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夢子「うーん…」

夢子は自宅でうなされていた。
幼い頃の夢を見ていた。
大好きな母が自分から遠ざかっていく夢。
追いかけても追いかけても追いつかない。
終いには霧が出てきて母の姿が見えなくなった。



夢子『行かないで・・・!行かないでお母さん!!!!』









夢子「ハッ・・・!」

夢子は目覚めた。
その顔を心配そうに覗く6人の姿が見えた。

リンク「夢子さん大丈夫ですか?」
ピット「うなされてたよ?」
マルス「悪い夢でも見た?」
アイク「熱がまだあるな。」
ルフレ「僕らが迷惑ばかりかけてたせいだね…。」
シュルク「本当にすいません…。」

夢子「気にしないで。体調管理出来なかった私が悪いのよ。ゴホッ・・!」

リンク「無理しないでください!…今は安静に。」
ルフレ「おかゆ作ったから食べて?」
夢子「ありがとう…。」




夢子は先ほどの夢を思いだした。
そして涙を流す。
リンク「ど…どうしたんですか夢子さん!!」
ルフレ「おかゆじゃダメだった!?」
夢子「私、さっき小さい頃の夢を見たの。」

夢子は上を見上げ涙がこぼれないように話を続けた。

夢子「私ね。実は養子なの。今のお父さんとお母さんとは…血が繋がってないの。」
リンク「え・・・?」
夢子「私もダークにぃも養子で今のお父さんとお母さんに拾われたの。
     小さかった頃施設に預けられて…本当のお母さん、すぐに立ち去ってしまった。
     私が名前を呼んで追いかけたけど
     お母さん、振り返りもしてくれなかった…。
     私のこと、嫌いだったみたいで
     施設に入れられる前から家に一人ぼっちだった…。
     その時のこと思い出したみたいで夢に出てきちゃった。
     忘れようと思っても、
     忘れられないのよね。」
リンク「ー…今は、一人じゃないですよ。」
夢子「え?」
リンク「今は俺たちが側にいます。
    例えお母さんが離れていってしまったとしても
    俺は貴女の側にいます。
    離れないから…だから安心しててください。」
ピット「僕たちもいるよ!ずーっと一緒だからね!」
夢子「ありがとう…。私、もう一人じゃないんだよね。私には…仲間がいるー…。」
リンク「そうですよ!だから心配しないでください!」
夢子「うん…。」
ルフレ「おかゆ冷めちゃうから食べて!」
夢子「ありがと…。」











夢子はおかゆを食べて、寝てしまった。
リンク達は小さな声で会話をする。


リンク「夢子さんにあんな過去があっただなんてー…。」
ピット「夢子が可哀相だよ…。」
マルス「幼少期にあんなことがあっただなんて…。」
アイク「トラウマ確定だな。」
ルフレ「相当傷ついただろうね。」
シュルク「でも夢子さんは強いですよ。いつも明るくて…
     そんなことがあっただなんて思いもしなかった…。」
ピット「僕たちに時間あるのかな?」
リンク「どうしたんですかピット。」
ピット「もしもだよ?元の世界に戻らなきゃいけなくなったら…。」
マルス「そんなこと考えるのやめよ?」
アイク「俺たちはまだここから離れられないな。」
ルフレ「そうだよ。…僕は夢子を一人にさせたくない。」
シュルク「その時が来たら、その時考えましょう。」
リンク「そうですね…。」




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