リビングで朝食をとる夢子と剣士男子達。
朝から食べ盛り。
皿の上のスクランブルエッグとベーコン、トーストがあっという間に消えていく。

夢子はカフェオレを飲みながらTVを流し見していた。
そこではこんなニュースが流れていたー・・・





【爬虫類って変温動物だから自分で体温調節できないんだよ。】




ニュースが次の話題に切り替わり、夢子が呟く。



夢子「ふーん…近所だ…物騒だなぁ。」
ルフレ「夢子どうしたんだい?」
夢子「いや、何かこの辺でペットの蛇が逃げ出したんだって。」
ルフレ「えぇ…本当かい?!何だか怖いね…。」
夢子「今警察とか地元のボランティアの人たちが探してるんだって。
      実は逃げ出してもう5日も経つとかで…」
ルフレ「それじゃあ蛇もお腹空かせて狂暴になってるかもね…。」
夢子「私、これからネイル予約してるから行かなきゃいけないのに…外歩くの、怖いなぁ。」
ルフレ「まあ、茂みとか暗い場所に行かなければ大丈夫じゃない??」
夢子「そうだね…深刻に考え過ぎないでおこう。」
ルフレ「あ、変態教師に車出してもらう?僕が頼んでおこうか?」
夢子「いや、流石にこんな事で先生に送迎して貰うのはちょっと…それに忙しいと思うよ。」
ルフレ「あの人君の為なら喜びそうだけどね。」
夢子「まあ、兎に角気を付けて行く!」
ルフレ「そうだ、帰ってきたら君の為にカスタードプリン作ってあげるよ!」
夢子「ほんと!?やったーv」







夢子が出かける時間になった。
今日は暑いので露出度の高めな服を着た夢子。
日差しが容赦なく照り付ける。


夢子「あっつい…」

額の汗をぬぐう夢子。
流石に熱すぎる。
ビル風の熱風とアスファルトの熱が凄まじい。

夢子はすっかり朝のニュースの話など忘れていた。
思わず建物の影を歩くようになる。

夢子「ふぅ、紫外線舐めたら痛い目見るからね…日陰歩こ‥‥。」

夢子はテクテクと影を歩いていく。
10分くらい影を歩いて足を止めた。

夢子「あれ…此処どこだっけ??」

ココで久々に方向音痴が発動してしまう。
路地裏を歩いていたら自分が何処だか分からなくなっていた。

夢子「スマホで地図出そうっと…ええーっと現在地はここだから…」

夢子がスマホに夢中になっているその時だった。
背後からズルズルと不穏な音が響く。

夢子は気づいていない。
そう、
彼女にあの朝ニュースで話題になってた蛇が近寄ってきていたのだ。
蛇は迷いもなく夢子へと向かって行く。

夢子はまだまだ気づかない。

夢子「あ、わかった!…なんだー目的地にすぐ側まで来れてたんだ!あとは此処の信号を左に曲がれば…」



シャアアアアアアア!!!


夢子「え?」

夢子は漸く気づいた。
背後を振り返ったその時にはもう蛇が夢子に襲い掛かっていた。

その蛇は夢子が考えていた物よりもかなり巨大な大蛇、推定4mほどのニシキヘビだった。

夢子「ヒッ!?」

夢子の身体に一瞬で蛇が巻き付く。
ニシキヘビ・・・
それは海外では家畜の豚などを丸のみにするだけではなく人間の大人まで喰らう事件が多発している狂暴な蛇。
毒こそはないがそれでも攻撃力は高めな蛇だ。

夢子「ッ‥‥!!」

夢子はルフレの言ってたさり気無い言葉を思い出す。

ルフレ《それじゃあ蛇もお腹空かせて狂暴になってるかもね…。》

夢子(私…食べられちゃう!?)

夢子は必死にもがく。
蛇はまだ本気を出していない様だった。
チロチロと舌を出して夢子の頬の舐める。
青ざめる夢子。

夢子(誰かっ…!!)

こんな路地裏に運よく人がくるだろうか?
まあ、まだ夜ではない。可能性はある。
夢子は蛇を刺激しない様にしていた。
蛇も様子見と言ったところだ。

すると、奥から人が歩いてくるのが見えた。
その人は黒い服装の男性の様だった。
こちらには気づいていない様子だが…

夢子は賭けた。
ここで大声を出してあの人に気づいてもらおう。
夢子は息を吸って大きな声を腹の底から出した。

夢子「助けてッッ!!!」


すると蛇はその声に反応してしまった。
…刺激を受け怒っている様だ。
夢子を蛇がギリギリと締め付け始めた。
圧迫されて呼吸が苦しい。

夢子「アッ…!カハッ…!い…息がっ…!!」

一気に締め付けられたせいで酸素が脳に行き届かず意識が遠のいた。

夢子「誰か…だれ…か…」

すると、目の前に人がふらっと現れた。

先ほどの男性だ。
その人はこちらを見てニヤニヤ笑っている。
…その赤い目はよく見覚えがあるアイツの目で…


アルフレ「…君、何一人で楽しい事してるの?」

夢子は目の前にアルフレが居る事を認識したが、もう声が出なかった。
必死に腕を伸ばす。

しかし

アルフレは助けてくれようとはしない。


それ所か楽しそうにしゃがんで蛇に捕らわれた彼女を眺めている。



アルフレ「ああっ…堪らない‥‥っ///蛇に締め付けられて、表情も歪んで…体のラインも浮き出て…スカートからパンツも見えるし…
     まさに触手プレイみたいで…美しいよ、夢子v///」


