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翌日ー・・・
夢子とルフレとリンクの3人は
黒の住む家に向かっていた。
夢子同様黒も自分でアパートを借りて一人暮らしている。
電車を何度か乗り継ぎして、更に歩いて漸く着くような場所に家はある。
道中リンクとルフレはいつも通り喧嘩しまくっていた。
普段の夢子なら止めに入るが、なんだか今日は嫌な予感がしていた。
もしも黒の身に何かあったのなら私はどうすればいいのか、
夢子は悩んでいた。
それに沙羅。彼女から返事が無いという事自体あり得ない事だ。
今までずっと一緒に居て一度もそんな事したことがないから。
夢子は思い悩んでいた。
リンクとルフレは喧嘩をしながらもそんな夢子の不安の感情を読み取っていた。
でもなんと声をかけていいかわからなかった。
黒と夢子の関係は複雑だ。下手な言葉はかけられない。
身内でしかわからない問題もある。そこには誰も口出しは出来ない。
だからリンクとルフレはそのモヤモヤを互いにぶつけてる。


なんだかんだしてたら黒の家に着いた。
夢子は不安と恐怖で震えていた。
手を伸ばすインターフォン。その指は震えている。
リンク「夢子さん大丈夫ですか?」
ルフレ「僕が押そうか?」
夢子「…ううん、大丈夫。二人とも心配してくれてありがとう!
     ダークにぃきっといつも通り迎えてくれるよね、きっと。」


ピンポーン・・・



インターフォンを鳴らす。
しかし待っても出てくる様子が無い。
夢子「…出ない。もしかして中で倒れてる‥!?急がなきゃ…!」
ドアノブに夢子は手をまわした。
鍵がー・・・開いていた。

リンク「鍵もかけないでいるなんて、お兄さん大丈夫でしょうかね?」
ルフレ「これは…中に入ってもいいのかな?」
夢子「私が許可する。入ろう。」

夢子達は黒の家の中に入った。
見ると生活感はまるでゼロ。
何も物がない。
寧ろ本当に住んでるのかと疑わしほど殺風景で何もない。

夢子「ここに住んでた痕跡がまるでない…。」
リンク「何処かに移った、とか…」
夢子「私に内緒でそんな事するかな…。」






黒の家に寄った後。
今度は沙羅の家に行く。
すると沙羅の家の家族からとんでもない話を聞かされる。
沙羅は数日前から行方不明になってる、と。
警察にも届をだし皆総出で探してるらしいが
沙羅の居場所と安否は掴めれてないらしい。
立て続けに黒と沙羅を失った夢子。
流石に気が滅入っている。

リンク「夢子さん…。」
ルフレ「大丈夫?」
夢子「うん、大丈夫…って言うのは嘘だね。
     ほんとは凄く辛い。」
ルフレ「無理しないでね。君が落ち込むと僕らまで落ち込むんだ。」
リンク「ええ、思ってる事全てぶちまけていいんですからね。」
夢子「ううっ・・・・。」



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