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夢子「そういえば…私、まだ『マスターハンド』さんに会ったことがなくて…お礼言えてないんです…。」
ピーチ「そういえばそうだったわね!なら連れて行ってあげるわ!マスターハンドの所へ!」
夢子「本当ですか…!?」
ピーチ「勿論!」



第11章【新たな真実】



夢子はピーチと一緒にマスターハンドの居るステージへと向かっていた。
ピーチ「『マスターハンド』は終点っていうステージにいるはずよ。」
夢子「終点…ですか…どんなステージなんだろう…。」
ピーチ「それはついてからのお楽しみ!さ、ここからワープできるわ。いってらっしゃい!」
夢子「ピーチさんは行かないんですか?」
ピーチ「よっぽどの事がない限りマスターハンドとの多数人での対面は禁じられているの。
    大丈夫!勇気を出して!」
夢子「はい…じゃあ行ってきます!」
ピーチに気をつけてねと手を振られながら夢子はマスターハンドの居る終点へとワープしていった。



ブオオオンッ・・・
夢子「つ…ついたのかな?」
辺りを見回すとまるで宇宙のような景色が広がっており、それ以外は何もないシンプルなステージだった。
夢子「ここが…終点…。」
唖然としていると後ろから誰かから声をかけられる。
???「ようこそ、それに初めましてだな、夢子。」
夢子が振り向くとそこには色白で白髪で長髪な男性が立っていた。
身にまとう服も純白で瞳の色すら白い。
夢子「あの…『マスターハンド』さんでしょうか…?」
マスターハンド「そう、私がマスターハンド。この世界の創立者だ。
        …君がこの城に来ることはすでに知っていた。
        挨拶が遅れて申し訳ない…色々と忙しくてな。」
夢子「いえ…こちらこそ…。あの…初対面ながら聞きたいことがあるのですが…」
マスターハンド「亜空軍の事だろう?」
夢子「…なぜそれを…?!」
マスターハンド「君の顔に書かれてるさ。それに丁度、私からもいくつかの警告があってな。」
夢子「警告…?」
マスターハンド「君は自身がなぜ亜空軍に狙われているか、その理由を知らぬはずだろう?」
夢子「はい…。マスターハンドさんはその理由を知っているんですか?」
マスターハンド「残念ながら、私にもはっきりした理由は解らない。…だが、君自身がもつ何かを
        奴等は狙っているのだろう。だから君自身も狙われる。何か心当たりはないか?」
心当たり…。夢子の脳裏を過ったのはダークの言い残した言葉だった。
夢子「欠片の…破片…。欠片の破片が関係してると思います…!」
夢子の発言を聞き、表情を変えるマスターハンド。
考えながらも夢子に問いを続ける。
マスターハンド「欠片の破片…?!その言葉を誰から聞いた!!」
夢子はマスターハンドには嘘をついてはいけないと判断し、ダークの事を話すことにした。
マスターハンド「まさか…そんなことが…。」
夢子「彼は自分の事を『時の勇者の影』と言っていました…。」
マスターハンド「…もう気付いているかもしれないが、時の勇者とはリンクの事だ。」
初めて会ったあの日、話してくれた剣の事、すべては偽りではなかった。
夢子はそう確信した。
マスターハンド「影…ということはおそらく亜空軍側の存在なのだろう。
        君が存在している以上、彼は再び君を狙いにくるだろう…。」
夢子「私は一体どうすればいいのですか…。」
マスターハンド「この城にいれば一人でいるより危険を回避することができる。それに此処にいる我々の存在は
        奴等にとっては非常に厄介な存在なはずだ。
        夢子、君はここで『参戦者』になるといい。
        戦う術を身につけ、万が一奴等との戦いが再び起こった場合自分の身を自分で守れるようにするのだ。」
夢子「私が…参戦者に…。」
マスターハンド「戦い方は他の参戦者達に教わるといい。それと君の中に眠る力を目覚ませよう。瞳を閉じて…」
そういうとマスターハンドは夢子に向かい手をかざした。
マスターハンド「汝の中に眠る力よ、今こそ目覚めるとき!」
フワッ
マスターハンドが叫ぶと夢子の身体がゆっくりと宙に浮いた。
マスターハンド「どうやら魔力が元々備わってるようだ。これをいかし戦いの術を身につけなさい。」
夢子「はい…!ありがとうございます、マスターハンドさん!」
マスターハンド「それともうひとつ…。」
夢子「?」
マスターハンド「此処にいるすべての者たちが君の仲間だということを忘れないように。
        悩んでることがあれば近くのものに相談しなさい。勿論私でもいい。
        一人で抱え込まないように。解ったな?」
夢子「はい…!(リンクさんも同じこと言ってくれたなぁ…。)」





城へ戻るとすぐにピカチュウが夢子の元へ走ってきた。
ピカチュウ「夢子お姉ちゃん!話は聞いたピカよ!」
夢子「?話って?」
ピカチュウ「夢子お姉ちゃんが参戦者になるってことピカ!」
夢子「どうして知ってるんですか!?」
ピカチュウ「食堂にきたらわかるピカ!!!」
夢子が急いで食堂へ向かうとそこには参戦者達での人混みができていた。
ザワ・・ザワ・・
ピカチュウ「上を見るピカ!」
ピカチュウの指さす方向をみるとそこには巨大なくす玉から一枚の垂れ幕が下がっていた。
そこに書かれている言葉は・・・。
『新・参戦者「夢子」此処に現る!』
ピカチュウ「これで解ったピカ!!」
夢子「マスターハンドさんったら…。」
くすくすと夢子が笑っていると次々に参戦者達が夢子の周りを囲んだ。
マリオ「おめでとう夢子!今日からりっぱな一員だ!」
ピーチ「おめでとう夢子ちゃん!レディーの嗜みはこの私が教えますわ!」
カービィ「ペポーイ!ペポポポポ!」
ポポ・ナナ「「おめでとう!!」」
フォックス「良かったな!」
ファルコ「おめでとう!」
オリマー「夢子さん、おめでとう。」
ゼルダ「私が魔法について教えてあげますわ!」
ピット「夢子ー!おめでとうー!」
マルス「おめでとう、夢子!」
アイク「…おめでとう。」
夢子「ありがとうございます…みなさん!」
リンク「夢子さん…!」
夢子が気付くが否やリンクは夢子をギュッとだきしめた。
リンク「おめでとう…夢子さん!!これから俺達は正真正銘の仲間ですよ!」
夢子「リンクさん…!!」
途端に飛び交うブーイングの嵐。
ファルコ「何イチャついてんだこの野郎!」
フォックス「ファルコ、お前顔真っ赤だぞ。」
ピット「そうだそうだ!離れろリンクのバカ!おたんこなす!」
ポポ「ナス!?」
マルス「ちゃっかりしてるね君って人は…。」
アイク「…許さん…。」
皆にどやされ赤面して夢子から急いで離れるリンク。
夢子もちょっと顔が赤くなってしまった。
マリオ「ホント青春はいいなぁ。」
クッパ「吾輩もピーチちゃんと青春しようかな。」
マリオ「クッパ…あとで城の裏に来い。」
クッパ「ゲゲッ!」


こうして夢子はスマブラ城の参戦者の一員となったのだった。
夢子「皆さん…改めてこれから宜しくお願いします!!」




・あとがき・
マスターハンドは擬人化してます。ので、人型です。




【いいね!!】


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