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次の日ー・・・
夢子は高校の始業式に参加した。
久々の学校の空気にホッとする。
教室に入った瞬間声をかけられた。

「夢子、おはよー!久しぶりね!」
夢子「あ、沙羅、おはよう!」
この子は私の親友、沙羅。
小学生の頃からの幼馴染。
だからずーっと仲が良い。
沙羅の顔を見て余計安心した夢子。


夢子「やっぱり学校が落ち着くわー…。」
沙羅「何?何かあったの?」
夢子「いやー…色々ありすぎて嫌になっちゃう。」
沙羅「何があったのか知らないけど元気だしなよ!
   今日から二学期がんばろー!」
夢子「沙羅は相変わらず元気がいいね!」
沙羅「私の取り柄はそれだけですから!」
夢子「あはは!」



キーンコーンカーンコーン・・・・



先生「皆席に付けー!」

夢子「あ、先生きた!」
沙羅「じゃあまた休み時間話そ!」
夢子「うん!」




先生「皆夏休みで体が訛ってないか?今日から気合入れていくように!
   えー…それと突然だが…
   


   今日は4人の転校生を紹介する。

   
   さあ、こちらへ。」






夢子は教室に入っていた転校生を見て固まった。









先生「紹介しよう。海外からの転入生の凛琥(リンク)、飛威斗(ピット)、摩琉守(マルス)、藍紅(アイク)の4人だ。」







リンク「初めまして凛琥です。」








夢子「ちょ…な…なんでアンタたちがここにいるのよ!!!」


急に席から立ち上がり大声を出す夢子。
そう、リンク、ピット、マルス、アイクの4人が教室に入ってきたからだ。
4人とも一人前に制服を着こなしている。
そんな彼らを見て夢子は顔を真っ青にする。


先生「なんだ、夢子知り合いか?」




教室にいる他の女子たちは騒ぎ始める。
突然来たイケメン達に釘付けなのだ。
一方男子は白けている。



リンク「…というわけで。皆さんこれからよろしくお願いしますね。」


ニコっと爽やかな笑顔をだすリンク。
女子達は歓喜の声をあげる。




夢子「ビックサプライズってこの事なの…。」



夢子は俯きため息をする。










休み時間ー・・・




すぐにリンク達の周りには女子の群れができた。
女子たちは確実に虜になってた。


夢子は窓際で再びため息をだす。

沙羅「夢子!どうしたのよ?浮かない顔ね。」
夢子「沙羅…。」
沙羅「それより今日来た転校生凄いイケメンよね!」
夢子「うん…。」
沙羅「そうえいば夢子知り合いみたいだったけど…どういう関係なのよ!?」
夢子「うん…。」
沙羅「ねぇ、ちょっと聞いてる?」
夢子「なんで学校にまで押しかけるのかな…。」
沙羅「夢子大丈夫?なんか変よ?」
夢子「変にもなるわよこの状況じゃ…。」




そんな夢子のもとへ今回の加害者がやってくる。


ピット「夢子!おはよー★」
夢子「アンタ達ねぇ…。」
ピット「あれ?また激怒?」
夢子「当たり前でしょ!!なんで学校にまで押しかけるのよ!!!」
リンク「…だめでしたか?」
捨てられた子犬のような顔をするリンク。
その顔を見た他の女子がヤジを飛ばす。

女子A「ちょっと!凛琥さんがかわいそうでしょ!?」
女子B「そうよ!謝りなさいよ夢子!!」

夢子「なんでそうなるのよ…。」

頭をかかえる夢子。

アイク「夢子の事、困らせるなよ。」
ピット「そうだよ!凛琥意地悪ー!」
リンク「たまに意地悪したくなるんですよ。この気持ちわかりませんか?」
マルス「うん、分からなくもない!」
夢子「ほんと貴方たちって勝手ね…ついていけないわ。」
リンク「俺は大丈夫です。」
夢子「貴方じゃなくて…もう、なんなのよこれ!」
沙羅「いいじゃない!イケメン4人に囲まれるなんて幸せなことじゃないの!
   詳しい話は知らないけど夢子、元気だして!」
夢子「はあ…。」
リンク「だって夢子さんが俺たちのいない間にまた危ない目にあったら困るじゃないですか。」
マルス「そーそ!だからいっそのこと高校生っていうのになってみようーってね!」
リンク「だから学校でも俺達が護衛しますからね?」
夢子「有難迷惑よ…。」
リンク「俺は大丈夫です。」
夢子「だから貴方じゃないってば…。」
沙羅「それにしても、貴方たちどっかで見たような…?」
リンク「だって俺たちはー・・・」

夢子「ちょっと凛琥!!」



夢子はリンク達を教室の隅へと引っ張る。

リンク「なんですか夢子さん。俺とデートしたいんですか?」
夢子「違うわよ!!…ゲームの世界から来たっていうのは誰にも言わないで!!…いい?」
ピット「なんで?」
夢子「色々ややこしくなるでしょうが!」
マルス「夢子が困るなら…了解!」
夢子「じゃあこの事は秘密よ。」
アイク「…わかった。」


沙羅「5人でなにコソコソしてるのよー?」


夢子「あ…あはは、なんでもないわよ。」


【いいね!!】


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