まさか、家の中でこんな大惨事になるとは
彼女も彼も知る由も無かったー・・・




【ぷりんせすころりんすっとんとん。】





今日は家のメンテナンスの日。
住んでいるタワマンの家の中
暴れん坊が大勢で住んでると言う事もあって
フローリングの床のワックスが剥がれてきた。
なので特殊な業者に頼んでワックスを重ね塗りして貰う事になった。

今日は平日だが
家の中にはアイクがひとりでソファーに寝そべっていた。
業者は既に帰宅済み。
天井を見上げて呟くアイク。

アイク「…暇だな。」

他のメンバーは再びベレトの怒りを買って放課後補習をしている。
逃れられた夢子とピットはわたあめの散歩だ。

アイク「夢子達が帰ってくるまでもう少し寝ておくか…。
    部屋も綺麗になってるし夢子もきっと喜ぶだろうな。」

眠そうな表情で時計を見るアイク。
まだまだ時間はある。
そしてひと眠り…しようとした、その時だった。


ガチャガチャ…


玄関の鍵が開く音がする。

アイク「!?」

不意打ちに驚くアイク。
すると夢子の声が聞こえてくる。
わたあめの元気よく暴れる音も。

夢子「ただいまー!!」
アイク「夢子、おかえ…」

と、その時だった。
わたあめが突然家の中にいるアイクに向かってダッシュした。
リードを持つ夢子は思わず引っ張られる。
急に全力で走るワンコの力、子犬でも侮れない。

わたあめ「わんわん!!」

わたあめは引っ張るのを止めない。

夢子は家の中に引きずり込まれ、体勢を崩した。
そう、

家の中は新しいワックスでツルッツルに光り輝いている。
夢子は思い切り足を滑らせた。

夢子「わ!?!?」


夢子は思い切り顔面から廊下に滑って転びそうになった。

アイク「夢子!!!危なっ!!!」



夢子は目を思い切り閉じた。
・・・。
床に転んだ衝撃がない。
寧ろ、温かくて心地よい…




夢子はアイクに受け止められていた。


流石スマブラのファイター。反射神経はあるようだ。
夢子はアイクに乗っかる形になっている。


夢子「わわわ…っ!!アイク!!ご、ごめん!!」
アイク「…俺は大丈夫だ。お前の方こそ怪我はないか?」
夢子「私は大丈夫…」
アイク「そうか、…はぁ、久々にヒヤっとした…。」
夢子「ごめんね?」
アイク「まあ日常何があるかわからないからな。」
夢子「じゃあ私はー‥‥」

夢子はアイクから離れようとした。
すると…


ガシッ!!!



アイクに腕を掴まれた。
そして…引き寄せられた。

夢子「あ、あああアイク!?///」
アイク「…もう少しこうさせてくれ?」
夢子「…あはは、もしかして眠いの?」
アイク「さあな。でもお前といると心地よくて‥‥」
夢子「変なアイク!」
わたあめ「ワンワン!!!」
夢子「わたあめもアイクと居たいって!!」
アイク「では、俺とお前とわたあめで昼寝でもするか。」
夢子「…ここ廊下だよ?流石にお行儀悪いって‥」
アイク「では俺の部屋に行くか?」
夢子「それはそれで私の身が危険な感じが…」
わたあめ「わんわんわんわん!くぅーん!」
夢子「あ、わたあめにオヤツあげなきゃ‥‥!!」
アイク「俺も何か食おうかな。腹減ってきた…」
夢子「アイクってばいつもお腹減ってるね?」
アイク「食べざかりだから。」
夢子「クスクス!!」
アイク「…///そんな笑うなって。」


笑顔の夢子が眩しすぎてアイクは彼女を直視出来なかった。
元の世界ではどんな美女に言い寄られても誰にもなびかなかったアイクだが
彼女には何故か不思議と惹かれてしまう。
美貌の魔女の血は恐ろしい。


夢子「ねぇ、言い忘れてた…」
アイク「何だ?」


夢子「ありがとっ★」




理性が吹き飛びそうな彼女の顔を見ていて
三大欲求が爆発しそうなアイクだった。


アイク「俺は何時暴走するか…分からないかもしれないぞ…。」
夢子「ん?何か言った?」
アイク「いや、何でもない‥‥。」





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