最終話

ルフレ「夢子!!!」



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リンクのシーカーストーンを使わずともその場の空気は
ビタロックで止めたかのように凍り付いた。

夢子が黒の攻撃を受け、斬りつけられてしまったから。

手を出したはずの黒さえも表情が凍り付いた。

剣士組「「「夢子(さん)!!!!」」」
ルフレは直ぐに目の前の倒れた夢子を抱きかかえる。


ルフレ「夢子…!なんで僕なんかを庇ったんだ…
    君が傷つく事なんてないのに…なんで‥‥!」
夢子「ル…フレ…良かった、貴方が無事で。」
ルフレ「クソ…こんな時に回復する技があれば…
    夢子、お願いだ、目を閉じないでくれ…!」

リンクは黒を問い詰める。
リンク「貴方が望んだ結果はこれですか?夢子さんは身を犠牲にした。」

黒【俺は…夢子を…?!最愛の人を手にかけた?
    そんなはずは無い。俺は真実の愛を勝ち取る為に戦ってただけ…】
リンク「黒兄さん、戻ってきてください。
    貴方は強い人間なはずです。邪竜やダークの力に負けないでください!」
沙羅【いけないわ黒さん。こいつ等の話に呑まれてはいけない。
   そうやってたぶらかすのでしょう?
   それに夢子が死ねば私は…
   私は…ほんとに嬉しいの?】

リンク達が言い争ってる間も夢子の体温がどんどん失われていく。
地面には段々夢子の血の海が広がっていく。

夢子「はあ・・・はあ・・・苦しい・・・私、死ぬの?」
倒れながら天に血まみれの腕を伸ばす夢子。
その手を握るルフレ。
ルフレ「馬鹿な事言わないでくれ…僕が君を助ける。」
夢子「…ああ、貴方の顔がだんだんぼやけてくる…
     もっと見ていたいのに。」
ルフレ「やめてくれ…僕を残して一人で行くなんて…許さないよ?」
夢子「最後にまた貴方の作ったケーキ食べたかったな…。」


ルフレは思いだした。
この世界では弱者は切り捨てられる。
それは命もまた同じ。
血が流れればどんな人も死ぬことだってある。
ルフレは決めた。
すると夢子のスカートのポケットに手をいれた。

夢子「ルフレ…?一体何を…?」
ルフレ「君がいつもポケットにスマホを持ち歩いてるの知ってたんだ。
    こうなったら最終手段。このスマホのwi-fiを使って
    僕らはこの国を出る。君を連れて、ね。」
夢子「…?!それって…」
ルフレ「今から病院に行ってもこの出血量じゃ間に合わない。
    だから僕は君を連れて日本から出てあちらの世界に行くことにする。
    勝手な判断でごめんね。でも、君を失いたくない。
    そうでしょ?皆!!」
リンク「今はこいつ等の相手してる暇じゃないですもんね。」
ピット「うん!僕も賛成!」
マルス「夢子と向こうに行くなんて、信じられないけど…」
アイク「今は迷ってる暇ないな。」
シュルク「未来に縛られない、自由な選択を!」

黒「夢子…クッ…早く‥‥行くんだ…」

ルフレ「今…黒兄さんの本来の意識が…?」
リンク「構ってる暇はないです、早く行きましょう。
    彼女の命が最優先です。」
ルフレ「それじゃあ行くよ、日本から僕らの国へ…
    夢子の命を、必ず救うんだ!!」


既に血を流し意識のない夢子を抱きしめ彼らはこの地を去った。
こんな結末を迎えるだなんて誰が想像したのだろう。
黒の心の中の黒は絶望していた。
沙羅は憎しみをぶつける相手が居なくなり唇を噛みしめた。
彼らはどこへ消えたのだろう。今は誰もわからない。
夢子の命は助かるのか…
戦いの中で見つけた答えは正しいのだろうか。

今彼らは違う世界の蒼い空の下に再び新たな地へ降り立つ。


























【迷走世界・完】

・あとがき・
長かった迷走世界も遂に終わりました。
完結するまでどれだけ年月経ちましたかね…数年かな?ちょっと笑える。
まーそれは紅のツバサも同じですけどね笑

でも、夢子さんに朗報(?)が。
この終わり方じゃ何か足りませんよね。味気が無いしスッキリしない。
〆るにはまだ早い。
そう・・・!
迷走世界の続編書きます!
ってか今既に書いてる最中です!
なので正確にはこれで「完結」であって「完結」ではないですね‥

このタイトルでは話をしめくくりますが、
しばらく夢子さんと剣士組の物語はまだまだ続きます。
それでは続編でまた会いましょう。
後日すぐに続編の新しい夢のお話UPします。


迷走世界、面白かったよーって思ってくれた方は
最後に是非拍手をぽちっとしてくれたら嬉しいです(*´エ`*)


でわでわ皆さままた次の夢でお会いしましょうヾ(・ω・*)




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