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リンク達が突然姿を消して1年経った。
夢子はまるで抜け殻のような毎日を過ごしていた。
今まで合った賑やかで煩いくらいの声がしない。
虚無とはこういう事なのだろう。
学校にはリンク達の事は海外に行っている、という事になっている。
しかしこれだけ長い期間になるとそろそろ良い訳も通用しない。
夢子は学校帰り公園のベンチで空を見ていた。
蒼く透き通った空。
どこまでも、どこまでも続く大空。
この先にスマブラの世界もきっとあるのだろう。
そんな事を考えながら夢子は泣いていた。
夢子「‥何よ、らしくない。私数カ月前まで独りだったじゃない。
このくらいの孤独なんて‥耐えきれ…うっ…。」
泣いては涙が枯れ、再び泣いてはまた枯れ。
夢子は毎日その状態を繰り返していた。
沙羅も黒も心配して声掛けをしているが、それでも精神状態は不安定だ。
誰の言葉も届かない。そんな状態。
「オネーサン、どうしたの?」
ふと見上げると夢子は5人の見知らぬ男たちに囲まれていた。
男A「そんなに泣いてるとカワイイ顔が台無しだよ?」
男B「俺らが慰めてやろうか?グヘヘ…」
夢子(こんな目に合っても助けてくれる人なんてもう‥」
男C「オイ、聞いてるのか?まあいい、これから楽しい事でもしようぜ。」
夢子(怖い…怖い‥脚がすくんで動けない…誰か…!!」
夢子が目を強く瞑ったその時だった。
???「夢子さん!」
夢子「ヤメテ…もう私に構わないで‥誰も…誰一人…」
すると少し離れてる場所から揉みあいになる声が聞こえる。
夢子には何も理解出来てないない状態だが
声はぶつかり合う。
男A「なんだ?テメェらは。こいつは俺が先に見つけた女だぞ。」
男B「折角の上玉を横取りする気か?あぁ?!」
???「俺の彼女です。」
男C「彼女だと?だったらなんで泣かしてんだよ。
お前が捨てたんだろ?だったら俺らのモンだ。」
???「確かに捨てたというのは間違ってはいません…
俺は夢子さんを黙って一人きりにしてしまった…。」
男A「なんだか知らねぇが…だったら話は早い。
お前はそこで指をくわえて見てるんだな!」
???「夢子さんにその汚い手で触れるな…殺すぞ?」
男A「…なんなんだ、コイツのこのオーラは…!!!」
男B「お…お前みたいなクソガキ…!」
リンク「触れるなゴミが…」
男共「「「ヒイイイイイ‥‥!!!」」」
夢子に色目をつけてきた男達は遠くへと腰を抜かしながら逃げてしまった。
そして…
そこには
いつの日かも見た時の勇者が立っていた。
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