42

42



リンクが事故にあったその日の夜・・・
夢子はなかなか寝付けないでいた。
リンクが車に轢かれた時の映像がフラッシュバックする。
それはとても身の毛がゾッとするような恐怖。
そしてリンクが最後に見せた苦しそうな笑顔。
あの顔を思い出すと・・・



夢子「私がもっと違う場所でわたあめの相手してたら…こんな事には…!」

布団をめくるとすぐ横にはわたあめが丸まって寝ていた。

夢子「自分の事よりわたあめを優先するだなんて…貴方らしいけど…
     それでもバカよ…あんな無茶するだなんて…。」

夢子はわたあめや他の皆を起こさないようにゆっくりと起き上がり
台所でコップに水をいれ一杯飲んだ。

夢子「ふう…。」

「夢子?」


背後から声をかけられる夢子。
驚いて目の前を見る。
するとそこにはルフレの姿があった。
ヒソヒソ声でしゃべる。

ルフレ「眠れないの?」
夢子「あっ…ごめん、起こしちゃった?」
ルフレ「ううん、僕も考え事して眠れなくて。」
夢子「あはは、一緒だね。」
ルフレ「そうだ。ちょっと息抜きに外いかない?」
夢子「こんな時間に?!」
ルフレ「ボディーガードならまかせて!僕が君のこと守るから!
    …それにここだと皆起きちゃうから。ね?」
夢子「じゃあ行こっか?」
















夢子達は公園へと来た。
二人はベンチに座る。
近所の家々の明かりは消え、
公園の街灯の明かりだけが辺りを照らす。

ルフレ「そうだ!ちょっと待っててね。」


ルフレは立ち上がると何処かへと向かう。
夢子は持ってきたマフラーと手袋で暖をとる。
息をすると白い吐息がでる。
夢子は公園のそばの道路を見た。
そこはリンクがわたあめを庇って轢かれた場所だった。
今も生々しく血痕が残っている。






夢子「うう…。」


夢子は泣いていた。


ルフレ「夢子!どうしたんだい?!」

目の前には缶珈琲を持ったルフレが立っていた。
どうやら自動販売機に行ってきたらしい。
ルフレ「暖かいカフェオレ買ってきたから飲んで?」
夢子「ぐすっ…あ…ありがとう…ぐすっ…。」
ルフレ「リンクなら大丈夫さ!」
夢子「え?」
ルフレ「あいつ死んでも死にきれないから。
    それに結構タフだよ?
    大乱闘でストック制×99やった後でもケロッとして親指だけで腕立て伏せするくらい。」
夢子「あはは、それは頑丈すぎね…。」
ルフレ「だから夢子は心配しないで!僕見てて思ったけど…今まで自分の事責めたでしょ?」
夢子「…だって全部私のせい…。」
ルフレ「そんなに責めなくていいんだよ?人には運命があるんだから。」
夢子「運命?」
ルフレ「そ!僕と君がこの地で出会ったように!」
夢子「そういう考え方もあるのかな…。」
ルフレ「そうだよ!だから重たく考えない事!君の今の課題だよー!」
夢子「宿題増えちゃったな…。」
ルフレ「それにリンク、明日には目覚めると思うよ?」
夢子「わかるの?!」
ルフレ「君の顔見れないだなんて拷問されてるのと一緒だもん!
    僕なら1週間で死ねる!だからきっと明日にはおきてるよ!」
夢子「あはは!なにそれ!」
ルフレ「それに、早く元気にならなきゃ君のこと僕が攫うもんねー。」
夢子「ば…バカ!何言ってるのよ!」
ルフレ「本当のことだよ?さっさと目が冷めなきゃ僕とライバル資格ないもん!」
夢子「貴方たちってホント張り合うの好きね?」
ルフレ「だって毎日が夢子争奪戦だもん!隙がありゃしない!」
夢子「なんかルフレと話したら少し落ち着いた!ありがとうね!」
ルフレ「君の笑顔が僕の宝!気にしないで!」
夢子「じゃあそろそろ家に戻ろっか!」




【いいね!!】

[ 104/508 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]