夢子は自分自身に言った。










「おかえり、私。」






【3=懐かしさ】




夢子とファイター達は近所の公園に行く。
夕暮れ時のせいもあって子供たちは遊んでいない。


夢子はある事に気付いた。

夢子「沙羅…髪が黒色に戻ってるよ?」
沙羅「…?そういう貴女もよ?」

夢子は沙羅に諭され自分の長い髪を手に取って見る。

夢子「あ、ほんとだ…!」
ルフレ「僕はどっちの色も好きだよ?」
夢子「よかった…私髪長いから染めるとなると大変なんだよね…。
あ、そういえば日本では私たちの事色々と変化あるのかな?学校とか…どうなってるの?」
ピット「なんかマスターが言ってたけど転校してるって事になってるみたいだよ。」
夢子「じゃあまた戻ってきたって事になるのかな…
      勉強とかついていけるかな…。」
マルス「それなら心配ないって聞いたよ。マスターが助っ人呼ぶって。」
夢子「???」
アイク「しかしアパートの維持良く出来てたな。電気とか無いとゲームを接続するのは疎か
    Wi-Fiだって繋がらないだろ?」
シュルク「それはマスターが大人の事情という権力でどうにかしてたらしいです。詮索するのはやめましょう。」
沙羅「…。」
夢子「沙羅?」
沙羅「お父さんとお母さん…心配してるよね。なんて顔合わせればいいんだろう。
   それに私はこんなにも傷だらけになって醜くなって…。」

泣きそうな顔をする沙羅の肩を黒が抱き寄せる。

黒「大丈夫。俺も一緒にいるから。」
沙羅「黒さん…。」
黒「じゃあ俺たちは家に帰るから。」
夢子「うん、沙羅の事お願いね、ダークにぃ。」


黒と沙羅は帰って行った。
夢子は気持ちを切り替える。



夢子「また学校に再登校するまで時間があるから、明日は家の中掃除しよ!
     電気もガスも水道も通っててマスターにはほんと感謝だね!」
ルフレ「そうだね、人が居なくなった部屋って意外と汚れるからね。」
リンク「俺は食料品の買い出ししてきますね。冷蔵庫の物全部腐ってましたから。」
夢子「じゃあお願いしようかな?」
リンク「では買ってきます。ルフレ、俺が居ない間に夢子さんに変な事しないでくださいよ?」
ルフレ「さー、どうかな?」
ピット「ルフレなら僕らが見張ってるからだいじょーぶだよ!」
ルフレ「な…!」
夢子「さ、部屋に戻りましょ。部屋中のホコリ出さなきゃ!」





夕方だった空の茜色も今じゃ黒く星が光っている。
人数も人数だったので部屋掃除は2時間ほどで割とすぐ終わった。
リンクが買ってきた食材で夕飯を作る。
その様子を見ながら文句を言うルフレ。




ルフレ「…僕が作るのに。」
シュルク「まあまあ、僕らは掃除して疲れてるしいいじゃないですか。任せましょう。」
夢子「こうやってご飯食べるの待つのも久々ね!
     何十年も前みたいな感じがするなぁ…」
ルフレ「日本に戻ってこれて相当嬉しいみたいだね?」
アイク「当り前だろ。ここで育ったんだしな。」
夢子「なんか、また皆を巻き込んじゃってごめんね…?」
マルス「良いんだよ、僕らが好きでついてきたんだし。」
ルフレ「それに、僕が見張ってないと夢子すぐ横取りされそうだし。」
ピット「ルフレこういうとこだけ頑固だよねー。」
ルフレ「だって君たちだって狙ってるんだろ?」
マルス「まぁねー。僕の意志はいつどこででも変わらないさ!」
リンク「ご飯できましたよ〜。今日は時間がなかったのでそうめん茹でました。」
夢子「わー!日本のそうめん久々!リンク、ありがとね!」
ルフレ「茹でるだけじゃないか…そのくらい僕にだって…」
そして皆は手を合わせて声をそろえる。


全員「「「いただきます!」」」


夢子は小さい机でファイター達と食事を共にする。
なんだか自然に微笑みが浮かぶ。

ルフレ「そんなにリンクの作ったご飯が美味しいの?妬いちゃうなー。」
夢子「美味しいのもあるけど、平和だなって思って。」
リンク「あちらの世界では戦いばっかりでしたもんね。」
ピット「これが普通なんだよね、夢子は。日本人だもん。」

夢子「皆、これからもよろしくね?」

マルス「どうしたの?急に改まって。」
アイク「こちらこそ、って言いたいくらいだな。」
シュルク「これからまた日本で頑張りましょう。」





夢子は笑った。満面の笑みで。






その直後夢子の可愛さに興奮して食事ではなく
夢子を食べようとしたルフレをファイター全員で抑えに入った。




【いいね!!】

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