ、傷薬、あっちの世界から持ってきたんだった!沙羅、こっちきて!」
沙羅「???」
夢子「皆、先に行ってて!ちょっと沙羅と用あるから。」
ルフレ「うん、先行ってるね。」



夢子は沙羅を木の陰へと呼んだ。
夢子「そのリストバンド外してくれないかな?」
沙羅「え…。」
不安そうな顔をする沙羅。

夢子「傷、治せるかもしれないから。」

夢子は鞄から傷薬を出した。

沙羅「それって幻双国の…?」
夢子「いっぱいあるからストック持ってきたんだ。
      この薬、凄いのよ?私も誰かさんにつけられた傷これでほぼ治ったから
      きっと沙羅のその腕にも効果が…」
沙羅「私は…傷を忘れて良いの?」
夢子「え…?」
沙羅「醜い自分を忘れずにいる事が謝罪になるんじゃないかって。」
夢子「そんな事思わないよ!沙羅はカワイイ普通の女の子じゃない!
      女の子はみんな傷なんて似合わないよ。」
沙羅「・・・。」
夢子「じゃあ傷薬使うね。」


夢子は沙羅の自傷の跡に傷薬の液を数滴たらした。
すると傷が薄い黄緑色の光に包まれて消えていった。


沙羅「…凄い…本当に傷が治った…あんなに醜かったのに…。」
夢子「成功してよかった!」
沙羅「…私の心もこの傷みたいに簡単に修復出来たらな…」
夢子「沙羅は醜くなんてないよ。私の心友だもの。」
沙羅「貴女って面白いわよね。私がどんなに酷いことしてもめげないで…
   負け犬の遠吠えよね。最初から私は結局貴女より弱かった。」
夢子「私だって弱いよ?ルフレ達に何度救われたか。」
沙羅「ありがとう…。」
夢子「お礼なんていらないよ。
      私だって怖かったよ、沙羅が完全にあっち側の人間になるんじゃないかって。」
沙羅「結局私はただワガママを繰り返していただけだったのね。」
夢子「人間皆ワガママよ。勿論私も。」
沙羅「…さあ、そろそろ学校の中に行きましょうか。」
夢子「皆同じクラスなんだよね?」
沙羅「ええ。剣士さんたちも同じクラスらしいわよ。…あ、それに…」
夢子「?」
沙羅「…実際登校したらわかるわ。」
夢子(なんか意味深だなぁ…)


【いいね!!】

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