【試して分かった、やっぱキミじゃなきゃダメだ。】



ルフレは一人で街をうろついていた。
いつも一緒にいるはずな夢子の姿、今日はない。
この日本に来てから一人行動は初めてかもしれない。
一人でいるのもなんか新鮮。
寧ろ夢子に依存しすぎていたのかもしれない…
そうルフレはおもっていた。
彼が街を歩くと女性たちが黙ってはいない。
何度も写メを頼まれる。
ルフレ(僕は韓流スターかなんか…?悪い気分ではないけど。)
声をかける女性の中にはそれはもう美しい人もいた。
でも、ルフレ本人からしてみればただのカボチャでしかない。
ルフレ(うーん僕おかしくなったみたいだ。通常の感覚が無さ過ぎる…)
しばらく歩いているとお土産ショップ的なお店を見つけたルフレ。
ルフレ(そうだ、夢子に何か買っていこう!)
ショップの店内には様々なお土産が並んでいる。
一通り見渡して、すぐに目ぼしいプレゼントが見つかった。
ルフレ(これにしよう!)






ルフレは帰宅した。
玄関を開けると騒がしい声がすぐ耳に入る。
ルフレ「ただいまー、夢子いる?」
リンク「夢子さんなら沙羅さんの家で遊んでますよ。
    ん…?何買ってきたんです?」
ルフレ「君のじゃないから安心して。それに知る必要もないでしょ。」
リンク「ほんと貴方とは仲良くなれませんね。いけ好かない。」
ピット「ルフレ〜今日ご飯担当でしょ〜お腹空いたからなんか作ってよー!」
ルフレ「君はいつもお腹空かせてるね、良いよ、冷蔵庫の中のモノで何か作るから。」





夜の7時。
夢子がやっと帰宅した。
家の中では既に食事を終えたピット達が寝転がってTVを見ている。
夢子「ただいま!」
ピット「おかえり夢子!もー遅いから夕飯先に食べたよー?」
マルス「一番最初に待とうって言いだしたピット君が一番先に食べたよね。」
ピット「だってピーマン克服できたのが嬉しかったんだもん!」
アイク「青椒肉絲…旨かった…。」
シュルク「夢子さんの分ならちゃんとラップしてありますからね!」
リンク「美味しかったけど、俺のほうが美味しいです。絶対。」
ルフレ「夢子、ちょっと外にいかない?渡したいものがあるんだ。」
夢子「…?別にいいけど?」



夢子とルフレは外に出た。そして近所の公園へ行く。
ルフレは何かを隠し持ってる様子だが何かはわからない。
ベンチに二人は座る。
街灯の光に虫達が集まる。

夢子「それでー・・・渡したいものって何?」
ルフレ「その前に…。今日僕が一人行動したの、わかるよね?」
夢子「うん、珍しいと思ったよ、いつもなら私連れて行こうとするのにって。」
ルフレ「まあそれも良かったんだけど、今日は僕の気持ち確かめたかったんだ。」
夢子「どういうこと?」
ルフレ「今日ね街歩いてたら色んな女のコに声かけられたんだ。
    逆ナンパって感じかな。」
夢子「まあ貴方の外見なら…声かけたくなるでしょうね…。」
ルフレ「その中にもモデル級だろうってコもいたんだけど。」
夢子「うん。」
ルフレ「…どうも…僕は感覚が完全に狂ったみたいで。」
夢子「と、言いますと?」
ルフレ「今日は皆ピーマンにしか見えなかったんだ…!!!」
夢子「え…なんか段々症状酷くなってない?」
ルフレ「いや、前からだったけど最近ほんとどの子も野菜にしか見えないんだ。」
夢子「じゃあそのうち私も人参っていうのかな。アハハ。」
ルフレ「それはあり得ない。大丈夫。君の事は目が腐ってもそんな風に見えない。」
夢子「そうかな?」
ルフレ「で、一人で歩いててやっぱり自覚したんだ。
    君の事ばかり考えてる僕。この気持ちに偽りはないんだと。」
夢子「そんなに私の事好きなの?」
ルフレ「うん、大好き!それでだけど僕からの細やかなプレゼント。はい!」

夢子にルフレは大きな袋を渡した。
カワイイリボンで封は閉じられている。

夢子「なになにー?軽いけど、ふわふわしてる?」


夢子はリボンをそっと外した。
中から大きなピンク色のイルカのぬいぐるみがでてきた。

夢子「わあ!カワイイ!」
ルフレ「どう?気に入ってくれた?」
夢子「これ、私が貰ってもいいの!?」
ルフレ「勿論!君のために買ったんだから!」
夢子「うわぁ…!ありがとうー!私がイルカ好きなのわかってたんだね!」
ルフレ「君と一緒にいった水族館の事記憶に濃いからね。
    イルカショー見た時の君、凄く可愛くて。
    僕はイルカより君に見とれてたよ。」
夢子「またまた話盛っちゃって。」
ルフレ「ほんとだよ?」
夢子「でも嬉しい!イルカのぬいぐるみ欲しかったの!」
ルフレ「僕だってこの大きなぬいぐるみレジに持っていくとき
     少し恥ずかしかったんだからね‥フェミニン男子っぽくて。」
夢子「そんな感じの見た目よ?」
ルフレ「それ言われると辛いけど、でもさ、頑張った僕にもご褒美くれない?」
夢子「えープレゼント渡して見返り要求ですか…」
ルフレ「そうだなーほっぺにチューでいいよ?」
夢子「うーんどうしよっかな。折角こんな可愛いのもらったしなぁ」
ルフレは目を輝かせている。
悩む夢子。いまは夜。公園にも道路にも人気はない。
夢子「じゃあ、あっち向いて?」
ルフレ「いいよー♪」
ルフレが横を向く。
夢子はルフレの頬にそっと口づけようとした。
その時だった。
夢子とルフレの座るベンチの横の木から不気味な音がした。




???「ホーウホーウ・・・!!!」



夢子「ひい!!!」


夢子は驚きルフレに思わず抱き着いてしまった。
心臓がバクバクしてる。
夢子「な…何今の…!?」
ルフレ「ん?山鳩だね。夜になるとあんな風に鳴くんだよ。」
夢子「お昼はクルッポーって可愛いのに…。」
ルフレ「それより僕は君が可愛すぎて死にそうだよ。」
夢子「あ・・・。」
夢子は咄嗟に抱き着いてしまったルフレから離れようとした。
しかしルフレの腕が夢子の腰をしっかり掴んでいる。

夢子「あの・・・。」
ルフレ「何?」
夢子「離してくれませんか…ずっと腕回されてるんですが。」
ルフレ「んー嫌だ☆」
夢子「もうーやめてよ!この姿勢ほんと恥ずかしいから!
      何‥なんか私の顔に段々貴方が近づいてきてる…気が…」
ルフレ「やっぱご褒美は口じゃないとね。」


チュッv



夢子「!!!///」
ルフレ「ご馳走様♪さ、家に帰ろう!夕飯はピーマンに因んで青椒肉絲だよ!」
夢子「また、勢いに流された・・・・。
      このままじゃ私の気持ちまで貴方のマイペースに巻き込まれそう。」



夢子は揺れ動く自分の気持ちを知りたいのか知りたくないのか
自身もわからないくなっていた。
でもこれだけはわかる。私は彼を意識している。


【いいね!!】


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