マルス「はぁ…。」

マルスはバルコニーでひとり大きなため息をついていた。



【君にもらったものなら玉手箱だったって嬉しいんだ。《浦島太郎》】



マルス「はぁ…。」




そんなマルスの後ろのテーブルの椅子に座りチェスをするピット・アイク・シュルク。

ピット「ねえ、あれ…どうしたの?」
アイク「…これで何回目だ?」
シュルク「152回目です。未来ではあと追加で376回ため息する予定です。」
アイク「…なんであんな落ち込んでるんだあいつ。」
ピット「なんか、今日は大切な日らしいよ。
    それで落ち込んでるみたい。」
シュルク「夢子さん絡みですか?」
ピット「そそ。」
アイク「…夢子、今日はルフレと街に出るって言ってなかったか?」
ピット「原因、まさにソレだよ。おまるすにはそれしかないっしょ。」
アイク「チェックメイト。」
ピット「ああ!また負けたぁぁ!」
シュルク「アハハ、ピットは賭け事向いてませんね。」
ピット「おまるすーこっちきて一緒にやろうよ!
    そんな落ち込んでたってなんにも始まらないよ?」



マルス「はぁ…。」




ピット「ありゃ…。」
アイク「ダメだな。」
シュルク「これは夢子さんの力が必要ですね…。」






落ち込むマルス。
そんなバルコニーから見下ろす道から夢子とルフレの姿があった。
マルス「…あ!夢子…ルフレと一緒…」
夢子とルフレは楽しそうに話す。
その姿はまるで‥‥


マルス「ムキイイイイ!何でいつもルフレばっか…僕だって夢子と一緒にデートしたり手繋いだりしたい…!」

ピット「それは僕らも同じだよ?」
マルス「いいや、君たちとは思いの丈が違う…僕の愛は誰にも負けない!」
ピット「あーあ、また始まった…。めんどくさいやつ。」
マルス「僕は決めたんだ、夢子と結婚するって…。」
アイク「あいつ(ルフレ)に勝てるのか?」
マルス「当然!容姿なら僕だって負けないし!」
シュルク「中身の問題がありますけどね…。」
マルス「だから僕は夢子とー・・・・」






夢子「私が何?マルス」





気が付くと部屋に夢子が入っていた。


慌てるマルス。

マルス「わっ…夢子、いつの間に…!?さっきまで庭にいたのに…。」
夢子「マルスに渡したいものがあって。」
マルス「え?」








夢子「お誕生日おめでとう!!マルス!!!!!」


笑顔で夢子はマルスに箱を渡す。
箱はカワイイラッピングが施されている。


マルス「僕の誕生日…覚えててくれたの?!」
夢子「当たり前でしょ!仲間だもの!」
マルス「う…ううっ…」

マルスは顔面をグシャグシャにして泣き始める。
夢子「ま…マルス!?」
マルス「僕‥君に忘れられてるんじゃないかって…」
夢子「今日はルフレに手伝ってもらってプレゼト探しに行ったの。
      ‥‥気に入るかわからないけど…大事にしてほしいな。」
マルス「もちろんだよ!!夢子から貰ったものならば意地でも手放さない!
    …開けてもいい?!」
夢子「うん!」



マルスは箱を開けた。
どんな素敵なものが入っているのだろうか。
目を輝かせて開いたその箱の中には





ボム兵が入っていた。




笑顔のまま固まるマルス。
夢子も笑顔でニコニコしている。
…実は夢子に悪意はない。
あるのはー・・・・
夢子「ルフレがね、マルスは黒くて丸いものが大好きだよって言ってたからこれにしたの!
     …これがなんなのか私は詳しくないけどルフレがマルス絶ー対喜ぶからって!
      一人になったらその頭の上の紐に炎を灯すととてもロマンチックな出来事が起こるんだって!」











マルスはテーブルにそっと箱を置いて一目散に走りだす。
…黒幕の憎きルフレの元へ。




マルス「軍師ぃぃいいいいい!!!!!!貴様ああああああ!!!(怒り)」




怒り狂うマルスと遠くから覗いて笑う人物の影がひっそりとあった。
マルスはその後ファルシオンを携えルフレを城中探したらしい。
久々に殺意という感情を抱いたマルスだった。







夢子「…それにしてもなんだかこの黒いのどっかで見たんだよね。なんだっけ?…アイテム?」
ピット「…夢子は忘れてるままでいいよ。」
夢子「そう?」


〜君にもらったものなら〜





【いいね!!】




目次

[ 27/150 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]