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夢子とルキナとカムイは揃ってショッピングをしに出掛けてしまった。
家にはルフレとクロムとロイとわたあめがお留守番している。


クロム「で…話って何だ?」
夢子「リンク達がスマブラの世界に一旦帰還した理由でもあるんだけど。
      この世界には僕らの世界のようなファンタジーは無いんだ。
      少しでも刃物で刺されたら血が出て死ぬような、とてもか弱い世界で。」
クロム「ああ、持ってたファルシオンが消えたからな…剣などが使えないのは察した、」
ルフレ「僕らが本気になったらまた武器は召喚できるシステムみたいだけど。
    そんなこの世界に存在してはいけない邪竜が召喚されたんだ。
つい先日の出来事さ。」
クロム「なんだと!?」
ロイ「その邪竜と…ルフレは戦ったんですか?」
ルフレ「うん、ちょっと手こずったけど何とか倒したよ。
    明日にでも邪竜の亡骸をどうにかって思ってる。
    あれは一般人が見ちゃいけないものだからね。
    人気のない山中で良かったよ。」
クロム「…それで…彼女、夢子はお前の事どのくらい知ってるんだ?」
ルフレ「ああ、記憶が無い事は話したよ。そして今は軍を指示する立場にいる事。」
クロム「そうじゃない。」
ルフレ「…?」
クロム「お前に流れてる血の事だ。」
ロイ「クロム、その話は…。」
ルフレ「ううん、ロイ、気を使ってくれなくてもいいよ。本当の事だし。」
クロム「ややこしいな…でも少しの間の休息だと思いながら過ごせばいいんじゃないか。」
ロイ「僕たちの世界の話を夢子さんにするのはまだ早いのですかね。」
クロム「でも俺はそんな戒めに縛られる男じゃないと知っている。」
ルフレ「うん、ありがとうクロム。やっぱり君には励まされてばかりだ。」
ロイ「女子3人、今頃何してるんでしょうかね。」











夢子とルキナとカムイはショッピングセンターで買い物をしていた。
ルキナとカムイは二人とも初めて見る景色に只々驚いている。
夢子「なんか暑いし喉渇いたね!ルキナさんとカムイさん飲み物飲む?」
ルキナ「そうですね、私もそう思ってました。」
カムイ「異国の食べ物、興味あります!」
夢子「うんとじゃあ…そうだ、マルスがハマってた
      タピオカドリンク飲んでみる?」
ルキナ「英雄王が好んだ!?それは是非…!」
カムイ「わぁ…私も飲みたいですー!」
夢子「じゃあこっち!好きなの選んで飲もうー!」



夢子達はタピオカドリンクを頼んだ。
夢子は定番のタピオカミルクティー。
ルキナはタピオカ抹茶ミルク。
カムイはタピオカ苺ミルクを頼んだ。

そして皆で一斉にストローを啜る。


夢子「ど…どうかな?」



ルキナ・カムイ「「美味しい!!!!」」


夢子「ほ…ほんと?」
ふたりの出方を気にする夢子の心配を他所に
ルキナとカムイは目を輝かせる。
ルキナ「こんな美味しい飲み物あるなんて、私ここに来て良かったです!
    これはお父様にも早速教えなければ…」
カムイ「このぷにぷにの食感と甘いドリンク…最高ですわ!」
夢子「ふたりとも喜んでくれて嬉しい!
     そうだ、ふたりともネックレス好き?」
ルキナ「ネックレス…あんまりつけたことはないけど。」
カムイ「私はプライベートで良くつけますよ。」
夢子「私、ふたりと友達になった証欲しくて…
      お揃いのネックレス買わない?って…私図々しいですよね。」

ルキナ「そんなことないわ!私もそういうの持って見たかったし…
    ずっと長い間男装してて…その…憧れだったっていうか。」」
カムイ「そうですよ、お揃いのネックレス、買いましょう!」


夢子達は雑貨屋さんでネックレスを選んだ。
ハートの宝石のついたネックレス。
ルキナは蒼。
カムイは紫。
夢子は紅。

買った後すぐに3人はネックレスをつけて見せ合う。
光の反射で透きとおって綺麗に輝くネックレス。
ルキナ「綺麗…とても輝いてる。」
カムイ「日本のお店はこんな素敵な商品もあるんですね。」
夢子「私、辛い時はこのネックレス見てふたりの事考えるね!
     私にも素敵な友人が出来たって!」
ルキナ「私も大事にします!」
カムイ「3人だけの宝物ですわね!」



3つの宝石は光り輝く。
それはまるで彼女たちの未来のように。
しかし、邪悪な魔の手は少しづつ確実に忍び寄っていた。
何も知らない夢子。今は無邪気に笑っていた。



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