夢子「ッ…!!///」


アルフレ「もっと眺めていたいなぁ…どうしようか?助けてほしい?ねぇ、大嫌いなこの僕に助けてほしい???ヘルプミー?w」


夢子「‥‥。」

アルフレ「おっと、これ以上は愚問か。君が死んじゃうかもだし…良いよ、今日は特別に貸し借り無しで助けてあげるよ。
     さあ、蛇助おいで?家に帰ろう?飼い主が待ってるよ。」

アルフレが蛇に話しかけると蛇はアルフレを見てあっさりと夢子から離れて行った。
そして蛇はアルフレの腕から肩に巻き付いて大人しくなった。


夢子が倒れそうになる。
解放されてもまだ苦しい。動きたくても動けない。
息が乱れて涙が出た。

そんな夢子をアルフレが抱きしめる。

アルフレ「よしよし、よく頑張ったね。偉い偉いv」


何故かアルフレは夢子の頬を撫でる。
行動が不気味過ぎる。
そして彼女の頬から涙を指に拾って、その指を舐める。
この男…本当にヤバイ。


夢子「ッッハッ…ハアハア‥‥あ、ア…ナタねぇ…何でもっと早くっ…!?」
アルフレ「ん?何だい?」
夢子「…もういい。いつもの事よ…めんどくさい…」
アルフレ「君も無事で蛇助も無事で良かったよ。僕の用事、一気に2つも達成できちゃったよ。
     今日は最高な1日だねー!」
夢子「…どういう事…?」
アルフレ「ボランティアってやつ。僕が家に引きこもってるからってベレト先生が勝手に団体に申し込んでさ。
     ほら、僕動物とちょっと喋れるでしょ?だから脱走した蛇探すの手伝えって事になってさ。
     今日は君をストーカーして遠くから眺めようと思ってたけど、蛇も君も両方手に入って…
     フフフ。マジ最高v今日はとても良い日だ♪」
夢子「…。」
アルフレ「あれれ?どうしたの?いつもより元気ないね?もっとナデナデしてあげようか?」

夢子は見た目の外傷などはないものの、大分疲労していた。
蛇の巻き付く力とは時には骨も内臓も破壊する。
脱走してきた蛇はまだ手加減してマシなほうだったが‥‥
それでも夢子は弱っていた。
もうネイルサロンに行く所ではない。

アルフレ「…仕方ないなぁ。僕が家まで連れてってあげるよ。同じマンションだし?」
夢子「!?」

アルフレは承諾もしていない夢子を無理やりお姫様抱っこした。

夢子「ちょ!?何するの!?‥‥離して!!///」

アルフレ「ー・・・もう一度蛇に巻かれたいかい??二度目は手加減してくれないかもよ?」

夢子(ゾクッ…!!)


アルフレは蛇と会話をし始めた。

アルフレ「君、ご飯食べてないんだよね?相当お腹空いてるよねェ…今すぐにでも何かを丸のみにしたいよねェ…?」

蛇助「シャアア‥‥」

夢子(こ、コイツ…!!)

アルフレ「っと、蛇助を無事飼い主に引き渡さないとね。」
夢子「こ、この状態で行くつもりなの!?」
アルフレ「大丈夫、君軽いし。」
夢子「そういう問題じゃないって…恥ずかしいからヤメテ!?」
アルフレ「何で?いいじゃないか。僕らがラブラブって世間に知らしめようよ?」
蛇助「シャアアア・・・・!!!」
アルフレ「ほら、蛇助もそうしろって言ってる。」
夢子(…アタオカ過ぎるでしょこの人…。)

アルフレ「それじゃあ、かーえろかえろ、おうちへ帰ろ♪」
夢子(ああ…ダメ…体に力が全然入らない…)







数時間後。

ルフレ「…夢子、遅いなぁ…」
リンク「まだ帰ってこないんですか?」
ルフレ「うーん、1時間ちょっとで終わるって言ってたんだけどなぁ?もう3時間経つよ…?」
リンク「連絡入れてみるのは?」
ルフレ「それも駄目なんだ、既読にならない…」
リンク「まあ混んでるかもしれないし気長に待ちましょうよ。」
ルフレ「そだね…。」





80階ー・・・

夢子はアルフレの家、基部屋に監禁されていた。
腕を蛇柄の布で縛られて。

夢子「ッ…!!いい加減解放して!?」
アルフレ「解放しろと言われてすると思う?…ああ、今日の君はちょっと弱っててそこも魅力的で…///」
夢子「蛇だって無事飼い主に渡したでしょ!?もう用は済んだはず…?!」
アルフレ「…ああ、僕新しい用事出来たんだよね。」
夢子「…!?」



アルフレ「君を久々に苛めたい。苦痛に歪むその美しい顔…もっと僕に見せて??///」

夢子「やっ…!!!///」


アルフレと夢子の影が重なるー・・・







【爬虫類って変温動物だから自分で体温調節できないんだよ?】【完】




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