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黒「…ここは?」
沙羅「うっ…」
黒「沙羅、大丈夫か?!」
沙羅「うん…なんとか。」
黒「一体なんだったんだ…俺たちは山に居て…何か声が聞こえて…
  うっ…なんだ…この禍々しいオーラは…」
沙羅「黒さん?!」

クレイジーハンド「ようこそ、スマブラファイターを葬り去る計画の火種へ。」
黒「…あんたは…?」
クレイジーハンド「私はクレイジー。マスター側の光の民スマブラファイターからは
         煙たがれる存在。対になる闇の民とでも言っておこうか。」
黒「…一体何が目的だ。俺たちをどうしようと?」
クレイジーハンド「フフ、君たちの身体には既に邪竜の瘴気が入ってる。」
沙羅「・・・!?」
クレイジーハンド「これからは私の部下として働いてもらうよ。」
黒「ふざけるな…元の世界へ返せ…!」
沙羅「スマブラって…さっきから言ってるけど
   確かゲームよね?それと今の私たちとどう関係あるのよ!」
クレイジーハンド「こちらの世界で生きる者同士イザコザがあるのだよ。
         それに今の君たちの立場なら最高に良い条件だろう。」
黒「どういう意味だ?」
クレイジーハンド「お前たちは心から愛する者がいるだろう。
         自分の心に問いかければすぐわかる話だ。
         でもその者は振り向いてくれないどころか
         その鳥はどんどん遠ざかってそのうち何所か遠くへ羽ばたくだろう。」
黒「だから…なんだ。鳥は自由に空を飛ぶものだ。束縛する意味が無い。」
クレイジーハンド「私なら飼っている籠の中の鳥にすることが可能だ。
         そして君たちは既に我が支柱にある。」

ドクン!!!

急に黒と沙羅の心臓が脈打つ。

黒「なんだ…これは‥!」
沙羅「黒さん…!うっ‥‥!苦しい…!」


ドクン!!!


山のふもとに居た時と同じように2人の瞳は再び紅色に染まった。

クレイジーハンド「どうだ?邪竜の瘴気は。力が溢れるだろう?
         その力で思い人さえも思い通りになる。
         その前に色々働いてもらうが…ククク。」

黒「・・・。」
沙羅「・・・。」

クレイジーハンド「もうお前たちは元の世界の生身の人間ではない。
         その力でまずはファイターの誰かを亡き者にするのだ。」


黒【わかった。】
沙羅【わかりました。】

















夢子はわたあめの散歩をしに家の近くの土手を歩いていた。
風が気持ちいい。呼吸するたびに新鮮な空気が体内に入ってくる。
もう少し薄暗いがわたあめと一緒なら怖くない気がした。
しかし普段は同じように散歩をしている人や
ウォーキングやランニングをしてる人にすれ違うが
今日は誰ともすれ違わない。
夢子「おかしいなぁ、まだ夏休みだし人とすれ違うの当たり前なのに。」
そんな事を考えてると後ろから声をかけられた。
リンクだ。
リンクが夢子の後を追いかけて来たようだ。

夢子「あ、リンク!」
リンク「ここでしたか。探しましたよ。」
夢子「心配して来てくれたのね?でも私なら大丈夫よ。
      あれ、わたあめ?」
わたあめ「グルルルル・・・!」
夢子「あれ、おかしいな、わたあめ…リンクの事大好きなのに。」
リンク「…。」
夢子「リンク?…貴方、なんか…変よ?」
リンク「フン、やっぱり犬は嫌いだ。感が鋭くて好かん。」
夢子「どうしたのよ…なんか怖いよリンク。何かあった?」
リンク、らしき人物は突然紅色の眼光と邪悪なオーラを出した。



そう、リンクではない。
その正体は行方不明だった夢子の義兄の黒(ダーク)だ。




【いいね!!】


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